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竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
1)#電脳マヴォ にもし新しい部分があるとするなら、それは「編集者が作る無料同人誌」だということです。編集者の多くは出版社や編集プロダクションの社員ですから、普通そういうことはしません。若い編集さんには、趣味でやっている人もいるでしょうが、あくまで非公開の趣味です。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
2)しかし、振り返ってみると、日本の漫画界は、作家と編集者が共同で築きあげてきたものです。作家と編集、どちらが欠けても本はできません。ではなぜ、これまで編集者が「黒子」に徹していたかというと、理由はふたつあると思います。理由1は「作家は大切な“商品”だから」です。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
3)出版社にとって作品は勿論、作家さん自体も「商品」。読者にとっては「売り子」の名前がどうであるかは関係ありません。むしろ邪魔。理由の第二。それはほとんどの編集者が出版社や編集プロダクションなどの「会社員」であったからです。普通会社員にスタンドプレーは許されません。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
4)しかし、日本漫画出版の最大の特徴は独自の「編集=創作サポートシステム」にあります。「発注だけでなくアイデアの打ち合わせからネーム確認・取材・資料の手配、その他」を、編集者が行うことが慣例になっていますが、これは日本だけのようです。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
5)海外作家で日本で連載した人は、皆「日本の編集の素晴らしさ」を褒め称えます。リップサービスではありません。海外は、欧米も台湾・韓国も、編集者が「作品に口を出す」ことはないそうです。僕が会ったある韓国人作家は、「韓国では才能があってデビューしても1~2年で燃え尽きてしまう」と。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
6)なぜ「燃え尽きる」かというと、編集者が作品にほとんど口を出さない代わりに何のサポートもしてくれないからです。その為、調査が必要なテーマの作品でも、資料集めから取材のアポ取りまで、すべて作家一人でやるので、それとアイデア・ネーム・作画・アシスタントの手配もあるわけです。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
7)その話をしてくれた韓国人作家は、僕に「日本漫画がなぜここまで発達したか、その秘密がわかった。ここまで手厚い作家サポート体制があるからだ」として、韓国漫画界で日本式編集システムのメリットを説いていますが、どこの国でも、一度出来上がったシステムを変えることは容易ではありません。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
8)ちょっと長くなったので、続きはまた書きます。次は編集者が作るネット同人誌である「#電脳マヴォ 」の創刊した意味について、なるべく編集的な視点で書いてみたいと思います。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
日本に比べたら海外の編集さんは「仕事をしません」。その代わり契約には煩いです。海外の編集が見たら、日本の編集の仕事内容は「なぜそこまで作家の面倒を見るのか、異常」に見えるのではないでしょうか。@ABC1970: @kentaro666
Bolt69@「毒針殺法」 @bolt69
竹熊健太郎氏が漫画家と編集者について語ってるけど、そういう話じゃなく「編集者って本当に必要なのかどうか」について語ってもらいたいなぁ。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
既に語ってます。必要です。さもなくば本が出ません。RT @bolt69 竹熊健太郎氏が漫画家と編集者について語ってるけど、そういう話じゃなく「編集者って本当に必要なのかどうか」について語ってもらいたいなぁ。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
学生さんにページ数を伝えて漫画を描かせると、なぜか1ページ多く描く人がいます。「16ページで」というと、17ページ描いてくるのです。どうも扉をページ数に含めてない人が結構いるようです。ネームの段階から必ず扉は入れて指定のページになるように描きましょう。扉も含めて作品です。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
ページ数というのは、原稿料計算のベースになるので極めて重要なものですが、将来web漫画が主流になった場合、たとえば縦スクロールで延々と続いてページの概念がない、たとえば萱島雄太氏の『西遊少女』みたいな作品が次々に出てきます。http://t.co/AOYtM28q
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
[承前]韓国ネイバーのネット漫画では「ページの概念」そのものが既に失われています。単行本化を前提にせず、最初からネットに特化すれば、こうなるのは当たり前です。http://t.co/2QpFc8Uf
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
[承前]ネイバーは無料公開で広告で収益を得るモデル(作家にはアクセス数に応じた原稿料が出る)、『西遊少女』は課金制ですので、どちらもオンラインで「お金をとる」方法を模索しているわけです。しかし日本では「現物=紙の本を売る」以外、会社を維持するほどの収益は得られないのが現状です。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
[承前]日本では出版は「再販価格維持制度」(新刊書は定価販売のみ、値引きできない)など、特殊なシステムがあって、これがないと多くの出版社は会社が維持できなくなります。こうしたシステムは「紙の本を売る」ことが前提なので、出版社が電子出版に簡単に切り替えられない事情があるわけです。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
[承前]したがって、私は韓国のように「漫画界全体がネットに移行する時期」は、かなり後になると考えています。来年、#電脳マヴォ も実験しますが、ネットで作品を無料公開、単行本(マヴォは同人単行本)を販売して利益を得るというスタイルが、日本では定着するはずです。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
[承前]そうなると結局、最終的に単行本に落としこむことを考えて、日本のネット漫画はページの概念を捨てることはたぶんできないでしょう。韓国のネット漫画からも単行本は出ていますが、一度ネット用に描いた作品を、単行本用に再構成する手間が発生して、大変らしいからです。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
[承前]そうなると結局、最終的に単行本に落としこむことを考えて、日本のネット漫画はページの概念を捨てることはたぶんできないでしょう。韓国のネット漫画からも単行本は出ていますが、一度ネット用に描いた作品を、単行本用に再構成する手間が発生して、大変らしいからです。
偽教授 @Fake_professor
@kentaro666 不躾ながらご質問させていただければ。そこにおける、単行本購入の動因(ネットだけでは得られず、単行本を購入することによって購読者が得られる利益)としては何をお考えなのでしょうか?
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
@TanTanKyuKyu 「所有欲を満たせる」ということではないかと思います。画一的なパッケージではなく、ひとつひとつの作品に合わせた装丁にして、場合によっては判型も変える。つまり「作品ファン向けのプレミア商品」として高価な本を限定販売するようになるんじゃないかと考えています。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
.@TanTanKyuKyu 漫画出版は「薄利多売」でここまでの成功を収めましたが、そのやり方が、デフレ経済下で限界に達していると思うわけです。薄利多売がだめとなったら、次は「長期連載」を減らして、そのかわり何年も売れるロングセラーを狙うよう、作品の作り方を変えるべきでしょう。
偽教授 @Fake_professor
@kentaro666 なるほど。ご回答ありがとうございます。
田中雅人(カテゴリー2) @tanamach
@kentaro666 ネット~無料、単行本も出す、の場合、ネットも一色原稿なのでしょうか。ネットはフルカラー前提みたいな風潮になって来ていますが。またフルカラー原稿を印刷用グレースケールに落とすと、トーン貼り一色原稿とはニュアンスが変わりますよね。そこら辺は悩みどころです。
竹熊健太郎《地球人》 @kentaro666
@tanamach そこが難しいんですが、今はデータ原稿が主流ですから、最初からモノクロ版とカラー版を同時製作することになるのでは。それでモノクロ版を安価な普及版単行本、カラー版データはネット用と何千円もする豪華単行本に回すようになるんじゃないでしょうか。
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コメント

○○もへじ @marumarumoheji 2012年10月11日
スマホが基本プラットフォームになるという予想と、紙の本になること前提のページという概念を残した漫画という方向性って食い合わせ悪くないかな。
頭文字爺 @initial_g3 2012年10月12日
むしろスマホを基本プラットホームとした方が、紙の本との住み分けが容易な気もしますが。なぜかと言えば(1)スマホは画面の広さ・解像度的にどうしても紙に劣るから、紙の価値が相対的に上がる。(2)販売プラットホームとしての機能が漏れなく備わっている。スマホで読んで現物が欲しくなったら、その場で「即」発注可能なシステムが容易に構築できる。財布と必ずしも紐付いてないPCではこうはいかない。
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