『中近東音楽のパースペクティブ』サラーム海上×須川善行

2012年5月8日に行なわれた特別講義まとめです。 主催: 美学校音楽学科 http://www.bigakko.jp/sp/mc/mc.html
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美学校 / 音楽 @ongakubigaku

【公開講座】今週です!「中近東音楽のパースペクティブ」講師:サラーム海上×須川善行 5月10日(木)19:00-21:30 一般聴講のご予約引き続き受け付けてます。アラブ〜インド音楽に興味のある方は是非!詳細&予約>> http://t.co/1j4y08NM

2012-05-08 14:56:09
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今週の公開講座「中近東音楽のパースペクティブ」 http://t.co/1j4y08NM ゲスト講師であるサラーム海上さんの近著はこちら http://t.co/yz1NmzVV 興味のある方は是非チェックしてみてください

2012-05-08 15:38:25
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サラーム海上さんによる特別講義「中近東音楽のパースペクティブ」始まりました。まずはサラームさんの紹介を兼ねたイントロダクション。幼少の頃から中東の音楽に魅かれ、「これが自分の好きな音楽だ」という確信があったそうです。

2012-05-10 19:08:54
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『中東音楽』というキーワードで検索しても中々情報が出ない。サラームさん以前にはあまりそういうキーワードで括って紹介がされていなかった。

2012-05-10 19:11:36
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『中東』という言葉はイギリスがアジアを制服する際に、インドより東/西という区分からつけられた呼称である。あくまでヨーロッパからの視点。

2012-05-10 19:14:07
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中東は人種のるつぼである。単純に『中東=アラブ』と区分する事は出来ない。また、宗教で分けることも難しい。イスラエルやレバノン等のキリスト教国もあり、混在している。よっとそうした雑多な世界を、そのまま『中東』とざっくり呼称するしかない。

2012-05-10 19:16:45
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中東では男性中心、女性が差別されているような印象があるかもしれない。が、実はそうではなく、男女の生活を明確に区分しているに過ぎず、女性は女性の生活で上手く回っていたりする。我々の物差しで一概にはかる事がとにかく難しい世界である。

2012-05-10 19:19:39
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社会と宗教が密接に結びついている。一神教の世界において、宗教と無縁ではありえない。一神教の反対側としての無神教=atheist

2012-05-10 19:21:48
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まずはトルコ音楽から紹介。トルコは政教分離の政策。イスラム的な土着の文化を一度抑圧し、『トルコにはトルコ人しかいない』という国策をとる。よって、むしろエジプトのようなイスラム的な音楽を導入することがカウンターカルチャーになっていたりする。

2012-05-10 19:26:14
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♪Erkin Koray 1974年のトルコのロック。GSぽいサウンド。サラームさん曰く「トルコの内田裕也」笑

2012-05-10 19:29:23
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♪Mercan Dede トルコ神秘主義のスーフィーの笛などをエレクトロニックなビートに載せ、トランシーなサウンドを展開。くるくると回転するダンサーの動きが麻薬的な気持ち良さ。

2012-05-10 19:37:06
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トルコにとって象徴的なスーフィーだが、元々国家からは禁止されており、実はアンダーグラウンドな文化。90年代後半以降、欧米のメジャーからスーフィーのサウンドが注目、認知されるようになってから、違法であるにも関わらず、文化政策として国が積極的にプレゼンテーションしていくようになった

2012-05-10 19:43:17
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♪BaBa zula トルコのサイケデリック・ジャムロックバンド。即興とベリーダンスのミクスチャー。オスマントルコよりさらに以前の、地中海の女性文化と中央アジアのアニミズムからのインスピレーション。

2012-05-10 19:53:31
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次はモロッコ音楽を紹介。中東世界の最西端。アラブ人が支配階級だが、地中海系のベルベル人が先住民。アラブ/イスラム、サハラ、地中海、西アフリカetc 様々な文化の混じり合う土地である。奴隷としてモロッコに来たアフリカ的な人々/音楽の総称であるグナワについて。

2012-05-10 19:59:52
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グナワの映像を上映。ゲンブリという三弦ベースがビートを刻み、ポリリズミックなハンドクラップとコーラスのコール&レスポンスが織りなすダンスミュージック。

2012-05-10 20:05:35
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♪グナワの他の映像を色々と観ていく。フィンガーシンバルを使用したものでは、金物系の高域サウンドの高速連打がトランスを誘う。フェスティバル朝四時頃の映像では、完全にトランス状態になった女性ダンサーが高速ビートに併せて踊りまくっている。

2012-05-10 20:12:23
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フィンガーシンバルの刻みについて。4拍子と5拍子の中間あたりで訛ったまま、縦軸のアンサンブルがキープされている。『中東』でありながら、このあたりは完全にアフリカ。

2012-05-10 20:20:09
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次はエジプトについて。エジプトとレバノンはポップミュージックの中心地である。メジャーなポップスにもメロディやパーカッションにアラブ系の伝統的なサウンドが完全に入り込んでいる。日本で言うなら、演歌や民謡の節回しをそのまま中田ヤスタカ氏のエレクトロに載せるような感じか?

2012-05-10 20:30:41
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♪タンヌーラの映像を観る。スーフィーのエジプト版。トルコと異なり、ダンサーはカラフルな衣装を身にまとう。電飾をつけることもあるという。こうした色彩感覚にもアフリカ的な要素を感じられる。

2012-05-10 20:37:17
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ちょうどエジプト革命の時に現地にいたサラーム氏。自身の撮影による、革命の映像を観る。催涙弾の巻き添えを食らって苦しみながらの現地レポートが生々しい。

2012-05-10 20:39:52
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特別講義「中近東音楽のパースペクティブ」休憩を挟んで授業再開。ここからは、編集者・須川善行氏による、サラーム氏へのインタビュー。ジャーナリストとして世界を飛び回るサラーム氏の取材に対する姿勢や、お仕事について伺っていきます。

2012-05-10 21:02:02
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『民族楽器を全く使っていないポップミュージック』が主流である国の方が、世界的にみればむしろ少数であるということ。日本には音楽においては伝統とのミクスチャーが必ずしも成功しているとは言えないが、料理、食においては高度なドメスティック化が観られるのが面白い。

2012-05-10 21:19:58
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例えば、もし某モダニズム三味線奏者兄弟のような方法論の音楽家が100人いたとすれば、その中から一人くらいはカッコいい音楽が出てくるかもしれない。要は土壌となる分母の絶対数の問題ではないだろうか。

2012-05-10 21:22:56
美学校 / 音楽 @ongakubigaku

イスラム教社会はいわば、社会全体が『校則が厳しい中学校』のような感じ。トルコなど政教分離国家でないと、カウンターカルチャー的なものは中々難しい。

2012-05-10 21:30:36
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サラーム氏から見たインドのヒップホップの現状について。担い手は中産階級が中心である。そして、インド音楽は基本的に型を遵守するという特徴がある。よって、『形から入りたい』という欲求が強いようであり、ファッションやスタイルを模倣したいという印象。

2012-05-10 21:33:42