2012年9月25日

茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第726回「英語政策こそが、日本の大学再生の鍵である」

脳科学者・茂木健一郎さんの9月25日の連続ツイート。 ほんじつは、昨日、一昨日、一昨昨日に引き続いて、日本の大学のあり方について。
7
茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-09-25 05:25:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第726回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日、一昨日、一昨昨日に引き続き、日本の大学のあり方について。

2012-09-25 06:33:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(1)日本の大学について三回連続で書いてきたが、まだ書き足りないことがある。言語政策について。周知の通り、日本の大学は明治に西洋の学問を輸入する「文明の配電盤」としてスタートした。最初は外国人が外国語で講義していたが、「和製漢語」が発明され、日本語で学問できるようになった。

2012-09-25 06:35:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(2)結果として、特にいわゆる「文系」の学問は、日本語でできるようになった。これは近代日本の偉大な達成である。和製漢語は漢字の元祖中国でも使われるようになった。ここまでは良かったが、インターネット文明とグローバル化が隆盛し始めた1990年代から、ゲームのルールが変わった。

2012-09-25 06:36:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(3)学術情報の蓄積が高速化して、いちいち翻訳しているのでは間に合わなくなった。文系の教授の重要な任務の一つは伝統的に翻訳、輸入だったが、それでは、最先端の学術動向に追いつけない。英語は、直接受け止め、蹴り返さなくてはいけないボール。翻訳しててはワールドカップに出られぬ。

2012-09-25 06:39:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(4)文明の配電盤、輸入学問の場としてスタートした日本の大学においては、英文和訳、和文英訳、特に前者が重視された。文系の教授たちが自分たちでやっていることのいわば自画像として、入試でも英文和訳が課された。特に、京都大学の入試は、未だに英文和訳、和文英訳しかない。

2012-09-25 06:41:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(5)英語という外国語を、母語の日本語を通して解釈するというのは、漢文を読み下し文とする以来の日本の伝統ではあるが、グローバル化の中で不適応を起こしている。特に、英語で直接やりとりする態度が受験を通して、あるいは大学教育の中で身につかないことは、現代における巨大な逸失機会。

2012-09-25 06:42:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(6)現代の学問的な課題は、日本で言う文系、理系の壁を越えなければ解決できない。「生命」や「環境」、「情報」を巡るテーマは、知の総力戦。ところが、日本では文系は基本的に日本語で学問しており、英語が基本の自然科学系と共通言語がない。最先端の成果を互いにパスし合っていない。

2012-09-25 06:44:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(7)今日の大学におけるliberal arts教育は、現代社会におけるlingua francaである英語を元に、自然科学から人文学、哲学までを含めた広大な知の宇宙に挑む精神の強靱さを培うもの。ところが、「教養課程」という名の日本の分断教育は、むしろ足力を萎えさせる。

2012-09-25 06:46:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(8)日本の大学は、重大な岐路に立っている。輸入学問ではなく、グローバルな視点において知の付加価値を生み出すという意味では、翻訳ではないピッチの上での直接の英語のやりとりに舵を切るしかない。それは、明治以来の和製漢語、日本語による学問とは別のトラックを設定することを意味する。

2012-09-25 06:48:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(9)大学全体とまでいかなくても、少なくともその一部分を、英語で最先端の学術情報をやりとりし、領域横断的な強靱な知を育む現場とすることができるか。東京大学Liberal Arts Collegeはその一つの提案である。論理的にやるべきことは明らかであり、時間は切迫している。

2012-09-25 06:49:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(10)以上の議論は、今までの日本の大学のあり方をいたずらに否定するものではない。和製漢語を発明し、日本語で学問ができるようにしたことは偉大な達成だった。しかし、時代が流れた。もはや、英語の直接取引でないと、グローバルな知的付加価値は生み出せない。決断すべき時。

2012-09-25 06:51:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(11)前向きに考えてみよう。Times Higher Educationのランキングで東京大学が30位。国際化指数が評価が低い。単なる一つのランキングと言えばそれまでだが、だからこそ言語政策を変えて10位以内に入ってみようではないか。守りの姿勢から、攻めの姿勢へ。

2012-09-25 06:52:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

えに(12)アメリカやイギリスの大学に留学するのは良いことだが、留学しかソリューションのない状況は日本の学生にとって悲劇だ。そんなところ行かなくても日本に世界最高の学び場があると、胸を張って言えるような、そんな日本の大学に進化して欲しい。これは、日本の大学へのエールである。

2012-09-25 06:53:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第726回「英語政策こそが、日本の大学再生の鍵である」でした。

2012-09-25 06:54:06

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?