私的メモ:「新しい市場のつくりかた」の感想つぶやき

「新しい市場のつくりかた」の感想つぶやき。
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next49 @next49

ブログのエントリーで読書感想文書こうと思ったけど、うまくまとめきれないので、下書きがてらだらだらと感想をつぶやいてみる。fuku33こと三宅英道氏の初単著「新しい市場のつくりかた」 http://t.co/dLrPAtHx

2012-10-31 23:15:44
next49 @next49

三宅先生から献本いただいたが、その前にせっかくの初単著なのだからとAmazonで予約して自前で購入した。なので、手元に自前1冊献本2冊の計3冊ある。

2012-10-31 23:16:54
next49 @next49

読み終わった率直な感想は「技術者や工学系 or 自然科学系研究者はイラッとくるけど、読むとかなり面白いと思う。大学院生は必ず読んだ方が良い」というもの。最近読んだ「デザイン思考が世界を変える」の問題意識とかなり通じ合っている。

2012-10-31 23:21:15
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(承前)「イノベーションのジレンマ」の後の処方箋を帰納的に考えようという本のように感じた。

2012-10-31 23:22:15
next49 @next49

著者の問題意識が現在の日本のものづくり(サービス含む)の行き詰まりにあり、その原因が企業のほとんどが既存製品(サービス含む)の「改良」にしか注力しないことにある。そして改良するための「技術」が利益の源泉と思い込んでいる。この「技術神話」がものづくりを停滞させている。

2012-10-31 23:29:45
next49 @next49

(承前)なので全編を通して「技術の向上のみを考える技術者」にからい。特に第一章はすっごくからい。なので、技術者および工学系研究者は第一章で腹がたって読み進められないかもしれない。書き方が技術者の近視眼的振る舞いでものつくり死んでいるみたいな書き方なので。

2012-10-31 23:33:28
next49 @next49

(承前)輪をかけて腹がたつのが導入エピソードとして提示されている三菱重工のジャイロが高性能すぎて売れなかったという事例が説得力ありすぎるため。まったく筋違いの話なら笑えるけど、ピントが合っている話は笑えず腹が立つという状態。

2012-10-31 23:36:19
next49 @next49

(承前)でも、著者は技術を軽視しているのではなく、技術「だけ」を考えていることを批判している。

2012-10-31 23:44:42
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(承前)p. 15より"技術開発と用途開発は、事業経営を樹木のガーデニングにたとえると、植物がまず根を張って葉を茂らせ、やがて花を咲かせて実を結ぶように、両者がバランスよくなくてはいけないものでしょう。”

2012-10-31 23:44:54
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1章は技術ありきで新製品が開発されていたのではなく、用途が先にありそれにつじつま合わせて製品を作ったという事例がいくつも提示されている。

2012-10-31 23:46:47
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p. 19 "つまり、市場を生き物にたとえるならば、技術の話というのは、その生き物の育成論です。どのように鍛え、いかように競争の上での生存を可能にするか、これに対して文化の話はその発生論であります。"

2012-10-31 23:48:38
next49 @next49

(承前) "いかにありものの技術を持ってきてでも、今までなかった新しいライフスタイルを構想し、普及させるか。始まりの始まりの議論です。"

2012-10-31 23:49:26
next49 @next49

1章は頭にくるけど導入として面白い。「おお、お手並み拝見といこうか」という気分にさせられる。一方で、ちょっとなぁと思うところは2点。1) 技術は人工物なので誰かが発明&発展させなければ存在しない。欲しい技術をどこからか持って来ればよいというのは常に成り立つわけでない。

2012-10-31 23:51:56
next49 @next49

(承前) 2) 「なぜ、エジソンはウォシュレットをつくれなかったのだろう?」という問いはちょっとミスリード。「なぜ、エジソンはウォシュレットをつくらなかったのだろう」が適切だと思う。作ろうと思っているのにできなかったから「つくれなかった」。

2012-10-31 23:53:59
next49 @next49

(承前)この本の主題が「作ろうと思わなかった」ことに気づくことが重要であるという点なので作ろうと思ったのにできなかったを意味する「つくれなかった」を使うのはもったいない。

2012-10-31 23:55:03
next49 @next49

26ページからの市場創造の4フェーズはとても興味深いし、良くまとめられていると思う。1) 問題開発 2) 技術開発 3) 環境開発 4) 認知開発。ただ、3章で問題「発見」と問題「発明」が登場して、1章の問題「開発」と用語が変わってしまうのは残念。

2012-11-01 00:04:12
next49 @next49

また、1章のジャイロの例の最後は興味深い。p. 8 "もし、三菱重工が、ジャイロを売るために豪華クルーザーの需要を拡大しようとして、世界のリゾート地の港の利用ガイドを発行しても、構図としては(ミシュランガイドと)同じですし、現在その手立てを採用しても不思議ではないと思います"

2012-11-01 00:07:14
next49 @next49

(承前)”そして、いつかはそうやって維持され、発展する活路を確保したジャイロの技術が、海上メガフロート都市構築に活かされるかもしれません。"  

2012-11-01 00:10:11
next49 @next49

この本を技術者や大学院生に勧めたいと思ったのはこの部分がとても示唆的だったから。技術開発を続けたいという自分の都合のために、今、その技術が役に立つ市場を探し出し、作り出し、開発継続の理由をつくっちゃうという道があるというのは発想の転換だと思う。

2012-11-01 00:13:04
next49 @next49

自分のことは衛星軌道ぐらいまで棚にあげておいた上でいうと、博士号取得者が会社が求める人材でないという話も、この高すぎる技術をどう生き残らせるのかの話を応用できると思う。その高すぎる技術を欲するところを探しだし、つくりだし、本来の目的と違っても技術研鑽が続けられるようにする。

2012-11-01 00:16:11
next49 @next49

(承前)その上で、周りの環境が変わりより高い技術を欲するはずの本来の職やポジションが成立したときに、そこに入り込むというのがありなのではないかなと思った。商品を作るために市場を作り出してよいなら、自分が取り組んでいることを続けるために方便として市場作ったって良いはず。

2012-11-01 00:19:25
next49 @next49

ここいらへんは研究テーマを決めるときに、問題から道具を決めるのかという話と、既につかいこなしている道具からその道具が適用できる問題を探すのかという話とよく似ている。 → 道具からテーマを決める vs テーマから道具を決める http://t.co/M0AUs5we

2012-11-01 00:21:23
next49 @next49

本当かどうかわからないけどヤマハの歴史というコピペにも話が似ている。 → ヤマハ(YAMAHA)の歴史がおもしろい。 http://t.co/jMkrUctM

2012-11-01 00:23:15
next49 @next49

止まれ。自分がしたいことを続けたいけど、他の人(おもにスポンサー)からそれに価値はないとみなされるとき、放っておけばしたいことは続けられない。ならば、それが価値があるようにしてしまえば、したいことを続けられる。

2012-11-01 00:25:36
next49 @next49

(承前)こういう状態になったときの一助になるのが「新しい市場のつくりかた」という本なのではないかと思って、2章以降を読んだ。

2012-11-01 00:26:00