10周年のSPコンテンツ!

甲状腺検査の結果を読むために考えたこと、調べたこといろいろ

非公開でまとめていたものですが、ようやく時間ができたので情報を補足して公開しました。 続編もご覧いただけると嬉しいです。 「甲状腺検査の結果を読むために考えたこと、調べたこといろいろ(その2)」 http://togetter.com/li/400901
科学 地図 昆布 ヨウ素摂取量 嚢胞 ヨード欠乏症 超音波検査 結節
82

発端

斗ヶ沢秀俊 @hidetoga
昨日8月26日毎日新聞朝刊掲載の特報「甲状腺検査:福島県外の子供と比較 内閣府方針」http://t.co/gAPZGOsa 子どもの甲状腺検査を福島県外でも実施して、福島県の結果と比較するという内容です。
斗ヶ沢秀俊 @hidetoga
甲状腺検査は公募した団体に委託し、3カ所以上の地域で、4500人以上の子どもを対象に検査して、今年度末に結果を出す予定です。後で述べるように難点もありますが、県外での検査と福島県での検査の結果にはあまり違いが出ないでしょうから、不安を解消するために、意義のある検査だと考えます。
斗ヶ沢秀俊 @hidetoga
難点はまず、対照地域をどう選ぶか。海藻の摂取量など食生活が福島県と似ていて、かつ原発からかなり離れている地域を選ばなければなりません(地域選定の難しさ)。原発から離れた地域で、どれだけの子どもがわざわざ検査に行ってくれるかということも課題になります(検査協力者確保の難しさ)。
斗ヶ沢秀俊 @hidetoga
医学的に比較・判断する際のスタンダードとなっているダブルブラインド(二重盲検)法にはならないことも指摘されています。検査を実施する医師は「福島県在住」か「県外在住」かを知っているので、盲検ではありません。これは仕方がないことで、そこまで厳密ではなくても比較に意味はあるでしょう。
斗ヶ沢秀俊 @hidetoga
福島県の甲状腺検査では3万8114人のうち、186人(0・5%)が2次検査になりましたが、甲状腺がんと診断された子どもはいません。1万3646人(35・8%)は、5ミリ以上の結節(しこり)か、20ミリ以上ののう胞(液体がたまった袋状のもの)があるという「A2」判定になりました。

(注:その後9/11付けの第2次中間集計結果の発表とあわせて、8/24までに2次検査を完了した38人のうち1人が甲状腺癌と診断されていたことが公表されました http://bit.ly/UWz92D

斗ヶ沢秀俊 @hidetoga
「A2」判定の場合、医学的にはがんの疑いがないため二次検査の必要がないのですが、保護者は「詳しい検査をしなくても大丈夫か」と不安に思いがちです。県外での調査で同じような結果が出たら、福島県の方は「結節やのう胞は少なくとも原発事故とは関連がない」と判断することができるでしょう。

第1部

千葉どんぐり@休眠中 @chiba_donguri
北海道は昆布めっさ食う発言訂正。ペコ 調べたら、こんなの出てきた。 http://t.co/JpdCTgGh ヨウ素過剰摂取の記事が印象に残ってたけど、あれは北海道の一部地域の話で、道全体ではそうでもないのか。
千葉どんぐり@休眠中 @chiba_donguri
http://t.co/9uwdKPkQ 甲状腺がんの地域別の年齢調節罹患率を見ると、1位が島根、2位が富山、3位が福井、4、5位が広島長崎だけど、これは被爆者もカウントされてるのであんまり関係ないか。京都も沖縄も少ないですね。
千葉どんぐり@休眠中 @chiba_donguri
てゆーか、総務庁が「昆布消費量」なるものを調べいることに驚愕してるんだけどw http://t.co/v5T6FTT0 この偏差値(!)地図を見ると、福島はごくごく平均的ですね。これはよい情報なのではないかと。

総務庁→総務省

paru @takeki03
@chiba_donguri ヨウ素取りすぎの日本人の中でも富山県民は超人なのか?w 海外のヨウ素対策を見ると何がちがうのか謎…
千葉どんぐり@休眠中 @chiba_donguri
@takerukinako 富山は甲状腺がんの罹患率(調べてる範囲では)全国2位みたいなので、やっぱ食べ過ぎはよくないのかな?という印象ですね。
千葉どんぐり@休眠中 @chiba_donguri
県別昆布消費量(2010年) http://t.co/v5T6FTT0 地図の各県にカーソルを合わせると、偏差値が出てきます。
千葉どんぐり@休眠中 @chiba_donguri
年齢調整罹患率 http://t.co/hhBK7aOb と昆布摂取量 http://t.co/v5T6FTT0 1位の島根は昆布偏差値高め、2位の富山は偏差値最高、3位の福井も高いですね。4,5位以降はあまり相関関係がないように見える。
nao @parasite2006
@chiba_donguri 面白い地図のご紹介有難うございます。国際レベルで対応するものと言えば、WHOのヨード欠乏症の世界地図でしょうか。2003年版http://t.co/pQAeLcnP と2007年版http://t.co/qsWLktVX のうち旧版の方が対比が明確
nao @parasite2006
@chiba_donguri ヨード欠乏症の世界地図で見ると、ベラルーシは世界有数のヨード欠乏地帯なのが一目瞭然。旧ソ連と中央アジア、東欧各国も欠乏地帯。中央ヨーロッパではフランスとイタリアも。
nao @parasite2006
@chiba_donguri ヨウ素の摂取量が(単に甲状腺癌の発症ではなく)甲状腺疾患にどう影響するかを、ヨウ素摂取量が違う中国国内の3つの地域の比較により検討した論文がこちらhttp://t.co/kmkQcbDq もとはこのブログ記事http://t.co/SaB4ZkZr
千葉どんぐり@休眠中 @chiba_donguri
@parasite2006 ありがとうございます。公式RTさせて頂きました。
nao @parasite2006
@chiba_donguri 中国東北部内陸の2カ所(欠乏地域とやや過剰摂取気味の地域)を海岸部1カ所(過剰摂取地域)と比較。検査項目の中に超音波検査(甲状腺容積と5 mm以上の結節の数をチェック)。1999年と2004年の2回調査。
nao @parasite2006
@chiba_donguri 単純化するため両極端(内陸の欠乏地域と海岸部の過剰摂取地域)の間で比較すると、結節なしの甲状腺肥大は欠乏地域に多く(1999年の有病率19.5%対5.1%)、甲状腺肥大なしの複数結節は過剰摂取地域に多い(1999年年の有病率3.8%対6.7%)傾向

(↑甲状腺肥大はヨード欠乏症の最も特徴的な症状)

nao @parasite2006
@chiba_donguri この調査の対象は年齢13歳以上、また超音波検査では嚢胞のチェックはしていません。嚢胞も結節と同じようにヨウ素摂取量の多い地域で少ない地域よりも多く見られる傾向が確認できれば、超音波検査による嚢胞、結節の検出率の地域間比較の際に役立つ情報になるでしょう
残りを読む(73)

コメント

nao @parasite2006 2012年10月13日
まとめを公開しました。
千葉どんぐり@休眠中 @chiba_donguri 2012年10月13日
×総務庁→○総務省です。せっかく真面目なまとめに使って頂いたのに、おバカなタイポしててすみませんm(_ _)m
nao @parasite2006 2012年10月13日
省庁再編前の旧名称って、誰でも間違えますよ。リストに説明を追加しました。
Terra Khan @DrTerraKhan 2012年10月13日
時間かけてゆっくり読む必要がある。
じぇりい @t_jerry 2012年10月13日
お恥ずかしい、甲状腺は専門外ですが機械の設定なら画像の写真があればわかるので調子こいてつぶやきました。typoしてるし。対照として北海道も候補に挙げられるかも、との事でしたが、北海道でも沿岸地域、特に昆布の産地ではヨウ素摂取量は有意に多いと聞いています。ま、するとしたら技師も機器も豊富な、北海道の人口の1/4が住んでいる札幌圏でしょうけど。
じぇりい @t_jerry 2012年10月13日
あ、ヨウ素だって。この文脈ならヨードだってば。ヨード摂取量が多ければいいというもんでもない、というデータだったはず。
じぇりい @t_jerry 2012年11月21日
今更ですが、チェルノブイリの事故後にベラルーシの検診で使われていたのは周波数7.5MHzの機器だそうです。理論上は3.5MHzの倍細かく見えます。それでも現在とは画質は段違いですけど。
nao @parasite2006 2012年11月21日
リストの説明文に続編「甲状腺検査の結果を読むために考えたこと、調べたこといろいろ(その2)」http://bit.ly/TeBHwc の引用を追加しました。
nao @parasite2006 2014年4月6日
環境省が福島県の県民健康管理調査の甲状腺検査結果と比較するため青森、山梨、長崎の三県で実施した子供の甲状腺検査の報告書http://bit.ly/1epE8XZ には第2編として「ヨウ素摂取量と甲状腺の放射性ヨウ素摂取量の関連に係る国内外の文献調査」(p.49-57)がついており、いろいろ興味深い知見が集められています。
nao @parasite2006 2014年4月6日
文献収集は1)安定ヨウ素剤による甲状腺ブロック(副作用と効果、ヨウ素充足度との関係)、2)ヨウ素充足度と放射線誘発甲状腺がん、甲状腺良性疾患の発症リスクとの関連、3)ヨウ素充足度と甲状腺がんの実験的誘発に関する動物実験の3つのテーマに沿って行われました。
nao @parasite2006 2014年4月6日
特に興味深いのは、ヨウ素欠乏地域として知られるチェルノブイリ事故の被害地域(ベラルーシおよびロシア)内を土壌中のヨウ素濃度により3群に分けて甲状腺等価線量あたりの甲状腺がん発症リスクを比較したところ、低ヨウ素土壌群は高ヨウ素土壌群の3.2倍高かったことです。
nao @parasite2006 2014年4月6日
またロシア領内のチェルノブイリ事故被害地域で尿中ヨウ素濃度(地区別の中央値、ヨウ素が欠乏しているほど低い)と甲状腺がんの発生頻度の関係を検討したところ、最も甲状腺がんの発生頻度が高かった地域は、尿中ヨウ素濃度が最も低い地域と一致。
nao @parasite2006 2014年4月6日
甲状腺検査の結果を読む上で知っておくと役に立つのは、ヨウ素欠乏度により甲状腺がんの組織型が異なること。ヨウ素充足地域では乳頭がん(最も多い。ゆっくり成長)http://bit.ly/1mRT3y0 ヨウ素欠乏地域では濾胞がんhttp://bit.ly/1mRTfgP が多いことが知られています。チェルノブイリ事故後のポーランド(本来ヨウ素欠乏地域)では、ヨウ素添加塩の普及活動が始まったあと、甲状腺がんの組織型比が変化。
nao @parasite2006 2014年4月6日
ヨウ素充足度と甲状腺がんの実験的誘発に関する動物実験は、発がんに放射線ではなく化学物質を利用して行われる場合が多いものの、ヨウ素欠乏状態では発生頻度が上がるだけでなく潜伏期間も短く悪性度が高いこと、またヨウ素欠乏だけでなくヨウ素過剰でも化学物質による発癌頻度が上がることが示されています。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする