- sandletter1
- 5330
- 0
- 1
- 0
深作欣二が高見順の『いやな感じ』を映画化しようとした『いつかぎらぎらする日』は、今度の神波史男の本で初めてシナリオが活字化されるが、『いつかぎらぎらする日』というタイトルの流浪の歴史は長い。東映で深作・笠原和夫コンビが『仁義なき戦い』の後に企画された『実録・共産党』まで遡る。
2012-11-01 11:28:56『実録・共産党』が東映でポシャった後は最初期の角川映画でタイトルも角川文庫から出ていた河野典生の『いつか、ギラギラする日々』からタイトルだけ貰って『いつかぎらぎらする日』となって川谷拓三主演企画として息を吹き返す。この段階で河野は勝手にタイトルを使われたと抗議している。
2012-11-01 11:34:14脚本が神波史男、企画も『いやな感じ』の映画化企画にスライドして『いつかぎらぎらする日』というタイトルのみが残っていたが、遥か後に松竹で奥山和由が深作とアクション映画を作る際に候補にあがったタイトル『その男たち、凶暴につき』『かくて神々は笑いき』などの中に『いつギラ』があった。
2012-11-01 11:38:05奥山は角川春樹に直談判してタイトルを貰ってきて紆余曲折の末、同じ深作とは言え、まったく異なる映画のタイトルに収まったが、最近、田原総一朗が『あらかじめ失われた恋人たちよ』に続くATG映画用の未映画化シナリオを入手して驚いた。タイトルは『いつかぎらぎらする日』。脚本は内田栄一。
2012-11-01 11:42:18いったい『いつかぎらぎら(ギラギラ)する日』と冠した映画は何本あるのか?この内田栄一脚本による田原総一朗監督の幻の企画に至っては映画史にも登場しないので全く詳細がつかめず、田野辺さんに尋ねてようやく一端が分かった。河野典生の小説とは無縁のままに題名だけが翻弄された歴史。
2012-11-01 11:48:39あ、あれは「勝手に使われ」たんですか。如何にも春樹的だけどその辺りだけはきちんとしたのかと想像してました(後の『笑う警官』も?)RT @molmot: 河野典生の『いつか、ギラギラする日々』からタイトルだけ貰って『いつかぎらぎらする日』となって川谷拓三主演企画として息を吹き返す。
2012-11-01 11:47:37@w_yatsuhodo_w 「ウチで出してるんだから何とでもなる」とその場でゴーを出すようです。『Wの悲劇』の改変も、俺が原作者を抑えると。春樹の良し悪しはあるでしょうが監督や脚本家が原作者と対峙するんじゃなくて、プロデューサーが何とかしろよと最近の風潮を見ると思います。
2012-11-01 11:51:34追記
@molmot 角川が河野典生に角川小説大賞を贈って推していたのは確かですが、『いつか、ギラギラする日々』は文藝春秋の本です。文庫になったのは後年の81年、集英社文庫。
2012-11-02 00:41:52@molmot その角川小説大賞受賞作品『明日こそ鳥は羽ばたく』も、けっきょくは集英社文庫から出るんですけどね。それほどの猛抗議。角川からの完全撤退。当時は映画タイトル事件が伝わっていなかったので、河野典生の撤退行動が理由わかりませんでした
2012-11-02 02:41:51@ishikawasei1 なるほど。当時の『シナリオ』で1頁使った抗議文を読んで、ぜんぜん順調に交渉できてなかったんだと分かりました。原作は最近入手できたのですが、共産党からショーケンのギャング映画まで、あまりにもタイトルだけ独り歩きしていたんだなと改めて思いました。
2012-11-02 02:45:17@sandletter1 @w_yatsuhodo_w 『いつか、ギラギラする日々』は角川文庫ではなく文藝春秋から発行と指摘がありました。角川文庫から出版されていたのは河野典生の他の作品です。自社で同じ著者の作品を出版していたので交渉がやりやすいということだったようです。
2012-11-02 02:38:58