散らかし散文置き場

ついのべから診断モノまで、言葉の欠片を掬い取った末路。
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ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

初めてだった、初めてだった。肩書も名前も何もなく、その瞳で俺を真っ直ぐ見てくれたのは。だからこそ俺はお前に惚れたんだ。解っているさ、お前が見ているのは俺ではない。俺の大嫌いな奴だろ?だからとて終わりにして良い筈など無いだろう?だから俺は今日もお前に逢いに行くよ。 #twnovel

2012-07-08 17:45:50
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

愚か。その言葉が一番似合う。だってそうだろう、間違いを犯し禁忌を犯し……誰よりも自由だったあいつを、咎められるのは私だけだったのだから。規律と因果に縛られた私と、それを嫌うような生き方を貫いたあいつ。最期の最後まで、私とは相容れなかった。それがーー羨ましかった。 #twnovel

2012-07-08 21:52:15
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

最初は、嘘だと思った。けれど、確信を持ってしまった。あの子も、きっと知ってる。私のこの想いを分かってる。だったら嘘にしてしまおう、無かったことにしてしまおう。同じ授業で見つけた寝顔も、食堂で一緒に話した恋バナも、雨の中の帰り道も。これでおしまい。最初で最後のお願い、幸せになって?

2012-07-08 22:32:19
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

七夕、というのが昨日だったかな?織姫と彦星の一年に一度だけの逢瀬の日。一年に一度だけなど、と嘆く者もおるが、良いではないか……逢えるのだから。儂はもう、二度と逢うことは叶わぬのだから。けれど覚えているよ。貴女と過ごした日々は、覚えている。次はいつ逢える?話したいことが沢山あるよ。

2012-07-08 22:41:07
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

どうか我等に勝利を。このままでは私達は最初で最後の敗北を喫してしまう。私達に敗北は許されない、勝ち続けなければならない、戦い続けなければならない。私達の敗北は、『死』そのものなのだから。戦えない者に価値はない。戦えない者に勝ちはない。戦い続けるから、……どうか。 #twnovel

2012-07-09 00:25:51
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

助けて下さい、祈る事しか出来ないのです。忌み事を好む神様でも、僕にとっては唯一の救いなのです。皆は貴方を忌み嫌い疎んじています、それでも僕は、僕には神様しかいないのです。災厄が降り懸かろうと、疫病神と忌み嫌われても、たとえどんな結末になろうとも。だから、どうか。 #twnovel

2012-07-09 16:32:09
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

沈む、沈む。泡沫に消えていく。私の命が水面に消える。嗚呼、何故に貴方は泣くのですか?誇りに思っております、この世界の一部になるのでしょう?ならばそのような顔をしないで下さい。けれども、分かっているのです。この因習の無意味さを。私の命で世界など救えない。それでも、 #twnovel

2012-07-09 16:38:16
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

世界は言葉で溢れている。一つの言葉が連なることで人に愛を伝え、恋敵を恨み、様々な世界へ旅をする。悪辣な言葉は心を砕き、愛の言葉は疲れを癒す。時に世界の広さを教え、時には後味の悪い最後を味わう。ゆえに私は言葉を求める。文学青年は、今日も言葉の欠片を求めて本を開く。 #twnovel

2012-07-09 19:44:13
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

村は今年も麦も米も穫れなくて、皆困ってる。父様は家のお米を僕や妹に分けてくれるけど、『大丈夫』って言って食べないの。そんなの僕は嫌だ。だからお願い、神様にお願いすればどんなお願いだって叶うんでしょ?皆でご飯が食べたいよ。……泣いてるの?神様も泣くんだね?変なの。 #twnovel

2012-08-01 18:33:16
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

『主様、』命を与えた人形が呼ぶ。「どーした?」『治癒屋が』「通してやれ」治癒屋は俺を見て少し驚いて、笑う。「やぁ、今日の君は可愛らしいね」「うるせえ、」英国少女の人形なんて洒落てるだろ?と皮肉るように笑った。「前は確か、黒髪の少年だったね?」 #twnovel #人形屋 #治癒屋

2012-09-04 10:08:33
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

「出掛けてくる」村の外れの小さな貸本屋、其処に懇意にしている本の虫がいる。「お久し振り、です」「よぉ」貸本屋ーー妖書店の小さな店主は、店番を妖狐に任せて引きこもっていた。「今日は、どんな御用で?」「ん?こないだ借りた物語の続き、読みたくてよ」 #twnovel #人形屋 #妖書屋

2012-09-04 22:11:44
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

「妖書屋が薦める本は面白いね」「貴方の店番人形も、評判良いですよ」店番をしている人形は碧髪と瑠璃色の眼。「何だって元々の俺の容姿の出来損ないを選んだんだよ」不貞腐れたように人形屋は舌を打つ。妖書屋は困ったように笑う。「忘れないように、ですよ」 #twnovel #人形屋 #妖書屋

2012-09-05 11:27:48
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

どんな絡繰人形をご所望かな、お茶汲み人形から子供の遊び相手まで。容姿だって好き勝手さ。絶世の美少女に大切な人の絡繰人形だって。まぁ死んだ想い人はお薦めしねぇから、てめぇの為にも止めとけ。あぁそうだ。それとも俺みたいに、絡繰人形になりてぇか? #twnovel #空想職業 #人形屋

2012-09-05 12:55:40
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

「人形の素材は人一倍気を付けてんだよ」絡繰職人は象牙を吟味しながら毒を吐いた。元来の人嫌いがそうさせるらしいが、妖書屋には通用しない。妖書屋はそうですか、と小さく呟いて真剣な眼差しの絡繰職人を眺めている。絡繰職人はばつが悪そうに頭をかいた。 #twnovel #絡繰書店 #空想話

2012-09-08 23:18:47
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

「きれい」小箱に詰め込まれた沢山の宝石に妖書屋は目を輝かせる。翡翠に菫青石、琥珀や紅玉や石英や瑠璃など、珍しいものまで取り揃えてある。「此奴等を砕いて溶かして人形の眼の微妙な色を出すんだ」見せてやるから来いよ、絡繰職人は得意気に歩を進めた。 #twnovel #絡繰書店 #空想話

2012-09-08 23:59:47
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

「流石に書庫は圧巻だな」妖書屋の地下書庫は絶版図書の宝庫だという。絡繰職人は本棚を眺め呟く。「だって本が好きなんだもん、」妖書屋は本を片手に小さく笑う。今彼女が手にしているのは『預言書』と呼ばれる一冊。書かれているのは、世界の終末について。 #twnovel #絡繰書店 #空想話

2012-09-09 00:07:37
ユーキ🌹 @inkstone129

本の虫に食い破られた本を元に戻すため、大嫌いな魔法屋に泣きながら頭下げる妖書屋さん。僕の札が未熟だったばかりに、彼女が祖父から託された人魚は美しい鱗を失ってしまった。「高くつくぜ?」嬉々として囁く魔法屋の言葉に寒気がした。また彼女の許から書が消えるのだろうか……

2012-09-09 01:33:04
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

「何だそれ」絡繰職人は妖書屋が開いた一冊の本を横から眺める。「写真屋に頼んで創ってもらったんです」かつて過ごした日々の写真を本にしたんです、と妖書屋は優しく笑う。写真の中、瑠璃色の眼をした絡繰職人は同じ瑠璃の髪色をした妖書屋と笑っていた。「忘れちまえよ、昔のことは」 #絡繰書店

2012-09-09 22:04:38
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

絡繰職人の言葉に妖書屋の桜色の眼は寂しげに揺らいだ。口は悪くとも、筋の通った言動。喧嘩屋ではあれども、理由があった行動。尊敬の念を抱いていたから。「お前も恋でもすれば変わるのによ」絡繰職人の言葉に妖書屋はそれはないと心の片隅で思う。きっと自分は恋などしない、出来ない。 #絡繰書店

2012-09-09 22:12:26
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

だって自分が本当に想っていたのはーーー 「どうした?ぼーっとしやがって」金髪碧眼の少女を象った人形に今は魂を移し生きる絡繰職人に、妖書屋は何でもないと笑う。笑ってばかりの寂しがり屋の本の虫、彼女が本当に想っていたのは、毒舌の人形屋。最初で最後の恋は、もう終わっていた。 #絡繰書店

2012-09-09 22:22:33
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

「絡繰職人は?恋とかしないの?」妖書屋は恐る恐る訊いてみる。絡繰職人は驚いたように目を見開き、そして笑った。「俺が恋?しねーよそんなかったるいの」ひーひー言わせながら溜まった涙を拭い、絡繰職人は言う。「でも、お前と恋仲になるのは悪くないかな」お前といると気楽で良いよ。 #絡繰書店

2012-09-09 22:28:25
ぽそ。@ISFJ-TなA @poso_broccoli

「お、おい…」何で泣くんだよ。絡繰職人の慌てた声色に妖書屋は自分が泣いていることに気付いた。「ごめんね、何でもないの」妖書屋は涙を拭いながら絡繰職人の翡翠の眼を見つめる。もう終わったと思っていた想い、けれど。(もう少しだけ想ってても、良いのかな?)ある、晴れた日の話。 #絡繰書店

2012-09-09 22:36:55
ユーキ🌹 @inkstone129

ごめんなさい、ごめんなさい――硝子の向こうで主殿が泣いている。その涙を拭ってあげたいのに、届かない。あぁ…この体を憎いと思ったのはこれで2回目。何故この体は地を踏みしめられないのですか。何故、この体は水の中でしか生きられないのですか。主殿、主殿……私のために命を削らないで……

2012-09-11 23:34:55
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