茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第７６４回「根拠のない自信は、結果に対する自信ではない」

茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ！　ぷれいりーどっぐくん、おはよう！

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連続ツイート第７６４回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日も、引き続いて、日本を元気にするツイートシリーズ！

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こけ（１）昨日、「根拠のない自信」について書いた。根拠のない自信に加えて、「それを裏付ける努力」が大切だと。そうしたら、何人かの方から、「努力」をしているのならば、それが「根拠」になるから、「根拠のない自信」ではないのではないかと質問を受けた。重要なポイントなので、解説したい。

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こけ（２）「根拠のない自信」というのは、行動に向けられた自信である。できるかどうかわからない。でも、とにかくやってみるという、行動を支える内なる安全基地である。肝心なことは、この時に、結果がどうなるかわからない、そもそも原理的に知る方法がないということだ。

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こけ（３）赤ちゃんが初めてはいはいする時、なにしろ、自分の身体性でそのようなことを引き受けたことがないから、成功する保証などどこにもない。周囲の大人も、はいはいなどしていない。そもそも、結果としてどうなるかわからないのに、はいはいをしてしまう。これが根拠のない自信である。

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こけ（４）これだけの努力をしたのだからと、「自信」を持って現場や本番に臨めるということはあるかもしれない。それは、「努力」をすることの一つの意味であろう。努力を通してスキルを身につけていれば、「フロー」状態になる可能性も高い。しかし、それは、結果を保証するものではない。

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こけ（５）「根拠のない自信」の「根拠のない」とは、すなわち、結果がどうなるか「根拠」がないということに言及している。とにかく、行動してしまうのである。何が起こるかわからないけど、やるのである。それが「根拠のない自信」であって、つまりは行動に向けられた精神の「原形質流動」なのだ。

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こけ（６）行動する前から、「これだけのことをすれば見返りに必ずこういうことがある」とわかっているといった、「保証」や「確実性」とは全く異なる原理によって、「根拠のない自信」は支えられている。どんなに努力をしても、必ず結果が伴うとは限らない。だがしかし、やるのである。

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こけ（７）ただ、こんなこともある。『プロフェッショナル　仕事の流儀』に出演されたある方が、「ぼくには、失敗ということはない。なぜならば、何度失敗しても、成功するまで必ずやるから」と。確かに、もし、「根拠のない自信」が限りなき行動への原動力となるならば、いつかはたどり着くだろう。

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こけ（８）そもそも、この世界は、自分が一定のことをしたら、必ずある結果になる、という風には出来ていない。恋愛は相手次第。科学的発見は予想外のセレンディピティ。だとすれば、「結果」に対する「自信」を求めて、それを条件とする人は、結局一切行動できなくなってしまうということになる。

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こけ（９）根拠のない自信を持て。それを裏付ける努力をせよ。この「裏付ける」というのは、それが理由となって保証が与えられるという意味ではなく、つまりは行動の具体化であり、実行である。その結果の保証はない。しかし、どんな結果になったとしても、必ず何かを得ているのである。

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以上、連続ツイート第７６４回「根拠のない自信は、結果に対する自信ではない」でした。