富野監督と女性性(アニマ)と男

富野監督の作品と女性キャラについてとか、父性についてとか
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mantrapri @mantrapri

富野が、おおかみこどもを激賞した理由がなんとなくわかる。富野が一貫して課題とした「女の業とそこからの解脱」を、富野よりも軽やかに、地に足が付いた形でやったからだろう。

2012-09-24 19:01:21
mantrapri @mantrapri

富野作品をみていると、初期のトリトンのピピから一貫して、女の業によって、主人公の行動が規定されている。その最も顕著なものが、ラスボスとなったハマーンやカテジナさんや、バロン・マクシミリアンなんだけんど。 彼女たちに救いがもたらされることは結局なく、打ち破られることで終局を迎える。

2012-09-24 19:06:48
哲学 @Tetsugaku

@mantrapri アニメ版リーンの翼はそういう意味では異色ですね。ヒロインは基本的に強烈な主張をせず徹底的にヒロインの父たる元日本軍の特攻兵が周りを振り回す話でしたね。オーラロードを通って現代に帰ってきたら日本が負けてて絶望して暴れまくるという

2012-09-24 19:16:11
mantrapri @mantrapri

ようやっとターンエーで、ラスボスとしての女=ディアナさまに救いをもたらせることができたんだけど、結局それも、ロランの献身という犠牲であって、富野作品の女性は自らを自らの手で、救うことができなかった。

2012-09-24 19:08:29
mantrapri @mantrapri

ここで出てくる救われない女は、女個人の業で救われないのではなく、男との関係性において救われない存在となっていった。 ハマーンはシャアと、カテジナさんはクロノクルと、バロンは息子のジョナサンと、それぞれ一方通行の思いの果てに、狂った。

2012-09-24 19:10:53
mantrapri @mantrapri

で、一方のおおかみこどもに目を向けると、ヒロインは夫と非業の別れ方をし、意識せずとも息子に夫の影を重ね、行動を規定してしまう。自然な形で描かれているが、ここらへんは富野作品の業を抱えたヒロインたちと似ているのである。

2012-09-24 19:12:58
mantrapri @mantrapri

しかし、おおかみこどもの主人公は、超常的な力を借りることなく、息子を「自立させることができた自分」を肯定し、息子を手放すことができた。同時に夫の非業の死と、息子を結びつける慣性からも解き放たれた。富野作品では結局、業を自然に手放せる女を描くことができなかったのにもかかわらず。

2012-09-24 19:15:39
mantrapri @mantrapri

富野がおおかみこどもを絶賛したのは結局、「業を自ら解き放つ女性」を、富野が理想とした、自分ができなかった形で「見せてくれた」からではないか。 富野がリップサービスで作品を褒めることはありえないと思うので、結局はそういうことなのでは、ないか。

2012-09-24 19:18:14
mantrapri @mantrapri

@Tetsugaku ブレンパワードで「女性性ゆえのラスボス」に区切りを付けて、ターンAで「戦いの本能」、キングゲイナーで「誰だってラスボスになる」と、あらゆる可能性を模索し出した気がします。だからこそ、今の富野に、もっと作品を作って欲しいと思いますね。

2012-09-24 19:22:51
mantrapri @mantrapri

おおかみこどもをみると、何故か巨人の星のラストを思うんだよね。自分の全てをかけてきたもの手放すことでの、ある種「カラッとした、世界」。それでも人生は続いていく、ということの希望というかね。

2012-09-24 19:25:40
哲学 @Tetsugaku

@mantrapri そうか、その流れだとサコミズ王はギンガナムの正当後継ですね。ターンエーのギンガナム→リーンの翼のサコミズ王→新訳ゼータのシロッコ、と来て次に誰が来るか楽しみですね

2012-09-24 19:32:34
mantrapri @mantrapri

@Tetsugaku 富野が「父権的なもの」を本格的に考えだしたのかもしれませんね。女性性に覆されない、もっと根源的に、どうしようもないものを。 V以降の鬱期に、ある種の「女性コンプレックス」から解脱したのかもしれません。

2012-09-24 19:35:05
哲学 @Tetsugaku

@mantrapri そう考えるとギンガナムが色々と感慨深いですね。Vでマリア(母性)主義やってたのがギンガナムで「お前らそんなに母性が好きかぁぁ」「あなたが父権で居られたのは母性があったからでしょ」「それを奪ったのもまた母性だぁぁ!」とロランと激突して「おやすみ母性様」END

2012-09-24 21:58:18
mantrapri @mantrapri

@Tetsugaku シャアからそうなのでしょうが、「敵こそが、トミノの最も言いたいことを言っている」んでしょうね。ギンガナムが「南無したかった銀河」とは、まさしく「母性による銀河」なのかもしれません。だからパートナーのグェンはガチホモ。

2012-09-24 22:09:01
哲学 @Tetsugaku

@mantrapri 「ララァは私の母親に~(以下略」から「それを奪ったのもディアナだろうがぁ」までの変遷にホロリ。作家性の強い監督の作品は大概敵の方が本音を語ってることが多いと思います。ムスカとかもパヤオさんのアバター。

2012-09-24 22:21:06
哲学 @Tetsugaku

@mantrapri ラスボスを自分の本音のアバターにして、自分の理性あるいは希望のアバターを主人公にして、作家本人の絶望を作家本人の希望によって救済させるってのは結構古典的な創作手法ですよね。

2012-09-24 22:22:22
mantrapri @mantrapri

@Tetsugaku 主人公って、どうしても通俗的にせざるを得ませんから、その対抗者に作家の思想が収斂するんですかね? ディアナ様を見てると「母性は偉大かもしれないけど、それを担う個人はそこまで強くないんだよ」と「強権的な母性」に引退宣言をさせてあげたように見えるんですよね。

2012-09-24 22:26:30
哲学 @Tetsugaku

@mantrapri 昔「ラスボスは主人公の先駆者で、実質父親ポジション。未熟な主人公がそれを乗り越える父親越えの作劇法」について島本先生が解説した同人誌がありましたが絶版。ターンエーはすべてのガンダムの終わりですから、終わりとはそういうこと、て言うトミノさんの意志ですかね

2012-09-24 22:44:23
mantrapri @mantrapri

@Tetsugaku つまり富野監督自身の癒しを以ってガンダム世界は幕を迎える、と。 そうなると「母性」「女性性」という巨大な敵も、富野の「アニマ」だったのかもしれないですね。セイラ、ララア、ハマーン、クエス、カテジナと続いたアニマが、ディアナ様でようやく眠りについた、と。

2012-09-24 22:54:30
哲学 @Tetsugaku

@mantrapri で、ディアナ様が眠りにつき、リーンの翼で軟弱になった日本を見てサコミズ王が絶望するけど娘の彼氏に諭され成仏、新約Ζでシロッコが「女利用しすぎだ!女達のところに還れ!」と言われ、カミーユも「お前だけは連れて行く!」と言われても発狂せず帰ってくる。繋がってますね

2012-09-24 23:19:17
mantrapri @mantrapri

@Tetsugaku 男ボス(富野)が赦し、男主人公(富野)が帰還する。アニマ(女性性)を介さず、男の上位人格と下位人格が融和する。今ファーストを作ったなら、ララアを介さず、シャアとアムロは会話ができるのかもしれませんね。

2012-09-24 23:28:23
哲学 @Tetsugaku

@mantrapri それはそれでシャアの魅力が半減するかもしれませんが(笑) カミーユが帰還して、「おおかみこども」で母性からの巣立ちに感動したトミノさんが向かう先は果たしてどこか。トミノさんの次回作『Gレコ』にご期待ください(笑)

2012-09-24 23:52:58
mantrapri @mantrapri

@Tetsugaku どーなるんでしょーねー。ガンダム神話がターンエーという、円環の理によって閉じられた後のガンダムは。

2012-09-24 23:54:52
哲学 @Tetsugaku

@mantrapri 『Gレコ』はガンダムではないらしいですが(笑) とりあえず、AGEの百年戦争は終わり、今動いてるのは『ガンダムUC』ですね。00で外宇宙へ旅立ちましたが、あの後ターンエックスが流れてくるんでしょうね。新作があってもターンエーの後はこず、次もまた地球圏戦争かと

2012-09-25 00:01:06
mantrapri @mantrapri

@Tetsugaku …あ。あれ、ガンダムじゃなかったとですか。まあ、富野監督の一番好きな時代は湖川友謙さんとのコンビ時代なので、むしろ期待です。

2012-09-25 00:04:14