茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【劣等感を抱くと、人はどうなるか】連続ツイート

2012.10/1茂木健一郎氏:連続ツイート第732回 【劣等感は、誰にでもある】 …脳は、学ぶことで最大のよろこびを得る。しかし、その邪魔になるのが劣等感である。何事でも、初めてのことは他人よりもへたくそだが、その「劣等感の谷」を超えていかなくては、成長も熟練もない。ぎこちないこと、ダメなことを「初めての光」で楽しめないと、上り始められない…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第732回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、講演会でときどきお話することについて。

2012-10-01 09:32:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

れだ(1)脳は、学ぶことで最大のよろこびを得る。しかし、その邪魔になるのが劣等感である。何事でも、初めてのことは他人よりもへたくそだが、その「劣等感の谷」を超えていかなくては、成長も熟練もない。ぎこちないこと、ダメなことを「初めての光」で楽しめないと、上り始められない。

2012-10-01 09:34:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

れだ(2)一つ知っておくべきことは、劣等感は誰にでもほぼ平等にあるということだ。他人から見て美人の人でも、自分の顔で、どこか一つくらい気にくわないこと、劣等感を持っているもの。先日対談でお目にかかった山田優さんも、そう言っていた。何でそんなに美人なのにと思っても、本人意識は違う。

2012-10-01 09:35:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

れだ(3)他人から見て魅力的なのに、自分は劣等感を抱いている。これを『赤毛のアン症候群』と呼ぶ。アンの赤毛は魅力的で、ギルバートも、一目見てかわいい! と好きになるのに、アン自身は赤毛であることを消すことのできない欠点だと思い込む。ここに、多くの人が陥る罠がある。

2012-10-01 09:37:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

れだ(4)名門の生まれの人は、平凡な家に生まれた人に比べて恵まれているようだが、何をしても、どんなに成功しても、「親の七光り」と思われて、本人の努力の成果ではないと思われるという劣等感がある。一方、うちはあんな名門ではないからと劣等感を抱くことも、もちろんある。

2012-10-01 09:40:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

れだ(5)学歴がないひとは、いい学校に行ってないから、と劣等感を抱く。一方、学歴があるひとは、あの学校に行っていて、あの程度かと言われる劣等感を抱く。結局、人はみな、誰でも平等に劣等感を持っている。自分の持っているもの/持っていないものに対して、劣等感を抱くのである。

2012-10-01 09:41:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

れだ(6)日本人のTOEFLスコアは、アジアでも最下位に近い。当然、英語ができないと劣等感を抱く。しかし、英語のネイティヴ・スピーカーの多くは、逆に第二言語をまともにやらない人が多いから、自分たちは英語以外の言語をしゃべれないと、劣等感を抱く。結局は、お互いさまなのだ。

2012-10-01 10:12:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

れだ(7)劣等感を抱くと、人はどうなるか。まず、そのことを見ないようにする。あるいは隠そうとする。逆に、合理化して、攻撃的になる。英語ができない人が、英語なんてやらなくても日本語で十分だと開き直ったり、逆にネイティヴスピーカーが英語でいいんだと開き直る。どちらも良くない。

2012-10-01 09:44:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

れだ(8)脳の成長のために知るべきことは、誰でも、劣等感を平等に持っているということをわかること。そして、自分自身の中の劣等感の正体を見極めることだろう。そこから成長が始まる。劣等感の谷を乗り越えなければ、初めてのことに挑戦できないし、今と違った自分になることもできないのだ。

2012-10-01 09:45:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

れだ(9)ある時、魅力的な人とは、自分の劣等感とのつきあいかたが素敵な人だということに気づいた。自分の至らないところに木もれ日を当てられる人は、他人の欠点に対しても寛容で、抱擁的になることができる。逆に、劣等感を隠蔽したり、正当化する人は本人にとっても他人にとってもさびしい。

2012-10-01 09:47:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第732回「劣等感は、誰にでもある」でした。

2012-10-01 09:47:45