ノット・ザ・ワースト・デイ、バット・アット・リースト・カースド・エニウェイ #3
(とある女ニンジャ、レッドハッグは現在、次々に襲いかかるニンジャ達とのイクサを強いられている。因縁の「ブラザーフッド」を激しい戦いの果てに壊滅させた彼女に今や禍根は無く、ここへきての立て続けのニンジャ暗殺者の襲来は異常事態てあった。)
2012-10-11 10:24:18(体勢を立て直し襲撃の理由を突き止める時間すらも与えず、挟撃ニンジャのロックイーター&マントラップ、磁力弾丸ニンジャのミョルニール、鬼瓦武装ヘリ……その規模はそこらの弱小組織のそれではありえない。更にはネオサイタマの死神、ニンジャスレイヤーまでもが現れたのである。)
2012-10-11 10:33:58(ニンジャスレイヤーもまた、この襲撃に一枚噛んでいるというのか?だが死神はすぐさま襲いかかるかわり、妙な事を口走った。「オヌシがライターをすり替えた」。身に覚えのない彼女は己のライターを取り出し、悟る。その瞬間に有無を言わさず撃ち込まれるミョルニールの磁力弾丸。)
2012-10-11 10:43:32(隣接ビルの屋上へ逃れたレッドハッグであったが、そこには既に、しつこく迫る鬼瓦武装ヘリ有り。激しい銃撃に加ええ、ヘリから飛び降りたのは新手のニンジャ、ワイバーン。イクサ、またイクサ、そしてまたイクサだ!オイオイオイ、慌ただしいにも程があるってもんだぜ!)
2012-10-11 10:54:49「ドーモ、ワイバーン=サン。レッドハッグです」レッドハッグはアイサツを返す。「どこのワイバーン=サンだい」「噂に聞く通り、どうやらそこそこやるようだ。レッドハッグ=サン」ワイバーンは拳をゆっくりと握り込んだ。「支払う代償は大きいぞ」「代償も何も」 1
2012-10-11 11:10:21レッドハッグはライターを取り出す「狙いはこれかい」「……この期に及んで交渉でもするつもりか」ワイバーンは首を傾げた。レッドハッグは睨んだ。「アンタら、せっかちもいいとこ。悪いけどアタシには何にも話が見えてないんだ」「……それで?」「だからさァ!興味無いッての!」 2
2012-10-11 11:17:57「……」「このライターはアタシのじゃ無い。すり替わったんだろうね」「フ」ワイバーンは鼻を鳴らした。「それは不運だったな、レッドハッグ=サン」そしてカラテを構えた。「お前自身ではお前の無関係を証明できまい。残念だが、お前は詰みだ。それを預かった時点でな」 3
2012-10-11 11:26:53「ああ、そうかい」レッドハッグは笑い、ライターをしまった。「それ程の物かい。カネになりそうだね。とりあえずアンタを殺して、このブツの売り込み方を考えるとするかね……」「その皮算用を手土産に死ぬがよかろう」ワイバーンが尻尾状のマニピュレーターを振った。鞭の正体はこれだ。 4
2012-10-11 11:36:19ババババ……鬼瓦武装ヘリはホバリングしながら銃口をレッドハッグに向けた。「イヤーッ!」レッドハッグが跳んだ。「イヤーッ!」ワイバーンも同時に動いた。空中でレッドハッグのカタナと尻尾がぶつかり合う。「イヤーッ!」さらにワイバーンが間髪入れず回し蹴りを繰り出す! 5
2012-10-11 11:46:14「イヤーッ!」レッドハッグは咄嗟に朱塗り鞘を掲げてこの攻撃を防ぐ。二者は互い違いの場所に着地した。BRATATATATAT!そこへ鬼瓦武装ヘリの機銃掃射!「イヤーッ!」レッドハッグは側転を繰り返しこれを避ける!そこへ襲いかかるワイバーン!「イヤーッ!」 6
2012-10-11 11:48:26「イヤーッ!」レッドハッグは鞘とカタナをクロスし、サイドキックをガードした。「イヤーッ!」そこへさらに、伸縮性のある尻尾が鞭めいて襲いかかる!尻尾の先端はサソリめいた針状で危険!「イヤーッ!」レッドハッグはバック転でこれを回避!BRATATATAT!そこへ再度の機銃掃射! 7
2012-10-11 11:56:43「この……」カカカカ!レッドハッグはカタナを打ち振り、致命的な銃弾を弾き返す。幾つかはその身をかすめ、傷つける。「ブッダファック」レッドハッグは毒づいた。「イヤーッ!」ワイバーンが斜めから回し蹴り!回避!さらに尻尾打撃!「イヤーッ!」「ンアーッ!」殴り倒される! 8
2012-10-11 12:10:22尻尾がしなり、そのまま刺突攻撃を繰り出す!「イヤーッ!」レッドハッグは横へ転がって回避!一瞬前にその身があったコンクリートを刺突攻撃が粉砕!なんたる恐るべき威力か!さらに、ゴウランガ!突き刺した尻尾を支点に、バネめいてワイバーンが跳躍!不規則軌道を描き、飛び蹴りで襲いかかる! 9
2012-10-11 12:13:58「イヤーッ!」「ンアーッ!」起き上がりかけたレッドハッグにワイバーンの尻尾を支点とした旋回ドロップキックが直撃!レッドハッグは屋上をゴロゴロと転がる!重いダメージだ!更に機銃掃射、BRATAT……「イヤーッ!」KABOOM!「何?」ワイバーンはヘリが発した衝撃音を振り返った。10
2012-10-11 12:21:42ローターが破砕し黒煙を噴き上げる鬼瓦武装ヘリめがけ、クルクルと回転しながら飛びかかる赤黒い影があった。ワイバーンは咄嗟にバック転からカラテ警戒した。「イヤーッ!」赤黒い影がヘリの直上から、回転力を乗せたカワラ割りパンチを打ち下ろした。「アバーッ!」運転者の悲鳴が漏れ聞こえた。11
2012-10-11 12:25:01赤黒い影は……ニンジャは、キリモミ墜落する鬼瓦武装ヘリから跳躍!「イヤーッ!」屋上へ流麗に着地すると、ワイバーンめがけ威圧的にオジギした。「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」KRA-TOOOM!その背後でヘリが隣接ビルの側面に激突し爆発!逆光が赤黒のシルエットを禍々しく強調! 12
2012-10-11 12:28:28「事情がありそうだな」ニンジャスレイヤーはレッドハッグを見やる。彼女は口の血を拭い、鞘を杖に起き上がる。「……事情が無いっていう事情がね」「そのライターを此奴らに渡してはならぬ」ニンジャスレイヤーはジュー・ジツを構えた。ワイバーンはアイサツを返す。「ドーモ。ワイバーンです」13
2012-10-11 12:36:28「ドーモ。ワイバーン=サン。成る程、アマクダリ・セクト……アクシスのニンジャか」「ご名答だ」ワイバーンは言った。「お前がしゃしゃり出て来るとは」「つまりオヌシの命運は尽きた」ニンジャスレイヤーは無慈悲に言った。「この陰謀もな」「ハハハ!自信たっぷりだな!ロートルめが」 14
2012-10-11 12:48:44ワイバーンはせせら笑い、尻尾を打ち振った。「破壊衝動を持て余す時代遅れのテロリストが、セクトを嗅ぎ周り、情報のおこぼれを拾って歩いておると聞く」「その通り。時代遅れのテロリストが、いずれオヌシらの尻尾を掴む」「思い上がりよ。不可能極まる」「オヌシの想像力の程度に興味は無い」15
2012-10-11 13:06:26「フン」ワイバーンはニンジャスレイヤーとレッドハッグを交互に見た。「やや多勢か。レッドハッグ=サン。チャンスをやろうか?我々の側に来てニンジャスレイヤー=サンを殺すならば、申し開きを聞いてやってもよい」「ア?」レッドハッグは顔をしかめた「アンタをどうブッ飛ばすか考えてるよ」16
2012-10-11 13:35:21「だろうな」ワイバーンは頷いた。ZZZT!その時だ、遠方から飛来した磁力弾丸がニンジャスレイヤーを狙う!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは間一髪でバックフリップ回避!レッドハッグも横跳びに距離を取った。「しばし預ける!」声が遠ざかり、ワイバーンの姿は屋上から消えていた。17
2012-10-11 13:39:02「……」ニンジャスレイヤーは砲撃の方角を振り返った。彼のニンジャ視力は遠くのビルの屋上にニンジャの影を認めた。影はひらりと身を躍らせ、消えた。……「続きやるかい」レッドハッグがニンジャスレイヤーに問う。ニンジャスレイヤーはかぶりを振った。彼女は頷いた。「今のはミョルニール」18
2012-10-11 14:15:31「サイバネティクスのニンジャだな」「そうね。腕をやってる。わりと名の知れた殺し屋の……ウェーゲホゲホ!」彼女はライターでタバコに火をつけようとした。カチカチと鳴らしたが着火できず、舌打ちした。「で、アンタは何を知ってる?アマクダリって?……このライターは?」 19
2012-10-11 14:20:21「オヌシのライターはこれだ」ニンジャスレイヤーは懐からクロームのライターを取り出し、示した。「ああ、それだ!」レッドハッグはよこすように手で仕草した。ニンジャスレイヤーは言った。「そちらの手にあるものを渡せば、返そう。それで元通りだ」「そうもいかないね」彼女は腕を組んだ。 20
2012-10-11 14:45:11