「意識の高い移民1世」その他にまつわる金明秀さんのつぶやき(2012.11.02.)
「俺さまは世界を旅していろいろなものを体験してきたから、在日などという日本国内で被害者意識に凝り固まったやつらより、人種差別を含めて様々なことを知っているのだ」と主張したがる人は昔からよくいるのだけど、なぜわざわざ自分から理解力不足を宣伝しようとするのだろう。
2012-11-02 13:55:19旅行者と移民のリアリティは異なるからね。いくら世界中を旅行したところで移民のリアリティはわからない。ところが、たかが世界旅行で世の中のことを分かったつもりになってしまう人にはそのことがわからない。
2012-11-02 13:59:54移民一世と二世以降では人生の課題が異なる。海外に数年程度暮らしただけでは、複数の世代にわたる移民のリアリティはわからない。ところが、たかが数年の海外経験で世の中のことを分かったつもりになってしまう人にはそのことがわからない。
2012-11-02 14:01:19公式の統計は存在しないが、日本人の海外流出率に比べて在日の海外流出率のほうが高そうであることは多くの人が指摘している。だが、「われこそはグローバルな視座を持つ者であり、在日あたりの田舎者より世界のことを知っている」と思いたがる人の耳には、そういう情報がなぜか入らないらしい。
2012-11-02 14:04:23日本で安穏と育った人が、海外で初めてマイノリティとしての体験を得たとき、社会認識が大きく変化するというのはよくあること。ただし、その変化の内容が問題でね。各国のマイノリティが置かれた境遇をより深く理解できるようになる人もいれば、自分以外のみんな努力不足だと思うようになる人もいる。
2012-11-02 14:10:23「自分以外のみんな努力不足だと思うようになる人」のことを、ぼくは「意識が高い移民一世」と呼んでいる。別名は「名誉〇〇人」だ。
2012-11-02 14:11:09「名誉〇〇人」が語る差別論って、けっきょく、マジョリティがマイノリティに対して抱く偏見をそのまま引き写しただけのものだから、そのままで差別として通用しうるものなんだよね。しゃべっている当人だけはマイノリティをエンカレッジしているつもりだとしても。
2012-11-02 14:17:43ぼくは日本国外での体験を通して、むしろ自分が各国のマイノリティが置かれた状況を何も知らないことを悟ったけどなあ。でもその一方で、どこのマイノリティでもけっこう共通した体験を抱えていて、それで愚痴をいったり笑いあったりできることを知った。
2012-11-02 14:25:15そうした海外での体験が、どこかの国のマイノリティをとらえて、「田舎者だ」「被害者意識に凝り固まっている」「差別意識はレイシスト並み」などの認識と結びつくなんて思いつきもしない。
2012-11-02 14:27:02「田舎者だ」「被害者意識に凝り固まっている」「差別意識はレイシスト並み」みたいなのって、マジョリティがマイノリティに抱く典型的な偏見だよ。あるいは、モデルマイノリティがカースト的マイノリティに抱く偏見の典型例でもあるかな。いずれにせよ、公言するのがはばかられるタイプの愚論だよ。
2012-11-02 14:32:51どうせ世界を知っているとうそぶくのなら、各国でマイノリティをばかにする価値観や手法を学ぶのではなく、そういう環境の中で各国のマイノリティがどうやって生き延びているかを学ぶ視点がほしいね。
2012-11-02 14:36:33「名誉〇〇人」系の人からしばしば語られるマイノリティのイメージに、「あの人たちは被差別者という立場を絶対視していて、何かあると被害を訴えようとする。弱者特権に胡坐をかいて、本人は何の努力もしようとしない」というものがある。これって、偏見に満ちた黒人イメージとそっくりだよね。
2012-11-02 14:44:32こんなイメージを垂れ流すことが「世界を知っている」ことの証明になると思い込んでいる時点で、もう、自分自身に何かが欠落していることを証明しているようなものなんだけどね。
2012-11-02 14:45:56「俺には黒人の友達がいるんだから、俺の言動が黒人差別のはずがないだろ」というお笑い差別言説はみんな知っていると思う。そして今日、「俺には米国に移民した親族がいるんだから人種差別のことを在日なんかよりわかってる」というバリエーションがあることを学んだ。ツイッターは勉強になる(棒
2012-11-02 18:43:02