町山智浩氏が語る米民主党と米共和党の対立軸~近代アメリカの『自由』と『平等』

町山智浩氏が語る南北戦争以後から現在に至るまでのアメリカにおける民主党と共和党の対立軸
国際 大統領選 米共和党 アメリカ史 米民主党
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山下 真樹 @masaki5120
ここまできたら、極論ですが、4年に一度、南北戦争やったほうが、ややこしいことにならないですね。RT @TomoMachi: 共和党のボランティアが投票所に張り込んで… http://t.co/8fKGJtSO この表の RT @Hmax6400: RT @TomoMachi:
町山智浩 @TomoMachi
@masaki5120 共和党と民主党の対立は米国建国時に、中央政府が必要だとした連邦党と、中央政府なしで各州が国家として連合するとした共和党との対立から始まります。連邦党は現在の共和党に、建国当時の共和党は現在の民主党へと繋がります。中央政府に対する考えも入れ替わりました。
町山智浩 @TomoMachi
(続き)当初、共和党は連邦制、民主党は各州の自治権を重視しており、共和党は近代化された北部、民主党は奴隷制度を基盤にする南部をテリトリーとしていた。リンカーン(共和党)が連邦法で奴隷制度を禁止したので、南部(民主党)が分離独立。連邦を維持するため連邦が南部を戦争で破って「占領」
町山智浩 @TomoMachi
(続き)もともと北部は信仰の自由を求めた入植者が多かったが南部バージニアに入植した人々は信仰に無関心で土地や財が目的で流刑者も多く、彼らは入植するとすぐに奴隷商売を始めた。しかし南北戦争で焦土と化し、産業革命にも乗り遅れ貧困化した南部では、福音派に救いを求め信者が激増した。
町山智浩 @TomoMachi
(続く)南北戦争後も民主党は依然として南部の貧しい白人労働者の党で、福音派の党でもあった。しかし理想主義者のウィルソンを経て、ローズヴェルト大統領がニューディール政策で南部に公共事業で雇用を拡大。ここから民主党は貧困の撲滅を党是とするようになった。いわゆる「リベラリズム」である
町山智浩 @TomoMachi
(続き)労働者に支えられたニューディール体制の福祉国家アメリカは60年代まで続き、その間に大統領になったアイゼンハウアー(共和党)もフリーウェイの建設、人種統合、米ソ雪解け、とリベラルな政策を行った。戦後の日本にとってのアメリカの民主主義とは、このリベラリズムを指す。
町山智浩 @TomoMachi
(続き)共和党の伝統的な経済思想はいわゆる「見えざる手」に委ねる古典的自由主義だったが大恐慌で失敗し、ケインズ主義によるニューディール政策に道を譲る。その後、保守派は新しい指針を探し、保守論壇誌ナショナルレビューを中心にハイエクやフリードマンに基づく新自由主義経済へとたどり着く
町山智浩 @TomoMachi
(続き)南北戦争後も南部では黒人の参政権は抑圧され、人種隔離が続いていたが、ケネディ-ジョンソンの民主党大統領によって撤廃される。これで南部の白人は民主党から離れていく。ベトナム戦争の継続を掲げたニクソンを再選させたのも、南部や中西部の白人、もともとは民主党支持者だった
町山智浩 @TomoMachi
(続き)人工中絶が最高裁で合法化されると全米の宗教保守はそれを再禁止すべく投票への動員を始めた。最初は福音派のカーター(民主党)に投票したが、彼が進歩的なモラル政策を取ったので幻滅した。彼らを取り込んだのが古き良き価値観の再生を掲げたレーガン(共和党)だった
福田陽二郎 @perceptualreco
@TomoMachi 南部のテキサス州に保守の強固な基盤があるのはなぜなのでしょうか?ハイエクの師匠であるミーゼスを理論的支柱とするロン・ポール下院議員が選出されていますが。
町山智浩 @TomoMachi
(続き)レーガンはモラル的には福音派の不自由さを選んだが、経済政策では新自由主義による規制撤廃、減税、市場への不介入、自由放任を選んだ。こうして南部の貧しい宗教保守と産業界・富裕層という全く異なる層が共和党の支持基盤となり、この体制は子ブッシュの失政まで続いた
町山智浩 @TomoMachi
@perceptualreco テキサスは独立当時から南部について、ずっと民主党の基盤でした。子ブッシュが下院議員に立候補して落選した時もそうでした。その後、だんだんキリスト教保守が民主党離れをして共和党の州に変わりました。
町山智浩 @TomoMachi
(続き)レーガンは民主党によるニューディール体制を「大きな政府」だと批判し、民営化と福祉削減による「小さな政府」を掲げました。建国時に連邦政府を提唱した連邦党が共和党の源流なのに、この時、完全に立場が入れ替わったのです。
町山智浩 @TomoMachi
(続き)アメリカの政治は約30年でパラダイムが変わってきた。1930年から60年代まで続いたニューディール体制(アイゼンハワー含む)、10年の迷走を経て、80年から08年まで続いた新自由主義体制(クリントン含む)。それが金融崩壊で終わったので、今は次のパラダイムへの過渡期である
町山智浩 @TomoMachi
(続き)このように民主党は福祉や公共事業による「平等」を、共和党は市場と競争を重視した「自由」を理念とするが、モラル的には民主党は同性愛や中絶などの「自由」を守って同性愛者や女性の支持を得て、共和党はそれの禁止、いわば「不自由」を掲げて宗教保守の支持を得るという「ねじれ」がある
町山智浩 @TomoMachi
(続き)共和党の理念「自由」も民主党の「平等」も独立宣言に書かれている民主主義と資本主義の両輪で、日本や欧州では両者がバランスを取るが、アメリカではニューディールによる平等が行き過ぎて経済停滞、新自由主義が行き過ぎてリーマン・ショックと、どちらかが破綻するまで突き進む傾向がある
町山智浩 @TomoMachi
(続き)アメリカが世界一の大国になったのは誰でも自由市場競争に参加できるシステムのおかげだったが、自由競争が続くと勝者と敗者の間に格差が広がり、敗者は貧困の中で教育レベルが下がり競争参加ができず下層に固定され、社会は停滞する。そこで政府が強制的に富裕層から富を(続く)
町山智浩 @TomoMachi
(続き)富裕層の富を政府が貧者に再分配して彼らをスタート地点に戻して再び自由市場競争を活性化させる必要が出てくる。これをトランプのカードの配り直しにたとえてニュー・ディールと呼んだ。これで中流が形成され、大卒率が上がり、国民の知的レベルも上昇、巨大な生産力と消費力が生み出された
町山智浩 @TomoMachi
(続く)しかし60年代後半、敗戦国である日独の工業が再生すると労働組合に支配されたアメリカの製造業は市場競争で負けてしまった。市場を再活性化するためレーガンの下で新自由主義が始まったが、企業は組合を避けるために製造部門を人件費の安い海外にアウトソースするようになった。
町山智浩 @TomoMachi
(続く)海外への製造部門のアウトソースで企業は効率良く収益を拡大したが、アメリカ国内の労働者の仕事は激減した。こうして経営者は豊かになり、労働者は貧しくなっていった。アメリカの主力産業はものづくりから金融、投資、情報産業へと移行した。非エリート層にはサービス業しか残されなかった
町山智浩 @TomoMachi
(続き)民主党は伝統的に労働者を支持基盤としたのでクリントン政権は当初、国内の労働者を守るため、対日貿易圧力をかけた。このため今でも日本では民主党は反日と考える人も多い。しかし成果が上がらなかったためクリントンは製造業を諦め、新自由主義経済の政策に転向、金融・情報産業が隆盛する
町山智浩 @TomoMachi
(続き)ブッシュ政権は国内の労働者を守る保護主義よりも企業の利潤追及のためのアウトソーシングを放任する立場だったので2000年代、アメリカは中国製品に席巻された。日本は民主党の保護主義を嫌ったが、ブッシュが保護主義を取らなかったために中国経済はあれほど躍進したのだ。
町山智浩 @TomoMachi
(続き)レーガン政権から続いた富裕層への減税、企業の効率化、労働組合の弱体化等によって、経営者と労働者の貧富の差は何百倍にも広がり、ローンを抱えた中流以下の家庭では子どもを大学に行かせることは難しくなり、貧困層への転落、貧困の固定化のため、自由競争に参加できなくなっている。
町山智浩 @TomoMachi
(続き)だから現在、求められているのはかつてのニューディールのように、再び人々が自由競争のスタートラインに立てるように格差を是正して仕切り直すことである。ところがロムニーが掲げているのは、富裕層への減税、福祉など財政支出の削減、企業への規制緩和など、新自由主義の継続にすぎない。
町山智浩 @TomoMachi
(続き)共和党は「自由」、民主党は「平等」。どちらが正しい、ということではなく、自由と平等は資本主義の両輪。自由競争は誰にも平等にチャンスが与えられて初めて機能する。1981年から08年まで自由が暴走しすぎたから、今は平等が求められているというだけの話なのだ。

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