ひすとり!対談「男達の友情~ギルガメシュ叙事詩からギリシャ、そしてルネサンスへ」第二部古代オリエント篇

ええーと、本日の対談は一応、第二部「古代オリエント編」に入らせていただくことになりますー。とは言ってもほぼギルガメシュ叙事詩の話しかしないと思いますけれど。 #wmtalk
2010-01-23 22:45:05
ギルガメシュ叙事詩については、以前もこんなようなことを喋ったわけですが http://togetter.com/li/2849 #wmtalk
2010-01-23 22:49:02
実はこのとき、ギルガメシュとエンキドゥは肉体関係あったかもだよ!とか言っちゃってるので、今回のテーマから逸れるんじゃないの?というつっこみはごもっともなのですが、まあ原典で明言はされてない(ように現代人には見える)のでそれでご勘弁をw #wmtalk
2010-01-23 22:50:16
@segawa 原典で、ギルガメシュとエンキドゥのなんか友情とかそういうのが読み取れる場所があれば教えていただきたい。 #wmtalk
2010-01-23 22:52:12
@davidsbundler おっけー! ええとねまあそもそも、『ギルガメシュ叙事詩』というのは古代オリエントの神話の中でも有名なものだし、確実に異彩を放っているのですが、それというのはここで描かれるギルガメシュとエンキドゥの友情に拠るものだと思うのです(続 #wmtalk
2010-01-23 22:56:42
続)二人の出会いから、一緒に冒険へ出かけ、そしてギルガメシュの一種身代わりとしてエンキドゥが死に、ギルガメシュは絶望を覚えて不死を求めて旅に出る。これらを通して語られることって、「普遍的」なことなんですよね。友情とか! #wmtalk
2010-01-23 22:59:43
ギルガメシュはエンキドゥが死んで「死ぬってこわい。命ってなに」とか言い出しちゃうわけですが、なんたって凄いのはここ。「私が心から愛したエンキドゥ/昼も夜も、彼に向かって私は涙した/彼を墓へ運び込ませたくなかった/七日と七晩のあいだ/彼の顔から虫がこぼれ落ちるまで」 #wmtalk
2010-01-23 23:01:54
@segawa 来た! 友情来たよ!! でも「死」を目の当たりにして、「不死」を求めるっていうのは、その普遍性に挑戦する物語でもあるよね。 #wmtalk
2010-01-23 23:02:26
@davidsbundler うん。でもギルガメシュは失敗するんです。 “眠りにすら打ち勝つことのできない人間が、死に打ち勝てるはずもない”“酒を呑み、女を抱け” 「死の海」の向こうの住人達の言うことは、大体こんなようなことです。 #wmtalk
2010-01-23 23:05:30
@segawa 始めて城の外に出たシッダールタみたいな悩みでつね。シッダールタは不死を求める方にはいかなかったみたいだけど。<「なんで人って死ぬの」 #wmtalk
2010-01-23 23:06:56
@segawa なるほど。この一文妙に納得w>「眠りにすら打ち勝つことのできない人間が、死に打ち勝てるはずもない」 #wmtalk
2010-01-23 23:08:32
ハイライトったところで、基本的なことをちょっと。 『ギルガメシュ叙事詩』というのは大体紀元前3000年頃の古代オリエントで語られていた神話です。半神半人の王ギルガメシュとその従者エンキドゥの冒険譚。幾つかの断片的な伝承の集合体が、今一般に知られる叙事詩です。 #wmtalk
2010-01-23 23:11:36
半神半人だったんだっけ。なんか1/3ってめずらしいなーってイメージだけが残ってた。なんでそう思ったのかは読んだのが古い昔過ぎて覚えてない。<ギルガメッシユ #wmtalk
2010-01-23 23:16:06
@hijiri_enzou 省略してしまいましたが、三分の二が神、三分の一が人間です。でも文献によっては両親とも神様だったりして、よく分からない。大体「三分の~」ってなんだよ!っていう。 #wmtalk
2010-01-23 23:19:57
『ギルガメシュ叙事詩』の特徴のひとつは、この「よくある話」の多さ! って言うとあれですが、実は『ギルガメシュ叙事詩』が原型なんです。「産まれた直後に親に捨てられた英雄」「殴り合って親友に」「不死を求めて失敗」「蛇にしてやられる」等々…… #wmtalk
2010-01-23 23:08:38
@davidsbundler @noby_germany はい、ここ大事ですw ギルガメシュというのは基本的にわりとダメ男で、物語の最初では暴君なんです。見かねた神が、彼の“ライバル”として創造したのがエンキドゥ。(続 #wmtalk
2010-01-23 23:13:36
エンキドゥはギルガメシュの街へ乗り込んでいって、二人は街の広場というか交差点で取っ組み合いの喧嘩を繰り広げます。どっちが勝ったかは微妙なのですが、エンキドゥのようにも読めます。で、エンキドゥがギルガメシュを讃えることで二人はお互いの強さを認め合う仲になるわけです。 #wmtalk
2010-01-23 23:15:32
@davidsbundler ですね。ただエンキドゥは自分の運命を知っていたわけではなくて、狩人の親子の差し金でギルガメシュに戦いを挑むことになるのですが。 エンキドゥはある種、ギルガメシュのために創られ、彼のために殺されたわけで、そのへんすごくドラマです。 #wmtalk
2010-01-23 23:18:36
(補)『ギルガメシュ叙事詩』には「狩人の父子」「遊び女(娼婦)」「酒場の女主人」など、低身分の人達がちょこちょこ出てくるんだけど、この人達がものすげー頭いいというか賢人的存在。存在としてギルガメシュ達より高みにあるように見える。面白い。 #wmtalk
2010-01-23 23:22:24
@segawa そこ重要な香りがしますね! エンキドゥが作られ、殺され、ギルガメシュは死を乗り越えようとし、でも結局死に屈服する…と考えると、最初から何も変わっていない気もします。そうか、これが普遍性…!! #wmtalk
2010-01-23 23:21:26