生活保護というシステムの問題点など
さてさて、以前@honeyB_Bさんに頼まれた生活保護のまとめ。生活保護法1条「最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」の通り、生活保護の目的は1.生活保障、2.自立促進の2点にある。これと、あくまで僕個人の知っている範囲だというのを前提にします。
2010-08-01 20:46:28問題点その1。基本的に生活保護は誰でも要件を満たせば「無差別平等」(2条)に受けることができる。実際には窓口で「働けるのではないか」「親族がいるなら頼って」と、そもそも申請をさせないケースがかなりあるとされる。特に一般の人が1人で行っても門前払いにあって、受給は難しい。
2010-08-01 20:46:41結果として、要件を満たしているのに支給されない人が数多くいる。不正受給ばかりが注目されるけど、そもそも本当に必要な人が受けられていない。こっちの方がよほど問題だと、個人的には思う。最後の砦のはずの生活保護が救えていない現状がある。頼みの綱として申請に行くのにさ。
2010-08-01 20:48:20問題点その2。というか、ここがメインなんだけど、受給後の支援ができていない。自立促進のために、仕事探しや崩れた生活習慣の改善のためにケースワーカーが定期的に訪問するはずなのに、人手が足りない。1人で100人とか200人担当があって、さらに窓口業務もある。
2010-08-01 20:48:41それで支給後の支援と言っても無理がある。これは行政側で予算が付かなかったり、忙しすぎてなり手がいなかったりという原因がある。現場はすごく大変で、決して「窓口審査が悪い」とか「なんで不正受給に気付かなかったのか」といっても、そんな余裕はないでしょう。まずはそれを知ってほしい。
2010-08-01 20:49:05さっき、1人で行っても支給されないと書いたけど、行政側も支給後の支援が難しいから、それを担ってくれる団体なんかが一緒にくると、支給しやすくなる。そこを不正受給を狙う偽支援団体(囲い屋とかね)に突かれるという構図がある。路上生活者に声かけて、一緒に窓口に行くわけです。
2010-08-01 20:49:17で、不正受給や囲い屋みたいなのは、基本的に家庭訪問で見抜けるはず。そんな狭い部屋で家賃を上限でとって、弁当も支給でピンハネされている。中国の人だって、一緒に住んでいないとか介護していないことは支給後のチェックがしっかりしていればすぐにわかる。
2010-08-01 21:12:51でも、それをチェックに行く余裕が行政にはない。これは、社会的資源をどこに振り向けるかということだから、社会全体で考えないといけない問題だと思う。「行政なにやってんだ」と問題を矮小化せずに「困ってる人にどういう手を差し伸べる社会にするか(あるいは差し伸べないか)」という問題。
2010-08-01 21:13:46で、さらに進むと、囲い屋に感謝している受給者の人もいる。なぜかというと、路上生活から畳の上にあげてくれたから。自活する気持ちもないから、弁当支給でも生きていられるだけ不満はない、とかね。囲い屋撲滅したら、いろいろな問題で生活できなくなる受給者はいる、というのが現実。
2010-08-01 21:14:48受給者の人の中には、精神的な問題や肉体的な病気を抱えている人も多い。もしくは高齢で体が悪くて働けないとか。そういう人はそのまま保護費を渡してもお酒やギャンブルに使ってしまったり、自炊も不可能な人が多い。結果、路上に逆戻りなんてことも十分にあり得る。
2010-08-01 21:16:23囲い屋はピンハネしているから問題というけれど、違法じゃないけど生活保護でおいしい思いしている人もいる。たとえば、大阪の西成(釜ケ崎)には病院や介護施設がどんどん増えている。受給者が高齢化している上に、行政が医療費の面倒見るからとりっぱぐれしない。これはいいの?
2010-08-01 21:18:33そういう病院や介護施設では、余計な検査やサービスをするという声もある。簡易宿泊所(いわゆるドヤ)も家賃を生活保護の上限したマンションやアパートにくら替えする。とてもそんな家賃はとれないって部屋でも、自治体が払ってくれるから平気。不正ではなくても、問題はあると思いませんか?
2010-08-01 21:19:54支援団体の人たちも本当にいっぱいいっぱいでやっている。日本はああいう団体の人たちに清貧みたいなのを求めるけど、もっと社会的に必要な人たちとして評価して、仕事として生活できる給料をもらえるようにするべきだ。介護もそうだけど、一部の人に負荷がかかりすぎて担い手がいなくなる。
2010-08-01 21:28:17だから、もっと社会的に資源をいれないといけないというのが、個人的な意見。不正受給は問題なんだけど、その背景には行政の怠慢というわけじゃなくて、構造的ないろいろな問題をはらんでいるんだ、ということをわかってほしい。
2010-08-01 21:29:59最後にサポーティブハウスという取り組みを紹介したい。簡単に言うと、食事や介護のサービスを、一律ではなくそれぞれの人に合わせて、適正な価格でやりましょう、というもの。まさに「畳の上の支援」詳しくはここを読んでください→ http://bit.ly/aXaEGi
2010-08-01 21:31:01たいして見識が深くないのに、えらそうに長くなってしまいました。興味がなければスルーしていただいてけっこうですが、@honeyB_Bさんのトゥギャも含めて読んで、考えていただく一助になれば幸いです。
2010-08-01 21:33:11なぜ100人に1人?という疑問ですが、生活保護の裁判→敗訴の厚労省が支給拡大を通達→でも現場の人員は変わらずという流れがあったと聞いています。同じ行政でも、国と自治体の齟齬ですね。って、背景書き忘れてましたね。 @honeyB_B
2010-08-01 22:13:00では、次に、医療現場から生活保護に関してのツイートをされたcinammondiaryさんにご登場願いまして、別の視点から生活保護をながめてみませう。
2010-08-04 20:34:26結局どこまでをみんなで面倒をみるかという合意が、なんとなくなされてしまっているのが問題なんだろうなぁ・・・。 今の日本では、戸籍とかを売ってしまったりした人でなければどうにかこうにか、生活保護とかにつながれる場合が多い気がする。(本人が拒否とかしなければ)
2010-08-03 22:12:54アルコール中毒で肝臓悪くしてるのに、何度も急性アルコール中毒で運ばれたり、暴飲暴食の挙句で糖尿病になり、腎臓わるくして透析になっても、生活保護なら医療費ただ。よくなってもなんにもいいことないから、食べ続け、飲み続け、悪くし続け、薬が増えてもそれも補助される。
2010-08-03 22:14:12そして、普通に大卒の就職すら厳しくなってる現在、どう考えても「働けるんなら生活保護受けるな!」といわれている層の人々が安定して就職できるとはとても思えないし、その層の人たちを定職につかせるのには偉い労力がかかると思われる。
2010-08-03 22:15:18「もう自分ではなにも出来ません。自己管理も、稼ぐこともできないから」とギブアップして、全てを他人の扶助にゆだねてしまったほうが楽だし。それでもって、なにか失うものがあるわけでもないしね。
2010-08-03 22:16:18不正受給を減らそうとすれば、生活保護のワーカーの量も、質も上げないといけない。この人件費が、もしかしたら不正受給の額をうわまわってしまうかも知れない。
2010-08-03 22:17:24自己破滅的な生活を送ってて、病気になって、そういう人には生活保護の医療費出しません。と、なったら、どうなるか。 医者はお金払わないから診ない、という選択肢がとてもとても採りにくいので、行き倒れを救急車が拾ってくるととっても困ることになるだろうなぁ・
2010-08-03 22:18:50