yoshisatoseさんのノルウェー視察報告(主に食品基準について)

安東さんとの視察旅行についてはほかにいろいろなまとめがありますが、特に@yoshisatoseさんのツイートのみでまとめてみました。会話のお相手のツイートまでは追い切れていません。 ★チェルノブイリ事故後、現在のノルウェーの食品基準値600Bq/kg、スウェーデンの300Bq/kgで健康影響が現れるのなら、北欧や中欧の国で甚大な被害が出ているはずなのに、実際は違います★
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Yoshihiro Sato @yoshisatose
『「ゼロリスク社会」の罠 - 「怖い」が判断を狂わせる』 (コメント欄より: 「定性思考」から「定量思考」へ ) RT @55_kaede_55 保存読書『「ゼロリスク社会」の罠』(佐藤健太郎著 光文社新書) http://t.co/tEpnTbXI
Yoshihiro Sato @yoshisatose
ノルウェーでの視察・研修で考えたことを終了後も書きかけていましたが、いろいろと忙しかったので中途半端になっていました。続きを書きます。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
チェルノブイリ事故の後、ノルウェー政府は1986年7~8月にかけて、「事故による影響に対する経済的負担を農家が負うことが無いようにする」と発表。これは、汚染度の高い産品の廃棄に対する補償や、汚染軽減のための諸対策に掛かる様々な追加コストを政府がすべて補うだけでなく、
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続き)基準値を柔軟に設定することで影響を受けた産業がその後もある程度、継続できるように配慮することも含んでいるようだ。(当然ながら、国民の健康を損なわないという範囲で)
Yoshihiro Sato @yoshisatose
事故後に設定された市場流通品に対する基準値は、一般食品が600 Bq/kg、牛乳・幼児食品が370kg/kgに設定され、今もこの値が維持されている。一方、トナカイや野生の肉(ヘラジカなど)にもこの値が当初は適用されたものの、
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続)国民の多くにとって口にする頻度が少ない食品である(年間にせいぜい数キロ)ため、年間の内部被ばく線量に対する寄与は小さいし、この基準値では廃棄される肉が多くなりトナカイ放牧という産業が継続できなくなってしまうため、86年11月から6000Bq/kgに引き上げ。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
同様に年間消費量の少ない淡水魚も87年7月から6000Bq/kgに引き上げ。その後、94年からトナカイ・野生肉・淡水魚ともに3000Bq/kgに引き下げられ今に至る。(以上、具体的な年月や数値は伊達ダイアログのスライド http://t.co/20dVmyhm で確認済)
Yoshihiro Sato @yoshisatose
トナカイ肉を常食とするサーミの人々に対しては、ノルウェー政府は一般食品と同じ600Bq/kgを守るよう指示。ただし、市場を経るものではないので規制はできず、あくまでアドバイス。トナカイ放牧のサーミ人家庭では600Bq/kg以下のものを自家消費用や子供の食事のために分けていたらしい
Yoshihiro Sato @yoshisatose
ノルウェーの基準値は、政府が初年度の内部被曝を年間5mSv、それ以降は年間1mSvに抑えることを目的として設定(妊婦や子供は0.5mSv以下)。つまり、市場流通品がこの基準値以下である限り、普通の食生活では年間1mSVを超えることは無いので、安心して購買・消費できるという目安。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
以上は、ノルウェーの話だが、スウェーデンの考え方とも共通すると感じた。スウェーデンは事故後の食品の基準値を300Bq/kgと設定(以前の私のTWで500と書いたのは誤り)。その後、86年後半に行われた食品購買調査により人々のセシウム摂取量が1日平均約30Bqであることが明らかに。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続)これは1年間の実効線量に換算すると0.1~0.2mSvに相当し、目標とした年間1mSvを遥かに下回るものだったため、年間摂取量の少ないトナカイ・野生肉・ベリー・キノコ・淡水魚の基準値は87年から1500Bqに引き上げられた。(私の訳書『スウェーデンは放射能汚染から…』12章)
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続)この背景には、ノルウェー同様、大きな被害や負担を被ったトナカイ放牧への配慮もあったと考えられる。一方、サーミの人々や狩猟やベリー・キノコ摘みが好きな人には、自治体が検査結果を発表したり、摂取・調理の際のアドバイスを配布し、情報提供に努めた。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続)ちなみに、スウェーデンで1994年に行われた食品購買調査によると、事故から8年が経ったその時点での人々のセシウム摂取量は年間平均274Bqだった。汚染が酷かったヴェステルボッテン県の内陸部でも平均815Bq。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
ノルウェー(とスウェーデン)の内部被曝に対する放射線防護の考え方は、年間1mSvというラインを引き、それ以下であれば心配はない、というもの。年間1mSv以下を意図して設定された食品基準値も、セシウム濃度がそれ以下であれば問題ないという考え方。つまり「Black or white」
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続)両国とも放射線防護においてはLNT(線形閾値なしモデル)を採用しているが、内部被曝年間1mSvという水準は、リスクが顕著となる水準を大きく下回るものであるため、この水準においてはむしろ「閾値あり」の考え方に基づいているのだと、私は感じた。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
実際、ノルウェーで羊の生体検査(生きた状態で筋肉のセシウム濃度を測定)を見学した際も、基準値600Bq/kgを下回った場合は「対策不要」と書かれている。 https://t.co/AWWdtJbs ←生体検査の結果を記入する用紙の裏に書かれたもの。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
この表の読み方。一つの牧場で15匹の羊を選んでサンプル調査し、中間値がいくらであったか(縦1列目)、最高値がいくらであったか(縦2列目)に基づき、対策が縦3列目に書かれている。例えば、中間値が600未満・最高値が1200未満であれば対策は「必要なし」。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続)中間値が600未満・最高値が(1200以上)1500未満であれば「1週間のクリーンフィード」と続き、例えば下から2行目は、中間値が1600~2500・最高値が7500以下ならば「7週間のクリーンフィード」。実験を繰り返し、体内のセシウム濃度の減少率を推計した上で決められた長さ
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続)クリーンフィードの期間が長引けば、4週間後に再検査を行い、その後のクリーンフィードの期間を再検討するという話だったが、3週間以下の場合は、クリーンフィードの後に屠殺し出荷。その際に改めて検査をすることはないようだ。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続)そもそもサンプル検査であるし、「対策の必要なし」とされるケースには、15匹のサンプル調査の最大値が600以上1200未満という場合も含まれるのだから、基準値はかなりアバウトという感じ。
Yoshihiro Sato @yoshisatose
続)ただ、重要なのは人間の年間摂取総量なので、基準値600Bq/kgを少し上回ったからと言って、急に「危険」になるわけではない、という説明。(私はそれは納得。ただ最大値が1200でも「対策なし」はちょっとアバウトすぎるので、最大値が6~700を超える位から対策すべきでは?と思う)
Yoshihiro Sato @yoshisatose
一方で、日本の一部で先日、話題になった「104Bqまでは四捨五入で100Bq以下としている」ことを、とやかく言う神経は理解できない。総量が重要なのだから。(批判していた人たちは100Bq/kgという基準値そのものが許せないようだが)
Yoshihiro Sato @yoshisatose
ノルウェーでの視察・研修中にずっと考えていたのは、消費者に対する放射線防護とともに、生産者への支援、地域社会・経済の復興をいかにすべきか?ということ。一つの考え方として、汚染地域の生産者には生産をさせず、国や東電にしっかり補償をさせれば良い、というものもある。
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コメント

みなこ元気 @minako_genki 2013年1月16日
まとめを更新しました。説明欄にノルウェーとスウェーデンの食品基準について追加しました。
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