カルタヘナ議定書26条問題について(平川先生)

カルタヘナ議定書(生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書:Cartagena Protocol on Biosafety)http://bit.ly/REGtza 議定書和文 - http://www.bch.biodic.go.jp/gitei2.html
環境 遺伝子組み換え 遺伝子組換え 平川秀幸
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Hideyuki Hirakawa @hirakawah
EICネット[海外環境ニュース - 生物多様性条約カルタヘナ議定書第6回締約国会合が閉幕] http://t.co/KWwCymSp 『会議で代表者らは、遺伝子組換え生物(LMO)の輸入に関する社会経済上の課題を明確化する議論を進めることで合意した。』
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
↓カルタヘナ議定書26条問題(社会経済的考慮)にようやく着手するのね。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)カルタヘナ議定書で社会経済的影響の問題は、組換え生物(LMO)輸入国になりがちな途上国や環境・食糧問題系NGOを中心に議定書交渉当初から憂慮されていて、たとえば1998年の第5回バイオセイフティ作業部会(BSWG, 1998)での議定書の草稿では8ヶ条に盛り込まれていた。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)同草稿で社会経済的影響に言及してたのは第1条「議定書の目的」、第3条「議定書の適用範囲」、第7条「意思決定の見直し」、第12条「リスク評価」、第13条「リスク管理」、第15+16条「非意図的な越境移動と緊急措置」、第26条「社会経済的考慮」、第27条「責任と補償」の8ヶ条。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)ところがその後、LMO輸出国グループやEU、日本など先進国や国際産業連合によって社会経済的考慮の余地が狭められ、2000年1月の最終採択文書では議定書上の「義務」(shall条項)ではなく「各国裁量権」(may条項)として認められた第26条「社会経済的考慮」だけになった。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)ちなみに議定書で社会経済的考慮の排除を先進国等が求めた主な理由は、それ自体が社会経済的考慮に他ならない「各国の社会経済的な影響を考慮することはLMOの貿易に対する恣意的な保護主義の口実として濫用されかねず、円滑な自由貿易を阻む非関税障壁になりかねない」ということだった。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)つまり「自由貿易体制の維持・推進」という先進国や輸出国にとって有利な社会経済的考慮に、LMO貿易によって輸入国・途上国に生じうる負の社会経済的影響の考慮が負けたという構図。しかもこのあからさまな政治経済対立は「科学的」という偽装も施されている。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)例えば第3回バイオセイフティ作業部会報告書には「代表者の一人はLMOのリスク評価は科学的データのみで行われるべきで、社会経済的考慮はすべきでないと考えていた。リスク評価の基準は調和した手続きに基づくべきで、社会経済的考慮はそのプロセスを堕落させてしまうと彼は主張した」とある。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)同じようなことは日本の社団法人農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)が、99年の特別締約国会議に向けて農水省・通産省(現経済産業省)・外務省に提出した「生物多様性条約バイオセイフティ議定書に関する意見書」でも次のように言われている>次
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)「社会経済的考慮に関する条項については、その影響が国の状況によって異なり、客観的な尺度により評価することができないことから、本議定書に規定しないこと」。←国連・世銀もやってるような社会経済的影響を各種の指標で把握・分析する社会科学的方法がないかのような言い分。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)これらはいわゆる「健全な科学(sound science)」という科学的偽装を施したイデオロギーの例。これにより、あからさまな政治経済的対立が「科学的VS非科学的」というニセの対立にすり替えられる。貿易問題だけでなく公害・環境問題でもよくある構図。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)そういうところから、少しでも議定書の枠組みが広がるのかどうか。自分的にはかなり興味深い。http://t.co/KWwCymSp
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
↓ちなみにカルタヘナ議定書をめぐる「健全な科学」イデオロギーの問題については十年前に「リスクの政治学―遺伝子組換え作物論争のフレーミング分析」(小林傳司編『公共のための科学技術』,玉川大学出版部)で書いたことがある。http://t.co/ta7kJNd0

コメント

🦐GLORIA @somebodyssin 2012年10月20日
私なんかはこういう枠組み自体を正反対の方向から解体していくような動きも拡がっていったらいいと思う。例えばこんな(意図しない『バイオパンク』)http://www.juno.dti.ne.jp/tkitaba/gmo/news/03062001.htm
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