『仙境異聞』と精神医学の近代化
http://t.co/aEcfqZyG 平田篤胤『仙界異聞』をベースにして、「精神医学」の近代化のもう一つのラインを描くことができるのではないかというアイデアです。
2012-10-14 06:52:35@akihito_suzuki 幕末期には寅吉以外にも仙境に遊んだ人間がいて、『幽冥界研究資料』(近デジ)にまとめられています。僕などはどうしても、エレーヌ・スミスと寅吉を円盤コンタクティの始祖に考えてしまし、精神医学という視点はなかったですね。
2012-10-14 07:58:03@akihito_suzuki 平田派国学者たちは、寅吉以外にも異界研究を行っていましたが、これはちょうどヨーロッパでJ・ケルナーなどがプレフォーストの女預言者をつかって実験形而上学を行ったのと、そう時期的にも離れてないのが、面白いです。
2012-10-14 08:21:23@akihito_suzuki 寅吉はリアルに異界へ行ったことになっているのに対して、ヨーロッパの異界探索者たちは磁気的催眠や霊媒的トランスで異界を訪問しているので、前者は民俗学的方向に進化し、後者は心理、精神医学的文脈で評価されやすかったのはあると思います。
2012-10-14 08:26:56@akihito_suzuki さらに日本では、明治以降、宮地神仙道や天行居のように神仙界訪問記を「経典」とする宗教運動も興ったので、精神医学的視点からはさらに遠ざけられたのかもしれません(wikipediaの「異境備忘録」が詳しすぎる説明になっています)。
2012-10-14 08:32:41@akihito_suzuki 異界探訪(もしくはアブダクション)記録は、霊能者の権威づけではパターン化した語りとなっている場合もあり、明治期から昭和にかけて活躍した霊術家、浜口熊嶽などの修行記は、異人に山中に連れ去られて修行して能力を得るとなっています。
2012-10-14 08:39:30@akihito_suzuki 余談ですが、霊術家でおもしろいのは、明治末頃になると、能力獲得の経緯が「高名な師匠について修行した」「異人について修行した」ではなく、「自分勝手にやったら能力が出た」となり、権威づけの語りが変わってしまうことです。
2012-10-14 08:43:22と、連続ツイートしてしまったが、仙界物を精神医学からみるというのは、身もふたもないところはあるが、面白い視点ではある。実際、仙界に誘われていってしまう連中というのは、現在の文脈からすれば、自閉的であまり適応できてないタイプかもしれない。
2012-10-14 08:47:19柳田国男が神隠しにあいやすき気質について書いているが、これはたぶん他人事ではなかったからだろうなあ。
2012-10-14 08:58:05@ma_tango その通り、だったようですね(´・ω・`) 白昼夢みたいなのも平気で見てたようで。家自体、国学系ですし。
2012-10-14 10:38:14幸安神界物語だったか、読後になんともいえない切なさがあって、稲生物化録の明るい切なさ(稲生平太郎はひと夏のイニシエーションを終えて大人になれた幸運な存在だから)とはちがうものを感じた。あの哀しさはなんだったのだろう。
2012-10-14 09:02:08寅吉は統合失調症の経過ではありませんね http://t.co/XT2fkbDz QT @akihito_suzuki: http://t.co/MaKfbZQ4 平田篤胤『仙界異聞』をベースにして、「精神医学」の近代化のもう一つのラインを描くことができるのではないか
2012-10-14 08:53:12@hotsuma @akihito_suzuki 戦前、昭和初年の民俗学の「採集手帖」には「異常人格」という項目がきっちり入ってたはずです(´・ω・`)
2012-10-14 10:59:10@kingbiscuitSIU @hotsuma @akihito_suzuki 「異常人物」だったかも。為念。
2012-10-14 11:00:22寅吉は7歳からの奇妙な体験を15 歳時に語り 成人後に症状が消失しているので @kingbiscuitSIUさんの仰るように古典的には異常人格 現代的には解離性障害や虚偽性障害がまず疑われると思います 生育史に心的外傷があるかもしれませんね @akihito_suzuki
2012-10-14 12:18:12@kingbiscuitSIU @hotsuma 戦前、昭和初年の民俗学の「採集手帖」には「異常人格」という項目がきっちり入ってたはずです(´・ω・`) >ありがとうございます! このツィート、いま書いている論考で参照させていただきます!
2012-10-14 12:09:46@kingbiscuitSIU これまた身もふたもないんですが、別段、珍しいことでもないのですよ、ということではないですかね。
2012-10-14 11:04:27@ma_tango ごくおおざっぱに言えばそうかも、ですが、ただ歴史的文化的時代的背景などを補助線に考えるなら、その「珍しいこと」「ありふれたこと」の内実もだいぶ様子が変わってくるような気がします。
2012-10-14 11:06:42@kingbiscuitSIU ええ、それは僕が人間存在をそういうものだと(白日夢を見たり、異人にさらわれたり、異界にいったり)考えているから、おおざっぱに言ってしまうのでしょう。
2012-10-14 11:09:25@kingbiscuitSIU さらにおおざっぱにいうと、そこが僕がトラウマ説に賛成しきれない部分だろうと思います。逆に、歴史的に解消させて、そこで守ろうとしているのは何だろうかと考えてしまう。
2012-10-14 12:38:35