日経11/4朝刊「新卒求人サイトの功罪」
(続1)【就職人気ランキング上位のJTBグループには毎年、約8万人の学生がエントリーする。実際に必要書類を出すのは「全体の3割」(人事担当者)、来春入社できるのは550人。狭き門だ。】
2012-11-04 07:40:04(続2)【採用代行のトライアンフ(東京・渋谷)には各企業からエントリーしてきた学生を絞り込む依頼が相次ぐ。学部や専攻、筆記試験、適性検査の結果などから面接可能な人数までふるい落とす。志望が集中する企業では最初の関門で企業自身の目に触れない学生も多い。】
2012-11-04 07:40:28(続3)【マイナビによると来春卒業・入社予定の学生1人がエントリーした企業は平均で69社。だが実際の選考過程に進んだのは11.4社だ。ネット上に並ぶ有名企業に志望動機も定まらずに応募、面接にすらたどり着けない学生の姿が垣間見える。】
2012-11-04 07:41:07(続4)【中堅大学の就職課は「うちの学生を採用する気がない有名企業はエントリーを受け付けないでほしい」と本音を漏らす。昨年から大手の採用活動開始が2カ月遅くなり、就活は短期決戦になった。時間のロスは致命的になりかねない。】
2012-11-04 07:41:58(続5)【10月中旬の東洋大学。まだ内定がない4年生44人が、商社や教育関連など業種が異なる中小12社の社長らと向き合った。数人のグループに分かれた学生は1社18分、12社で計3時間半の「全社強制面接」に臨む。】「面接やOB・OGとの面会を重ねるリアルな就活が必要」と小島貴子氏。
2012-11-04 07:43:02(続6)【「リクナビ」は14年卒の採用から、学生の志向や適性、企業が求める人材要件を解析し、個々の学生に合った企業情報を提供するオーダーメード型のサービスを始める。ネット就活が生み出した矛盾の解決に就職サイト自身も向き合う。ミスマッチをいかに解消するか。】
2012-11-04 07:43:42↓ × 就職は公平か 本音と建て前」→ 〇 就職は公平か 企業の「本音と建前」 (失礼しました)
紙面連動記事11/4【就職は公平か 本音と建て前」企業の採用活動を支援する会社の担当者(匿名)】:説明会で、事前準備の質問ではなくその場で考え良い質問をした学生など、目星をつけた学生にのみ個別で面接を実施することもある、入社してほしい学生に個別アプローチする企業が増えている、と。
2012-11-04 07:59:52↓ ×「1時試験」→〇「1次試験」です。失礼しました
(採用支援会社担当者・続)大学をS・A・B・Cで分けてSの学生のみ説明会に応募できるようにする、もしくは1時試験に進めさせるといった作業がパソコン上で簡単にできる、特定の学生に情報が集まりやすく、有利・不利の二極化が進んでいる、と。
2012-11-04 08:03:34(採用支援会社担当者・続)エントリーシートは、応募段階では目を通さず筆記試験や学歴で選抜し、面接前に参考情報として読むことが多い、入り口の段階でESの文面を見て、学生を選別するのは無理、と。
2012-11-04 08:04:59(採用支援会社担当者・続)「ESを学生に出させるのは、公平性を演出する一面もある。本当は大学や適性検査などの結果で落としたのに、学生には『エントリーシートの中身が悪くて落ちたんだ』とある種の納得感を持ってもらえるからだ。ESという定性的なものを使うことで、選考基準を曖昧にできる」
2012-11-04 08:06:16(採用支援会社担当者・続):企業からは今はアナログな助言を求められる、応募してきた学生をいかに効率よく選別し、説明会や筆記試験、面接への参加率をいかに上げるか、内定を出した学生の辞退率をいかに下げるか、学生に電話でどんな声掛けをすればいいかなど、細かい配慮が重要になっている、と。
2012-11-04 08:09:01(言い換えれば、企業側から学生に向けられたメールの文面や直接の声掛けなども、「どういうキャッチコピーで消費者の関心をひきつけるか」といったものと同様の戦略によって工夫されている、ということだろう)
2012-11-04 08:10:56(水面下の採用の実態が、有料電子版記事とはいえ日経に堂々と載ったのは注目すべきこと。それだけ、企業側も、現在の就職・採用システムに限界を感じている、ということかも)
2012-11-04 08:13:47(しかしここまで水面下の採用の実態が暴露された以上、大学側も「エントリーシートの書き方」といった支援から、実際の企業と学生をつなぐ支援へと重点を移すことが求められるだろう)
2012-11-04 08:18:45紙面連動記事11/4 【「ネット就活」超えたリアル求めよ 東洋大准教授 小島貴子氏】:「ネット就活は・・華やかなブランド店街をウインドーショッピングしているようなもの」「平等にチャンスがあるように見えるが、一部企業は大学名を判断基準とした事前選抜を実施」「完全な平等はない」
2012-11-04 08:24:44(小島氏・続)「(ネット就活は)かえって自分の視野を狭めることにもなりかねない。多業種の企業との接点を増やす方が賢明だ。私は学生に10社ほどネットでエントリーして面接に進めなければ、ハローワークや大学で開かれる合同説明会に行き、それまで知らなかった企業の話を聞くよう勧めている」
2012-11-04 08:27:08(小島氏・続)「企業の採用担当者からは最近、大学OBやOGを通じた学生の紹介など『リアルな採用活動をしたい』という声が多くあがっている。・・一方で『就活サイトに掲載されていないと、学生から価値の低い企業だと思われるので、なかなかやめられない』という悩みも聞く」
2012-11-04 08:28:56(小島氏・続)「企業はこれまで以上に自社が求める人材像や、場合によっては学歴や資格取得の有無などを具体的に表明すべきだ。若者は気持ちを切り替えやすいし、届きそうな目標であれば努力する大きな動機づけになる」
2012-11-04 08:30:56紙面連動記事11/4【新たなビジネスモデルをつくる人材、グローバル採用で 三井物産人事総務部人事開発室長 磯崎憲一郎氏】:「日本の就職活動は一発勝負で企業に入れば一生安泰という一括採用に偏りすぎた。・・雇用の流動性もまだ低く、中途も含め多様な就職機会があってしかるべきだ」
2012-11-04 08:36:50(磯崎氏・続)「(若手が小粒化?との問いに)そんなことはない。学生は20年前よりも優秀になっている。内向き志向というのも嘘だと思う。特に海外との垣根はどんどん低くなっている。ただ、経済の右肩上がりの成長が見込めない中で、競争率も高くなっている。」
2012-11-04 08:40:03