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20世紀ぐらいまでの食べ物の作り方

最近読んだ本とか今まで溜め込んだ知識で食べ物を作るってどういうことなのかな?と書いてみました。 書いていて疑問点や解釈に不備がありそうなところや資料の多重チェックしていないところが多いので 間違いも多々あるかと思います。 数年後には読み返してぎゃー!ぎゃー!と言えるぐらいになってるといいですね
漁業 牧畜 農耕 農業 歴史 食文化史
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初期の農業と肥料の三要素
ぼろ太 @futaba_AFB
初期の農業の手法で有名な焼畑農業は石斧程度の簡単な道具で未開の森林を効率的に焼き払い開墾することが可能で耕地の確保更に森林の植物たちが持っていたリン・カリウム・カルシウムなどの養分を灰にして可溶化し効率良く土に供給し、雑草の種子まで死滅することもできた
ぼろ太 @futaba_AFB
さらには火の熱で土壌表層の生物が死滅することで土壌中の生物相を撹乱し活性化され土壌有機物の分解を促進させこれにより土壌中の窒素養分も供給することが可能になる。焼畑農業は植物の生育には3大要素と言われるほど重要な窒素・リン酸・カリウムを全てを満たすことができる
ぼろ太 @futaba_AFB
しかし、焼き畑で作った農地は数年ほどで作物による収奪や風雨などによる流亡で土の肥沃度は低下し、雑草も生い茂り満足な収穫は見込めなくなる、こうなると農地を移動しまた森を焼き、これを何回か繰り返し森林が回復した頃最初の地に戻るというサイクルが作られた
ぼろ太 @futaba_AFB
鉱物肥料、化学肥料が登場するまでは手段は違えど収奪と回復の自然に任せたサイクルをどのように効率的に行うかが19世紀までの農業の大きな課題となった
エジプトで行われた灌漑農業と日本の水田
ぼろ太 @futaba_AFB
火の代わりに水を使って養分の補給を行ったのがエジプトなんかで行われていた灌漑農業(単語がこれで合っているかちょっと不安ですが)で、日本の水田もこれに当てはまるようです
ぼろ太 @futaba_AFB
水田は農業用水の確保や水田の水位管理など高い技術が必要な一方で灌漑水に溶けている養分や土中の養分の可溶化(潅水により土の還元によってリン酸の可溶化などがおきる)、さらには藍藻などの微生物により窒素固定などの影響でヨーロッパの畑よりも地力を維持しやすいという大きなメリットがあった
ぼろ太 @futaba_AFB
あと連作障害といって同じ土地で作物を作り続けると収量が低下したり、病気が蔓延したりするのですが、水田は病害虫を窒息死させたり、連作障害の原因物質や病原菌を水で流したりして連作障害が発生しにくいというのも大きなメリットだと思われます。
ぼろ太 @futaba_AFB
一方で労働生産性は麦などと比べると低く、狭い土地で高収量を継続して手に入れるのには向いているが非常に手間がかかるというのが水田による稲作と言えそうです。
ヨーロッパで主流となった輪作農業と農地の有効活用
ぼろ太 @futaba_AFB
ヨーロッパで発達したのは輪作農業でこれは同じ土地で年によって植える作物などを変えサイクルをつくって土地を利用していく農業で、初期の輪作は耕地の半分に作物を植えもう半分は休耕する二圃式農業が行われたが、八世紀には人口の増加により開梱だけでは追いつかず土地の利用率を高める必要が出た
ぼろ太 @futaba_AFB
そのため土地の半分が遊んでしまう二圃式農業に変わりもっと効率的に土地が利用できる三圃式農業へと移行が始まる
ぼろ太 @futaba_AFB
三圃式農業は秋にライ麦、小麦などの越冬作物を作付し、春になるとカラスムギや大麦、いんげん豆、レンズ豆など夏の作物を栽培し、残りを休耕させ従来の1/2から1/3に土地の利用率が向上した
ぼろ太 @futaba_AFB
さらにこの三圃式農業のメリットは種を蒔く時期が年二回に分かれるので農作業の均分化と凶作の危険分散、さらに牛よりもパワーがあり重粘土質の土地でも農耕具を引かせることのできる馬をカラスムギによって飼育することが可能となり雑草で済んでいた牛から馬の使用が一般化するようになる
ぼろ太 @futaba_AFB
ヨーロッパで農業の機械化が積極的に行われたのは馬なしでは農業が成り立たないぐらいこのスタイルの農業が一般化していて、飼料を用意しなくていい、つまりさらに人間向けの土地活用ができる機械化の需要が高かったというのもありそうですね
ぼろ太 @futaba_AFB
ヨーロッパの農業は三圃式農業に移行する過程で穀作と牧畜を結合させ、休耕地で放牧することにより家畜のふんを肥料にすることで地力を維持をはかるようになり、労働力や食料としてだけでなく肥料製造機としての役目を家畜は担っていた
ぼろ太 @futaba_AFB
しかし三圃式農業では冬期の飼料製薬から晩秋にかけて放牧家畜の淘汰が行われて放牧に依存する牧畜では多数の家畜を飼うことは難しく家畜が足りないと肥料が不足するという悪循環が起きていた
ぼろ太 @futaba_AFB
ヨーロッパで肉食文化が発達したのは冬期に養えない家畜の定期的な屠殺があったための有効利用の側面もあったのかもしれません
ぼろ太 @futaba_AFB
ココら辺は調べたことのないエリアなので、憶測ですが

有機農法の完成と限界

ぼろ太 @futaba_AFB
この状況が変わったのはイギリスで起きた農業革命でノーフォーク農法とよばれた輪栽式農業は飼料価値の高いテンサイ、カブ、クローバーなどを三圃式農業に組み入れたもので特にクローバーは空気中の窒素を土中に固定する能力で耕地への窒素の取り組みを促進させ
ぼろ太 @futaba_AFB
これにより冬期の資料不足は解消され大量の家畜の飼育が通年通して可能となり肥料の供給も潤沢になり、当時ノーフォーク州のみで、前イングランドの穀物生産の九割をしめるほどになった
ぼろ太 @futaba_AFB
というわけでここまでが18世紀終わりぐらいまでの農業の歴史で自然を利用した有機農法の到達点と言えるような気がします。
ぼろ太 @futaba_AFB
1775年アメリカでは1エーカーあた30ブッシェル(体積の単位ですよ)あった穀物の収量は1845年には8ブッシェルに低下し、わたやタバコなど更に養分を必要とする作物の収量低下はさらに深刻だったそうです。 http://t.co/fk4iwOIh
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コメント

オレサマ国王 a.k.a GUN道P @BigGunIsm 2012年10月23日
ぼろ太さんが忍殺を語るまとめだと思ったのに……
プルフェイド・リュパール @purufeido 2012年10月23日
要は作物の生産力が高まると共に元々の養分の量がボトルネックになっていたのが鉱物肥料などの手法で解消されるようになったという話かしら?
ぼろ太 @futaba_AFB 2012年10月24日
まとめを更新しました。
神河志海(偽名) @kagawashikai 2012年10月24日
これを読んで盛り上がれる人とは一緒に酒を飲んでみたいです。ちょっと前までは(今でも一部地域では)食べる前提=農 の環境を維持するだけで至難でした。。。
kurotal @N♂MAD @kurotal 2012年10月24日
窒素過剰輸出・過剰輸入など http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/honbun.php3?kid=206&serial=8685&bflg=1 も合わせて読むと面白いですよ。
zorotto@大サトー学会 @zorotto_BJ 2012年10月24日
久しぶりに自分の知識があれこれと結びついて「なるほど!そういうことだったのか」となるまとめでした。
水面計@いつのまにかオッサン @W_L_G 2012年10月24日
こういう食料とかの生産性に関する話を聞く度に、世界は政治や戦争ではなくて穀物と資源に酔って動いているのでないかな~ とか思うお年ごろ。 実際どうなんだろ? まとめたらかなり良い感じになりそうだけど?
アイヌ語で浮き草という意味だそうです。 @tokaov 2012年10月24日
高校の時授業の枠外で先生が教えてくれてた内容を思い出したです。感謝。
首輪付き ◆Lynx/nWdF2 @Lynx_nWdF2 2012年10月25日
なるほど、これだけ食料へのコストが高かったからエンゲル係数が説得力を持ってたんやな…このへんは経済学の発展と直結もしてるのが実に興味深い。
やまつ @yamatsun 2012年10月25日
食事に対する感謝の念が深くなったのと、軍事、経済、農業(インフラ含む)の相互作用についても楽しく読ませて頂きました。
arabiannightbreed @a_nightbreed 2012年10月25日
お百姓さんは土地を豊かにするために粉骨砕身、コツコツと働いたのですね
♪てぃ・りり@矢沢美琳™ @joulli 2012年10月25日
落第忍者乱太郎で、麦踏みのときに土饅頭踏んじゃって、っていうのは、もしかして、骨がリン酸肥料として効くという話が背景にあったのかしら。
ぼろ太 @futaba_AFB 2012年10月25日
まとめを更新しました。
あしも @asimo_syotakon 2012年10月25日
面白かった。あとフィッシュアンドチップスの普及はトロール漁でタラの漁獲が増えたのもあるはず。
boroneko2k @boroneko2000 2012年10月30日
現代の農業を語る上では決して欠かすことのできないロザムステッド農事試験場は、英国はロンドン近郊に位置します。近代統計の始祖の一人、フィッシャーが実験計画法をまとめた場であり、連作試験による植物栄養素の役割などなど、華々しい功績の数々がありますが、追々ぼろ太さんが語ってくださるでしょう。w
ワス @wsplus 2013年1月14日
ハーバー・ボッシュ法の善なる側面ですね。爆弾と毒ガスも作りましたが。
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