大義名分とパワーバランス

お菓子っ子 @sweets_street

最近は「平和」や「人権」などの大義名分を振りかざすだけの人間を「現実が見えないロマンティスト」と批判して、パワーバランスの重要性に着目する見解は最近では一般的になりつつありますが、それが行き過ぎて「大義名分など不要だ。本質は武力だ」まで行き着くと、また別のロマンティズムですね（続

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受）現実のパワーバランスは武力や経済力だけでなく、メンツのバランスでも成り立ってます。メンツのバランスが取れてなければ、「良くも顔を潰してくれたな」という怒りから、陰に陽に妨害して相手のメンツを傷つけてバランス調整を図り、甚だしい場合は武力で相手のメンツを傷つけようとします（続

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受）逆に武力や経済力が不均衡でも、メンツのバランスでパワーバランスが維持されることがあります。たとえば、戦争している相手がいる。このまま優位に戦いを進めているけど、完全に叩きのめそうとしたら、自分も傷を負わずにはいられない。損得勘定でプラスになっている現在の時点で和睦したい（続

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続）敵方もこのまま戦い続けたら負けるのはわかってるけど、ここで和睦したら国民が怒り出すからやめるにやめられない。こういう時にどちらかが「そろそろ手打ちにしませんか。世界の平和を乱したらいかんですし」と切り出したら、「そうだな、負けてるわけじゃないが、平和は大事だよな。（続

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続）うん、そうだ。我らは負けてはいないが、平和のために手打ちに応じてやるのだ。決して貴様らのためなんかじゃないぞ。感謝しろよ」という言い訳が立って、メンツのバランスを保ったまま和睦を成立させられるわけです。相手に頭を下げると思えば腹が立ちますが、（続

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受）「皆が信じる大義に頭を下げてやるのであって、別に貴様に頭を下げているわけではない」と思えば、腹立ちも少なく済みますよね。他人に何かを要求する時も「大義のために要求を飲んでほしい」と言えば、相手も「大義のために譲歩してやったんだ。偉いのは俺の方だぞ」と気分良く飲めるわけです（続

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受）大義名分とは相手に道義的優越を与えてメンツを立ててやる代わりに譲歩を引き出すのに便利なツールでして、「俺は大義名分を持ってるから偉いのだ。大義名分が無い貴様は悪い奴だだから、無条件でひれ伏せ」などとやると、「それでは俺のメンツが丸潰れだ！」と怒りを買って役に立たないのです（続

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受）武力のバランスだけで世の中を語ろうとしたら、「殴り合いですべては決まる。殴り合いにならないのは相手がビビってるから。殴り合いが終わるのは相手が足腰立たなくなるから」という現実離れした世界観になりますので、大義名分を考慮に入れたパワーバランスを語っていただきたいと思います（終