江川紹子氏@amneris84裁判官たちよ 『可能性のワナ』にご用心

裁判所がだんだん「可能性のワナ」にはまり込んでいるのか? 果たしてこれは健全な裁判のあり方なのだろうか? 脱税か過失による申告漏れなのかが問われている 八田隆氏の裁判を例に挙げてみた場合。
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Shoko Egawa @amneris84

1)脱税か過失による申告漏れなのかが問われている八田隆氏の裁判は、被告人質問2回目でいよいよ終盤に。今日の裁判官たちの質問を聞いていると、裁判所がだんだん「可能性のワナ」にはまり込んでいる気がして、果たしてこれは健全な裁判のあり方なのだろうか、という気がしてきた。

2012-10-26 19:31:07
Shoko Egawa @amneris84

2)検察側は脱税と主張するが、それを直接裏付ける証拠はない。なので、大量に収集した証拠の中から、検察側の筋書きに合う部分をつなぎ合わせ、「ほら、株式による報酬は源泉徴収されてないこと知ってて申告しなかったでしょ」という立証。ただし、これは膨大な証拠が示す可能性の一つに過ぎない。

2012-10-26 19:31:12
Shoko Egawa @amneris84

3)一方の弁護側は、八田氏が申告漏れを指摘されて驚いている状況など、検察側が集めた証拠から、別な可能性を浮かび上がらせてきた。裁判官は、検察側がよりどころにする事実を確認するための質問を重ねるのだが、かなり前のことでもあり、八田氏が関心のない事柄だったりすると覚えていない。

2012-10-26 19:31:21
Shoko Egawa @amneris84

4)すると裁判官は、「可能性としてはどうか」とか「あなたの行動原理から考えて、どうしたと思うか」といった質問を繰り返す。これは、八田氏の考えや意見を求めるものであって、記憶に残っている事実を引き出したり、述べさせるやりとりではない。

2012-10-26 19:31:26
Shoko Egawa @amneris84

5)検察官の述べる可能性を判断するための事実が、可能性の積みかさねで認定されていく、なんてことがあってはならない。そもそも、検察官が言う可能性が合理的な疑いをさしはさまない程度まで立証できているかを吟味するのが刑事裁判の役割のはず。

2012-10-26 19:31:32
Shoko Egawa @amneris84

6)裁判官たちには、可能性によって事実認定をしたり、「検察官と弁護人、どっちの主張の可能性がより高いか…」などという思考に陥ったりしないようにしてもらいたいものだ。「可能性のワナ」にご用心! (了)

2012-10-26 19:31:46