- YOTSUnoFUNE
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@KurobaneP 「あー……今日は凧揚げ過ぎたわね根岸ちゃん……」「……いまどき『凧揚げ過ぎた』なんて言葉を使う女がいるのかよ」「いるわよ。ここに。仮にもあなたの彼女ですのよ?」「はいはい。とりあえず、ソファ座ってろ」「んー」 ソファに座ると、空閑は横になった。「寝るなよ?」
2012-09-17 23:15:46@YOTSUnoFUNE 「大丈夫よ、牛にはなりたくないもの」「……その表現を使う女もそいないと思うが?」「いるわよ、ここに。」「…へいへい。」
2012-09-17 23:20:48@KurobaneP 「なんか飲むか?」「じゃあ、こぶ茶をお願いするわ」「……俺の部屋にこぶ茶が常備されていると思うのか?」「冗談よ。なら、チャイでいいわよ」「もっとねえわっ! ったく、普通の番茶で我慢しろよな」「いいわよ。さっきのも冗談だし」「お前、要酔うと冗談連発するな……」
2012-09-17 23:23:14@YOTSUnoFUNE なんだかんだ言いつつも、番茶を入れるのにはもう慣れてしまっている。文字通り?の夫婦茶碗に番茶を注ぐと彼女の待つソファに戻ってきた。「おーい、入ったぞ。」「…ん、ありがと。」
2012-09-17 23:24:53@KurobaneP 「根岸ちゃんの淹れてくれる番茶はおいしいのよね。国宝級よ。この味はもはや」「お褒めに預り光栄でございます」「できれば口うつしで飲ませてくれると嬉しいんだけど? いかがかしら」「……マジ」「冗談よ……半分」
2012-09-17 23:26:56@YOTSUnoFUNE 「……そう言う冗談は大概にしておけよ?」「ふふっ、そうね…?」あくまでも彼女は余裕の無表情を崩さない。しどけなくもどこか凛とした、それでいながら恍惚の様相さえ浮かべたその表情は小柄な体躯に似合わない妖艶さすらまとっていた。
2012-09-17 23:28:49@KurobaneP 「……根岸ちゃんって、あんまり冗談言わないわよね?」「柄じゃないからな。酒に酔ったら声が高くなっちまうだけだし」「あら?私のそばにいる時は落ち着いて話してくれてるようだけど?」「そりゃ、空閑の隣は落ち着くからな。俺だけの場所だ」「冗談?」「さあな」「むう…」
2012-09-17 23:32:44@YOTSUnoFUNE 「…ねえ、根岸ちゃん。」「なんだ?」彼女の右手がそっと、根岸の手を掴んだ。そしてそのままくいっと、軽く引っ張られる。「…何がしたいんだ?」「……落ち着かせない。」「は?」「落ち着かせないで、ドキドキさせたいの」
2012-09-17 23:35:04@KurobaneP 「どう、ドキドキしてくれてるかしら?」「うーん…ドキドキはしていないな」「…」「そんな怖い目で見つめないでくれよ。ドキドキとは違う感情があるんだよ」「それって、なに?」「メロメロかな。こんなかわいい子が俺の右手を握ってくれるのが信じられなくてよ」「……バカ」
2012-09-17 23:37:46@YOTSUnoFUNE 「バカとはなんだバカとは」「…こっちがドキドキさせようとしてるのに、こっちをドキドキさせてどうするのよ。」「……そのままもっとドキドキすればいいんじゃねえの?」
2012-09-17 23:40:15@KurobaneP 「……いじわる」「空閑の影響を受けてきてるんだよ、俺は」「……」「おい、ポカポカやるなよ。肩が痛いぜ」「……悔しいんだもの。こんなに胸が苦しくなるのに、あなたはちっとも苦しがってくれないのが」「うーん…男ってヤツは彼女ができると胸が苦しくなり辛くなるからな」
2012-09-17 23:43:54@YOTSUnoFUNE 「そうなの?」「少なくとも、お前が思っている以上に俺はお前の事を想ってるんだぞ?」「……ふーん」「その目は、信じてないな?」「…だって、何もしてくれないんだもん…」
2012-09-17 23:46:37@KurobaneP 「…じゃあ、簡単にできることをしてやろうか?」「……なに? 乱暴はいやよ」「空閑、俺の目を見ろ」「えっ」「ほら……」「……」「……空閑、なにが見える?」「……ね、根岸ちゃんの瞳の中に私がいるわ…」「……瞳と同じく、俺の心の中も、空閑木陰でいっぱいなんだぜ?」
2012-09-17 23:50:35@YOTSUnoFUNE 「……んう」「なんで目を閉じる?」「だって……だってその……恥ずかしくて…」「生憎、俺も結構恥ずかしいんだぜ?それにそんな顔してたら…」「してたら?」「キスしちまうぞ?」「……うん、して。」
2012-09-17 23:53:23@KurobaneP 「…大胆な姫様なことで」「…酔いの中に沈んでる私を目覚めさせてほしいのよ」「…こんな王子様でいいのか?」「…私にとっては光源氏よりも大切な人よ?」「…」 「…目覚めましたか?」「…さあ、どうでしょう?」「生意気なことを言うならずっと塞ぐぞ?」「うん」
2012-09-17 23:56:25@YOTSUnoFUNE 「…うん、と言われてもな。」「ヘタレな所は高校から変わらないのね。」「…ソファじゃ気分でないってだけだぞ?」「……そう、根岸ちゃんも育ってきたのね、感激。」「同い年だろうが俺ら」
2012-09-17 23:58:18@KurobaneP 「でも、あんまりするとR18になってしまうわよ?」「…四と黒にそこまで書けると思うのか?」「書いちゃう人たちよ。油断をしちゃうと」「大丈夫、四はヘタレだ。そこまでいけねえ」「ふーん……と見せかけて」「んっ?」 「……ふふ、スキをついたわ」「…生意気に」
2012-09-18 00:01:42@YOTSUnoFUNE 「ったく…」「ふふっ……その表情、変わらないのね。」「…お前も、身長体重あんまり変わらないから」「え、ちょ」「こうして持ちやすい。」
2012-09-18 00:03:27@KurobaneP 「……変わったことはないの?」「あるよ」「……なにかしら?」「空閑の事、片思いの頃よりもっと好きになったことかな」「……」「空閑は、どうだよ?」「……私も、同じかしら?けど……」「けど?」「きっとあなたより、私はあなたが好き」
2012-09-18 00:07:13@YOTSUnoFUNE 「それはどうだかな。」「何よ。」「……いや、きりがない話になりそうだ。」「どういうこと?」「それぐらい、お前が好きだってことだよ。」
2012-09-18 00:08:47@KurobaneP 「むう……」「ただ……俺はひとつだけ、空閑と同じことを感じてると思うよ」「……奇遇ね。私も同じことを考えていたわ」「……せーのっ、で言ってみるか?」「いいわよ……」「……せーのっ」「「しあわせ」」
2012-09-18 00:11:37