女の子に汗をかかせたらそのあとどうなる?
ずん子はいま、人生最大の危機に直面しています……というのは大げさかもしれませんが、自分の優柔不断が招いた業を噛みしめているところです。
2012-10-17 17:01:17――わたしのを食べてくれますよね、ずんねえさま。幼いころはあんなに優しく「あーん」をしてくれたではありませんか。 http://t.co/HLI5BEpP
2012-10-17 17:01:45差し出されているのは、三膳の箸――によって突きつけられた、里芋。寒風が吹き始めた東北地方の河原で、ずん子たち五人は、芋を中心にした鍋を囲んでいました。
2012-10-17 17:01:59あ、あの~。みんな、自分の食事に集中した方がいいんじゃないかな……?(;゚∀゚) 私はほら、自分の分は自分で食べられるし?
2012-10-17 17:02:21(なんというオヤジっぽいセリフ……。別に食べる分には問題ないんだけど……(´;ω;`) もう少し引き延ばさないと、間違いなく舌を火傷する気がする……)
2012-10-17 17:03:10差し出されている三つの里芋から、ほくほくと蒸気が立ち上っています。そうです。おでんの大根や巾着袋を食べたことがある方はご存知かと思いますが――鍋の芋は、注意して食べないとものすごく熱いのです。
2012-10-17 17:03:21(口の中やけどしちゃったら、せっかくの鍋が台無しになっちゃうし……(゚´ω`゚) せめて丸々一つじゃなくて、半分に割って差し出してくれれば挑戦できるんだけど)
2012-10-17 17:03:36はっきり言えないずん子にも原因があります。「冷ましてね」という一言が言えれば、それで済む問題なのですが――あまり直接的に言うのもどうかと思い「三人が気付いてくれるまでは」とのらりくらりと躱しているうちに、三人とも意地になってしまったのです。
2012-10-17 17:04:50すっ、と、きりたんが箸を引きます。「蒸気」という言葉を言えたおかげで、やっと気付いてくれたのでしょう。彼女は自分の器で里芋を半分に割ると、真ん中付近に向かって念入りに「ふー、ふー」と息を吹きかけました。
2012-10-17 17:05:11(そう! それだよきりたん!ヾ(*'∀`*)ノ さすが、伊達に背中にきりたんぽ背負ってないね! 鍋のことよく分かってる!)
2012-10-17 17:05:23めたんちゃん、そらちゃんも!(o'∀'人) 里芋ってそのままだと熱すぎるから、冷ましてくれれば……。 http://t.co/ZpYBkpQL
2012-10-17 17:05:48言うなら今だ! と畳みかけようとしたずん子の言葉は、ただ一人、黙って様子を窺っていたイタコ姉さまによって遮られました。プライベートな場では久しぶりに聞く、語尾に「にゃ」をつけた姉さまの姿です。
2012-10-17 17:06:39