面白さ・楽しさの分析方法

今回は、面白さ・楽しさ分析のコツについてまとめました。今回は、あえてゲームに限らない創作活動も含んだものとします。 過去にまとめてもらったり自分でまとめた記事はこちら。  「一柳宏之氏のエースコンバット04開発当時の想い」http://togetter.com/li/347999  「ゲームデザイナーの適性について」http://togetter.com/li/350792  「ゲームデザイナーの『プロとして』必要な能力」http://togetter.com/li/351925 続きを読む
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ROBIN @robin01jp

連続ツイートを始めさせていただこうと思います。今回のテーマは「面白さ・楽しさ分析のコツ」です。今回は、ゲーム開発に限った話ではありません。後でtogetterにまとめます。お目ざわりの方は一旦フォローを切るかミュート機能などでご対応いただけると助かります。(続く)

2012-09-30 04:43:57
ROBIN @robin01jp

【1】先日作成したまとめ「ゲームデザイナーの適性について」で、面白さ・楽しさの分析をすることが大事と書きました。面白い体験・楽しい体験をしたとき、なぜそのような気持ちが発生したのかを掘り下げて分析することは、発想力を高めるのにとても有効です。(続く)

2012-09-30 04:44:18
ROBIN @robin01jp

【2】なぜなら、掘り下げた分析をすることにより、自分が創作活動をするときに応用して役立てられる思考回路が増えていくからです。創作に有効な知識や手法の引き出しが増えていくとも言えます。(続く)

2012-09-30 04:44:33
ROBIN @robin01jp

【3】そのため、普段の生活でも分析癖をつけておくと良いです。本当は、誰に言われるまでもなく自然にそういう思考を働かせる性質をもっていると良いのですが、そうでない人は意識して「面白さ・楽しさ」について考察をしてみるといいでしょう。(続く)

2012-09-30 04:44:45
ROBIN @robin01jp

【4】楽しさの分析行動は、このような順番で行うと良いです。1.発見→2.分析→3.確認→4.応用。それぞれのステップについて下記に説明します。(続く)

2012-09-30 04:44:58
ROBIN @robin01jp

【5】1.発見/まずこれを意識的に行いましょう。これも「ゲームデザイナーの適性について」で書きましたが、楽しい経験をしたとき、普通の人は単にその楽しさを享受するだけで「なぜ楽しかったのか?」をわざわざ考えません。まずは気が付くよう心がけましょう。(続く)

2012-09-30 04:45:12
ROBIN @robin01jp

【6】「問題や不満」は、単なるユーザーでも簡単に発見し積極的に文句を言います。「この作品のここがこうだったらもっと良かったのに」というようなただの不満点の列挙は、クリエイターが行う掘り下げた分析とは言えません。(続く)

2012-09-30 04:45:24
ROBIN @robin01jp

【7】2.分析/創作活動に役立つ思考回路や手法の引き出しを増やすために、可能な限り深く掘り下げることが大事です。なぜ楽しいと感じたのか→それはAという理由で→Aという理由だとなぜ楽しく感じるのか?→Bという要素があるから→……というふうに。(続く)

2012-09-30 04:45:40
ROBIN @robin01jp

【8】自分自身をいじめるくらいの勢いで「なぜ?」「どうして?」を繰り返していき、もうこれ以上解き明かせない所に行き着いた時、初めて「応用が可能な意味のある分析」と言えます。(続く)

2012-09-30 04:45:53
ROBIN @robin01jp

【9】この時、浅い分析で止まってしまわないように注意が必要です。最初のうちは、ちょっと考えただけで分析を終了としてしまうと、その結果が間違っていることが多いためです。何度も分析しているとそのうち最終的な分析結果に行き着くのを早くすることができます。(続く)

2012-09-30 04:46:06
ROBIN @robin01jp

【10】分析は、人と話しながらやっても構いませんが、まずは一人でやってみることをオススメします。人と話すことで人の意見に流されてしまう可能性があるためです。最初のうちは、自分の言葉で考え、自分自身と対話しながらの分析が重要です。(続く)

2012-09-30 04:46:16
ROBIN @robin01jp

【11】3.確認/分析で得た知識を自分が今後活用できるようにするため、分析結果について他のクリエイターと話してみましょう。分析の段階とは違って、ここでは人と意見を交わしながら行うことをオススメします。(続く)

2012-09-30 04:46:31
ROBIN @robin01jp

【12】確認のステップを人と行うことで、自分が行った分析工程における間違いや、掘り下げが不十分だった場合にそれがわかります。また、あまりに個人の趣味嗜好に偏った分析をしてしまった場合、それを発覚させることもできます。(続く)

2012-09-30 04:46:42
ROBIN @robin01jp

【13】4.応用/発見・分析・確認をして自分の血肉にした思考回路を応用しましょう。何かを創り出すときは、その完成形のビジョンをしっかりイメージすることが大事です。日ごろから分析をしていることで、より具体的で明確なビジョンを持てるようにもなります。(続く)

2012-09-30 04:46:54
ROBIN @robin01jp

【14】ここでゲーム開発限定のコツを。「プレイヤーをこんな気持ちにさせたい」と思ったら、それは「そう錯覚させること」とほぼ同義です。広大な戦場を用意したり、プレイヤーを突然有能な兵士にすることはできません。しかしそのような気分に浸らせることは錯覚により可能です。(続く)

2012-09-30 04:47:07
ROBIN @robin01jp

【15】普段から楽しさ・面白さの発生原因を掘り下げて考えていると、どのようなゲーム性や表現手法がプレイヤーにどのような「錯覚」を引き起こすかが、自分の脳内データベースに蓄積されていくハズです。それらを駆使してプレイヤーの心理を疑似体験に向かうよう操作しましょう。(続く)

2012-09-30 04:47:19
ROBIN @robin01jp

【16】話は少し戻って、分析の際に使える手法をひとつ紹介します。自分が「減算法」の「ゴキ○リの例」と呼んでるものです。考え方の参考になれば幸いです。ゴ○ブリ、イヤですね。以下Gと表記することにします。ホントに苦手なんです。(続く)

2012-09-30 04:47:32
ROBIN @robin01jp

【17】「Gはなぜ多くの人に嫌われているのか?」の分析を例に減算法を説明します。多くの人はGに対して「見た目が嫌、気持ち悪い」と言いますが、果たしてそれが本当に一番の嫌われる原因なのでしょうか?減算法で分析してみます。(続く)

2012-09-30 04:47:50
ROBIN @robin01jp

【18】まず、Gが嫌われる要素を大きく3つ挙げます。A.見た目、B.素早さ、C.生息場所、の3つです。この中から1つを取り除いたパターンを3つ考えてみます。まずはA.見た目を変えてみます。チョウのような比較的嫌悪感を感じないものをイメージしてみます。(続く)

2012-09-30 04:48:00
ROBIN @robin01jp

【19】蝶のような見た目の虫が、Gのような素早さで、台所にいる。という状況を想像します。少しイヤなカンジは減ったかもしれませんが、なんかまだイヤです。蝶が嫌いな人はさらにイヤさが増したことでしょう。(続く)

2012-09-30 04:48:39
ROBIN @robin01jp

【20】次にB.素早さを無くしてみます。Gの見た目そのままで、カタツムリのようにのろのろ動き、台所にいる、と仮定します。突然出現したりあっという間に見えないところに隠れてしまったりはしません。ちょっとはマシになりましたが、やっぱりなんかイヤです。(続く)

2012-09-30 04:49:06
ROBIN @robin01jp

【21】最後にC.生息場所を変えてみます。Gの見た目で、Gの素早さで、台所ではなく原っぱや森にいる、と仮定します。すると、とたんに全く嫌ではなくなります。むしろ、子供達に人気の昆虫になりえるかもしれません(そんなことないか……)(続く)

2012-09-30 04:49:23
ROBIN @robin01jp

【22】結局、Gが最も嫌われる原因は、自分の生活圏内、しかも衛生を保っておくべき台所に出没するからだということが、分析の結果わかりました。多くの人が口にする「見た目が気持ち悪い」は、一番の理由では無いと判明しました。(続く)

2012-09-30 04:49:43
ROBIN @robin01jp

【23】減算法の例を紹介した理由は、最初にぱっと思いついた分析結果は往々にして間違っていることが多いということを知ってもらうためです。表層のみさらった分析しかしないと、間違った応用をしてしまいます。しつこいようですが、分析は深く掘り下げておこないましょう。(続く)

2012-09-30 04:49:58
ROBIN @robin01jp

【24】イヤなモチーフで分析方法の例を説明してしまいすみません。減算法は、あくまで分析方法の手段の一つです。他にもきっと良い手段があると思うので、いろいろ試行錯誤してみるといいと思います。(終わり)

2012-09-30 04:50:15