ノット・ザ・ワースト・デイ、バット・アット・リースト・カースド・エニウェイ #4
(あらすじ:町プログラマーのサヌマは、図らずも、重大な環境破壊と健康被害を誘発する大規模工場施設の建設計画、それにまつわる行政と企業の暗黒癒着証拠を託されてしまった。すぐさまニンジャが彼の命を狙う!危険だ!万事休す!だがそこへ現れ、彼の窮地を救った者あり。ニンジャスレイヤーだ。)
2012-10-17 11:49:14(ニンジャスレイヤーは社会の闇に日々蠢く邪悪なニンジャの暗躍を察知しては現れ、無慈悲に殺す、恐るべき暗黒非合法探偵である。さらにそこへ合流した今一人のニンジャ。元ヤクザバウンサーにして、闇組織との熾烈なイクサにケリをつけたばかりの女ニンジャ、レッドハッグだ。)
2012-10-17 11:52:56(レッドハッグはわけもわからぬままにこの陰謀抗争に巻き込まれ、命を狙われ続けていた。それもこれも、陰謀告発の鍵となる情報端末を、彼女が誤って持ち出してしまったからだ。彼女はウンザリしているし、睡眠も取れておらず、物凄く怒っている!)
2012-10-17 11:56:44(かくしてサヌマのもとには腕の立つ二人のニンジャ戦士が現れ、その命運に一筋の光明が差したかに見える。だがしかし、正体不明の陰謀組織アマクダリ・セクトが動員するニンジャ、アサルトヤクザ、武装の規模は大きく、セクトの中枢組織からも、ワイバーンなる凄腕のニンジャが派遣されてきた!)
2012-10-17 12:02:54(このまま逃げ切り、工場建設陰謀を告発する事はできるのか?見よ、今まさにビル屋上の彼らを追っ手が取り囲む!ニンジャスレイヤーとアイサツしたミョルニールは、磁力弾丸砲を腕に仕込んだ危険な敵!まだまだ休ませちゃくれないみたいだぜ!)
2012-10-17 12:16:20「イヤーッ!」「アイエエエ!」レッドハッグはサヌマを摑んだまま、屋上から飛び降りた。ミョルニールとニンジャスレイヤーは互いにカラテ警戒し睨み合う。ミョルニールの左腕は唸るようなモーター音を発し、LEDを不穏に明滅させている。「俺は遠近両用だ」ミョルニールが呟き、拳を開閉した。 1
2012-10-17 12:29:01「来い」ニンジャスレイヤーは手招きした。「オヌシらの目当ての情報端末がどんどん遠ざかるぞ」「どのみち貴様らに逃げ道など無し」ミョルニールは言った。「セクトのオーバーウェルミングな武力により各個撃破される定めよ。まずは貴様だニンジャスレイヤー=サン!」踏み込む!「イヤーッ!」 2
2012-10-17 12:39:01左拳のフックがニンジャスレイヤーに襲いかかる!ブレーサー(手首装甲)で受けるか?否。彼のニンジャ第六感が警鐘を鳴らす。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは側転回避!ZAPZAPZAP!ミョルニールの拳が青白い雷光を周囲に放つ!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは更に回転跳躍し回避!3
2012-10-17 12:42:42実際この拳を通常ガードしようものなら、電撃攻撃によって隙をさらし、次なる致命的打撃の呼び水となったのは必定!側転回避は的確な判断であった。「さすがだニンジャスレイヤー=サン!だが……」拳からランダムな軌道で放たれる電光の鞭が反撃を封じる!「近づいてよいのは俺が許可した時のみ!」4
2012-10-17 13:05:45「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは牽制のスリケンを二枚投げ放った。稲妻がそれらを迎撃し破壊!その下から、身を沈めたミョルニールが驚くべき速度でタックルを繰り出す!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは肩を摑まれるが、危ういところでタックルをカット! 5
2012-10-17 13:07:37「イヤーッ!」振り向きながらの蹴りがニンジャスレイヤーの背中を襲う!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは前転回避!「イヤーッ!」そこへ俊敏に飛びかかるミョルニール!ハンマーめいて拳を打ち下ろす!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは振り向きざまに斜め45度ポムポムパンチで迎撃! 6
2012-10-17 13:25:10「イヤーッ!」二者の拳がかち合う!ZAPZAPZAP!「グワーッ!」拳から再び電光が放たれ、ニンジャスレイヤーの装束が煙を吹いた。「イヤーッ!」ミョルニールが空中で身を捻り、さらに踵落しを繰り出す!「グワーッ!」ニンジャスレイヤーの肩を直撃! 7
2012-10-17 13:27:24「イヤーッ!」反撃を空中バックフリップで回避するとミョルニールは余裕めいて着地、カラテを構え直す。「ヌゥーッ!」ニンジャスレイヤーは肩を押さえた。ミョルニールは笑う「電撃を警戒しようが、すまいが、関係無し。わかっていても避けられんのが、一流の攻め手よ」「同感だ」「減らず口を!」8
2012-10-17 13:31:06……一方、落下したレッドハッグは、真下の路上でエンジンをふかしたまま停止していたヤクザオートバイのシートに直接に着地した。「スッゾオラー!?」建物を包囲していたアサルトヤクザのものだ!BANG!BANGBANG!ヤクザ達は手に手にチャカ・ガンを構え発砲を開始! 9
2012-10-17 13:36:58ギャルギャルギャル!レッドハッグはオートバイの後輪を思い切りスピンさせる!アスファルトをタイヤが擦り、火を吹く!「アイエエエ!」タンデム状態のサヌマが絶叫し、レッドハッグの腰にしがみつく!「ザッケンナコラー!」BANGBANG!「イヤーッ!」フルスロットル逃走! 10
2012-10-17 13:40:50「チェラッコラー!」次々にヤクザライダー達が追跡にかかる!ヤクザライダー達は「悪さ」とペイントされた恐ろしいフルフェイスヘルメットに黒スーツという出で立ち。走りながら道路にカタナをぶつけて威嚇的に火花を散らす。レッドハッグは振り返り、舌打ちした。「で?どこに行くのさ」11
2012-10-17 14:01:07「アイエエエエ!貴方、味方なんだね?」「アンタが判断しな!」「わ……わかった!情報端末は失くしていないね?」「いないよ!畜生!」ギャギャギャギャ!無茶な切り返しで立体交差路の下の道路へ飛び降りる!「アイエエエエ!……つまりだね、情報端末の内容を読み出さないといけないんだ」 12
2012-10-17 14:08:50「どこで!」「そう、問題はそれです!このフォーマットはかつて規格競争に破れた大昔のハードウェアを敢えて使っている……そこらのUNIXじゃダメなんだ」「だから、どこで!」「スッゾオラー!」次々にヤクザライダーが後を追って飛び出してくる。一台が着地に失敗し爆発炎上!「アバーッ!」13
2012-10-17 14:15:22「トコシマ地区にデータ博物館というランドマークがあります。マニア的なカネモチが己のコレクションを開陳する為に建てたんですが……」「イヤーッ!」レッドハッグは後ろ手にスリケン投擲!「グワーッ!」先頭のヤクザライダーが脳天を破壊され即死スピン!「そこなら端末の内容を吸い出せる筈」14
2012-10-17 14:26:52「違法にやるッて事かい。勝手に使って?」「多分そうなります」「まあいいさ」「ザッケンナコラー!」追いついたヤクザライダーがカタナを振り上げる!レッドハッグは速度を落として一気に斜め後ろを取り、攻撃を回避!さらに再加速しながら斬りつける!「イヤーッ!」「グワーッ!」首切断殺! 15
2012-10-17 14:37:00「トコシマ区ね……トコシマ……やれやれ。そう遠くない」爆発を背後に、レッドハッグはさらに加速。「アンタ、襲ってきている連中が何なのか、わかる?」「アマクダリ・セクトだそうです。ご存知で?」「つまり、ありゃ何なんだい」「ニンジャスレイヤー=サンは組織について調べておられると」 16
2012-10-17 14:46:41「ブラザーフッド……ソウカイヤ……アマクダリ・セクト……ンーッ!」レッドハッグは首を振った。「……後回しだ!」考えるのは苦手なのだ。「前を!空を!」サヌマが叫び、指差した。「あれはなんです!」「ハン?アタシに訊くなよ……」レッドハッグは目を細めた。鳥?コウモリ?黒い。大きい。17
2012-10-17 14:58:58グライダーめいて黒い翼を拡げ、滑空するそれは、明らかにレッドハッグのオートバイと速度をシンクロさせ、高度を徐々に下げ……「何だ」「スッゾオラー!」ヤクザライダーが追いすがる!レッドハッグは舌打ちし、ドリフトUターンすると、後続二台と交差しざまにカタナを振り抜く!「イヤーッ!」18
2012-10-17 15:02:10「「グワーッ!」」ヤクザライダー二台同時首切断殺!これで差し当たっての追っ手は全滅……否!レッドハッグは首筋に寒気を覚え、反射的に空を見上げた。ゴウ!風音を唸らせ、空からの来襲者は巨大鳥の威嚇行為めいて黒い翼を拡げ、ホバリングした。奇怪!「な……」 19
2012-10-17 15:05:48