『サイコパスを探せ！』読中メモ

TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【サ探読中メモ】読み始めたばかりなんだけど、やばい。これ、面白いかも。導入部分の謎めいた不安定加減が絶妙。ドキュメンタリー版ちょっといい話？／『サイコパスを探せ! : 「狂気」をめぐる冒険』（ジョン・ロンソン／朝日出版社） http://t.co/ICb3g2FI @さんから

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【サ探読中メモ】世界中の学者のもとに、ほぼ同時期に届けられた一冊の奇妙な本。エッシャーの細密画、切り抜かれた単語、謎のメッセージ。奇妙な対象の取材で定評のある作者に「調べてくれないか」と声がかかる。その頃作者は新興宗教のカリスマとの間にトラブルをかかえていて……。

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【サ探読中メモ】紹介文も面白い。「サイコパスとは、一般に、非常に独善的で、「他人への同情」や「良心の呵責」、「罪の意識」を持たない捕食者である。魅力や巧妙な手口、威嚇、セックス、そして暴力を用いて他人を支配し、自らの利己的な要求を満たす」

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【サ探読中メモ】「刑務所人口の25％がサイコパスで、一般社会においては人口の1％を占めるといわれているが、CEOや政治家など社会の上層部に限ると、サイコパスの割合はその3〜4倍になるという。」どうです、やたらと面白そうでしょう？

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【サ探読中メモ】そして思うのは、自分自身のことで、サイコパスという対象にはコンスタントに興味を持ち続けている。これはたぶん個人的なオブセッションで、誰でも面白がる話ではないだろう。この本をたった20ページくらい読み進んで興奮している自分も大丈夫なんだろうかと。

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【サ探読中メモ】なんにせよ、これからの読書がとても楽しみ。何か新しい発見があればまた書き足そう。わくわく。Togetter準備しようかな。

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【サ探読中メモ】内容に直接関係があるのかないのか、「ジュリア・セット」なんてものについての言及がある。有名なミステリーサークル（もちろん人造。チーム・サタンという集団が手がけたらしい）が写真入りで紹介されている。そしてダグラス・ホフスタッターについてひとしきり。迷走感がやばい。

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【サ探読中メモ】ダグラス・ホフスタッターというのは『ゲーデル、エッシャー、バッハ』で有名な認知科学と計算機科学の教授。有名人の名前をちょっと引用してみせたのかと思ったらいきなりメールでやりとりしてるし！この急展開感も面白い。 http://t.co/HtAn3fsm

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【サ探読中メモ】読み進めると作者は「DSM-IV（精神疾患の診断・統計マニュアル）」を広げ、自分が12の障害を持つと自己診断。まるで『ボートの三人男』（ジェローム・K. ジェローム／中公文庫）である。イギリスの伝統芸？ http://t.co/tzZ8vqfV

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【サ探読中メモ】おや？おやおやおや？ブロードムーア精神病院に詐病で放り込まれたトニーという人物（危険な重度パーソナリティ障害を持っていると診断されているが本人は詐病だと主張する）を訪ねるエピソードはそっくり読んだことがある。『アメリカ超能力部隊』に出ていた？　デジャヴ？　謎。

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【サ探読中メモ】「レモネードを1杯くれないか」「いいとも！ボトルごと持って行け」「1杯だけでいいんだ、ケニー」「ボトルを持って行け」「本当に1杯だけでいいんだってば」「ボ・ト・ル・を・持・っ・て・行・け！」7人の高齢者を殺害したストックウェル・ストラングラーとの会話。

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【サ探読中メモ】「やりすぎ都市伝説」でサイコパスを診断する心理テスト（葬儀屋に一目惚れした寡婦、殺人現場を見られた犯人と10階の目撃者）が取り上げられていたが、こういうちょっとズレた感覚にぼくはどうやらしびれるようだ。想像力への挑戦のように感じるのだろか。

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【サ探読中メモ】そしてロバート・D・ヘアの登場。失敗に終わったオークリッジでの試みとは対照的に、「サイコパス・テスト」を普及させ斯界の権威として飛ぶ鳥を落とす勢いで自信満々の登場（この人の『診断名サイコパス』（ http://t.co/BAKm4QWW ）は当然読んでマス）。

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【サ探読中メモ】ロバート・D・ヘアによる2泊3日の講習会。ボブ・ヘアが提示するサイコパス・テスト（チェックリスト）に対して懐疑的な人も講習を通してどんどん「感情や共感の欠如した全能感の持ち主」の実在を認めるようになっていく。ボブ・ヘアこそが人をコントロールしているようにも見える。

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【サ探読中メモ】続いてノーマン・メイラーの名前が出て来る。『死刑執行人の歌─殺人者ゲイリー・ギルモアの物語』（http://t.co/U3KlldeX、http://t.co/QzfJsdIM）の著者だ。ノーマン・メイラーはジャック・アボットというサイコパスに騙されたらしい。

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【サ探読中メモ】ちなみにゲイリー・ギルモアとは村上春樹が訳した『心臓を貫かれて』の主人公でもある（弟のマイケル・ギルモアが書いた本）。ノーマン・メイラーはオークリッジの理想主義的な考え方に近かったのだろうか。

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【サ探読中メモ】サイコパスという言葉にはいまや明らかにネガティブな忌避すべき反社会的存在と言う意味合いがついているけれど、それが大脳辺縁系の機能不全で、治療可能な病気だったとしたら？ということを考えずにいられない。ボブ・ヘアの言う通り治ることはないのか。

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【サ探読中メモ】「感情的な意味を持つものを脳内で上手く処理できない」人のうち犯罪的、反社会的方向に進む人もいるし、社会に適応して生きる人もいる。ためらわずに他人を騙したり、思い通りにコントロールしたりするような人は、個人的には関わりたくないが、その存在を一概に否定もしにくい。

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【サ探読中メモ】リーダーシップの資質の中に「感情に流されずに非情な決断をくだせる」ことが含まれているのなら、「感情的な意味が処理できない人」は向いていることになる。その目的があからさまに個人的・独善的なものだと独裁者と呼ばれ、上手に公の利益に沿っていれば名君と呼ばれる？

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【サ探読中メモ】そして作者はトト・コンスタンという人物の元を訪れることになる。ハイチで極右の準軍事的集団を組織し暴行や虐殺の限りを尽くした男だ。アメリカの亡命し司法取引でクイーンズ地区に幽閉された形で生活している。ここまであからさまなプロフィールでない権力者のことこそ知りたい。

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【サ探読中メモ】トト・コンスタントの2度にわたる面会は実に面白い。1回目のときは作者はサイコパスのことなど知らずにただハイチの問題の人物がどんな生活をしているか調べたかっただけだった。2回目はサイコパス・テストを念頭においたものだった。

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【サ探読中メモ】会見が始まるや、サイコパス・テスト的に見て、トト・コンスタンが語る内容はまさにその真逆であるかに見えた。控えめで、謙虚で、感情的で、自分を卑下していて、人物が小さくて……。作者が面会に来ると聞いてどれだけ興奮したかを語り、好印象を与えたいのだと告白する。

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【サ探読中メモ】けれども会話が進むにつれて様子がかわってくる。「人に好かれたい。そうでないと傷付く」と連発するトト・コンスタンは「教えてやろう！人に好かれると、その人を操って、してほしいことをやらせることができる」と言い放ち、好かれずに傷付くのは心ではなく立場だと認める。

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【サ探読中メモ】これだよ、これ。このズレ。違和感。これがたまらなくぼくを惹き付ける。言っていることの意味はわかる。文脈も理解できる。なのに、こういう発想は自分の中からは出て来ない。ほんのわずかなボタンの掛け違え程度のズレが生み出す奇妙なゆがみ。すごく面白い。

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【サ探読中メモ】サイコパスとの会話（魅力的で快活でセクシーで話が面白いサイコパスとの会話）というものにぼくは惹きつけられているのかもしれない。脚本にしてみたいと思うのかもしれない。それは一見楽しく愉快な会話なのに、微妙なズレが得体の知れない恐怖を引き起こす。そんな二人芝居。