Project HABARI (1):Cs経口摂取編
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Leggett氏Cs体内動態モデルの解法
遠藤先生(@hyd3nekosuki)ご紹介 http://t.co/2ezNT1Rn のLeggett氏によるセシウム体内動態モデル http://t.co/BqZ02HIt について考えたこと, 気づいたことなどを書いていこうと思います.
2012-09-12 00:00:25各コンパートメントのCs含有量を表すベクトルNを体内/体外部分に分解する. 実際には, 体内部分は21次元の, 体外部分は3次元のベクトルになる. http://t.co/fq11T4Wc
2012-09-12 00:01:02行列Aも体内/体外コンパートメントのブロックに分ける. Bは21×21行列, Cは3×21行列である. 行列Bは正則で, 固有値はすべて正になる. http://t.co/MNIZGs7U
2012-09-12 00:01:55行列Aの指数exp(At)はブロックで表すとこのようになる. http://t.co/IlWshO5U
2012-09-12 00:04:29行列Bの固有値λ_iに属する固有ベクトルをv_iとして, 初期条件N_in(0)の次のような分解が成り立つとする. http://t.co/Vp7ML1dv
2012-09-12 00:07:14このとき解N_in(t)はこのように表せる. 摂取から十分時間が経つと, 小さな固有値の成分だけが残る. http://t.co/YY6VbOB4
2012-09-12 00:09:05Bの固有値は小さい順に, 0.00141, 0.00728, 0.0847,...となる(単位は1/日). これを'半減期'=log2/λに直すと, 492, 95, 8,...となる(単位は日). http://t.co/Ad45xfsl
2012-09-12 00:10:56http://t.co/7vaDjnbg によるとセシウムの生物学的半減期は成人男性で70日程度とのこと.
2012-09-12 00:12:161,2番目に小さな固有値に属する固有ベクトルv1, v2をRで計算すると, このようになる. ただし成分の和が1になるように規格化した. http://t.co/p2WMrFi9
2012-09-12 00:13:14一方, 慢性摂取の場合は, 微分方程式はこのようになる(一日あたりkのペースで連続的に摂取するというやや現実的でないが数学的な扱いが楽なモデル). http://t.co/pCaQZuQO
2012-09-12 00:15:10この解は次の式で与えられる. Bの固有値はすべて正だからtが大きくなると平衡に近づく. http://t.co/GfcOgsEP
2012-09-12 00:16:48kがある成分だけ1であるようなベクトルならば, 右辺はBの逆行列の列ベクトルになる. http://t.co/ShvXLFPH
2012-09-12 00:18:04そこでBの逆行列を計算したものがこちら. 遠藤先生による計算 https://t.co/UJq8sZ1O とよく合致する. http://t.co/bs2LCkNx
2012-09-12 00:19:13Bの逆行列の列ベクトルを規格化し, 平衡値の全身に対する割合を計算した. http://t.co/4zIHmwNc
2012-09-12 00:24:57興味深いのは, 2番目に小さな固有値に属する固有ベクトルv2が慢性摂取の平衡値の割合をよく表していること https://t.co/06utcn1f https://t.co/kr2AmPMI
2012-09-12 00:39:01一番小さな固有値の固有ベクトルv1はother 2コンパートメントが主な成分. other 2コンパートメントは血漿からの流入率も流出率も非常に小さい. https://t.co/06utcn1f
2012-09-12 00:43:18固有ベクトルv1は, other 2コンパートメントの流出率の小ささゆえに長い半減期=小さな固有値をもつが, 流入率の小ささゆえに実際の動態を考えるときには大きな役割を果たさないと考えられる. https://t.co/06utcn1f
2012-09-12 00:48:59@habari2011dunia 様、非常に興味深い一連の呟き、非常に勉強になるとともに、美しい式変形に感動致しました。 https://t.co/ttAYbVn0 のご指摘、2番目の固有値から求められる半減期(95日)が成人の生物学的半減期に近い点も個人的には興味深いです
2012-09-12 00:59:31@hyd3nekosuki そうですね. 急性摂取からの動態についてもやはり2番目の固有ベクトルが主要な役割を果たしているのだと思います.
2012-09-12 01:10:28@habari2011dunia さん、吸入摂取の場合はさらに呼吸気道モデル(ICRP Publ. 66)と結合計算を行う必要がありさらに複雑かと私は理解しておりますが、この表の慢性吸入摂取時のCs相対濃度はkとしてどのコンパートメントにCsを与えたのでしょうか?(肺?)
2012-09-12 01:25:17