【『生物学史研究』87号(2012年9月)特集「放射線の生物学」】②
- karitoshi2011
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第1弾です。
それでは、今回の第2弾です。
1【『生物学史研究』87号(2012年9月)特集「放射線の生物学」】②藤岡毅氏の「放射線リスク論の転換は起こるのか―ICRPの歴史とECRR勧告」は中川保雄によるICRP史を回顧した後、1997年の欧州放射線リスク委員会(ECRR)成立以後の新たな展開の科学史的意義を問うている。
2012-10-25 09:13:132【『生物学史研究』87号(2012年9月)特集「放射線の生物学」】②藤岡論文の新たな論点「ECRR2003年勧告以後の展開」の項p75。ECRR2003勧告に対してイギリスもフランスも本格的な対応を行っている。イギリスのCERRIE(内部放射線被爆リスク委員会)、及びフランスの
2012-10-25 09:13:343【『生物学史研究』(12年9月)特集「放射線の生物学」】②放射線防護原子力安全研究所(IRSN)での検討。どちらもECRR勧告を受け入れないとしているが、「IRSN2005年報告は、「ECRRによって提起された問題点は十分に受け入れられるものであるが、実際は、この修正方針を」
2012-10-25 09:14:074【『生物学史研究』87号(12年9月)特集「放射線の生物学」】②「正当化するとして言明された議論は、圧倒的なものではなく、その証明は、全体として、厳密な一貫したアプローチの基準を満たしているとはいえない」という理由でECRRモデルの採用を控えたのであり、ICRRに対する」
2012-10-25 09:14:245【『生物学史研究』87号(12年9月)特集「放射線の生物学」】②「ECRRの批判自体には十分根拠があるとして引き続き課題であり続けている」。島薗注―日本では英仏で行われたようなこうした検討すら行われていない。アメリカのBEIRと比べても低線量被曝問題への取組は軽視されてきた。
2012-10-25 09:15:196【『生物学史研究』特集「放射線の生物学」】②藤岡論文は「2003年以降、ECRRモデルの予測が正当であることを示す状況証拠が増大し続けている」として、ベラルーシのがん発症率の増大についてのOkeanovらの論文等を列挙する。そして今やICRP自体が大きく動揺しているとする。
2012-10-25 09:16:137【『生物学史研究』87号(12年9月)特集「放射線の生物学」】②藤岡氏「「ICRPの科学幹事であり、1990年と2007年のICRP報告書の編集者であるジャック・バレンタイン…は2009年に辞職し、ICRPのリスクモデルは内部被爆についての不確かさがあまりに大きすぎるので…」
2012-10-25 09:16:388【『生物学史研究』87号特集「放射線の生物学」】②「人類の被曝による影響を予測するためにはふさわしくないと言明した」。さらにECRR2003年勧告から2010年報告書への展開の過程で、署名者が旧ソ連圏、米国、日本に広がったことを指摘して、新旧パラダイムの対立とする視座を提示。
2012-10-25 09:17:139【『生物学史研究』2012年9月号・特集「放射線の生物学」】②「たしかに、ICRPの基準ですらしばしば無視されてきた日本の現状では、ICRP基準を守れという主張は正当」だが、内部被爆の重さを考えるとLNTモデルに従うよう求めることでさえ問題回避につなりかねないと論じている(続)
2012-10-25 09:17:53