クリエイティブ・コモンズ・ジャパンのシンポジウムからみえてきた、出版物の著作隣接権新設が目指すもの。

2012年11月1日、CCJP「出版社の新しい著作隣接権を考えるシンポジウム」開催。 http://creativecommons.jp/weblog/2012/10/4658/ 権利新設の主目的は、海賊版封じ込めという。これまでできなかった、実効性ある対策が、それで可能になるのか。「作品を広める」試みを、権利の上乗せは阻害しないのか。
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富田倫生 @aobeka
【隣接権シンポ1】11月1日、CCJP主催「出版社の新しい著作隣接権を考えるシンポジウム」を聞きに行った。誰が何を目指して権利を設けようとしているかは、働きかけの中心である「中川委員会」の「中間まとめ(案)」を見てほしい。 http://t.co/ok44AJxB
富田倫生 @aobeka
【隣接権シンポ2】登壇者は、中山信弘、三村量一、赤松健各位。加えて、中川委員会側から、隣接権の条項案を内閣法制局と詰めてきた桶田大介弁護士。桶田さんの出席を得て、シンポジウムの論議は、格段に深まったと思う。
富田倫生 @aobeka
【隣接権シンポ3】「中間まとめ(案)」では、権利創設の主目的として、「電子書籍利用・流通の促進」と「海賊版対策」が併記されていた。桶田さんによれば、10月10日にまとまった「法制度案」(非公開)では、海賊版対策が主、電子書籍促進が従の位置づけにあらためられたという。
富田倫生 @aobeka
【隣接権シンポ4】その主目的である海賊版の抑え込みが、隣接権の創設によって、本当にはかられるのかが、この日の論議の中心となった。中山先生の最初のコメントは、こうした権利新設の検討を行う際には、手順を踏む必要があるとするもの。
富田倫生 @aobeka
【隣接権シンポ5】まず、それを設けることで何を達成しようとするのかの①要求の確定。それを達成する、実現手法②選択肢の検討。それらの③妥当性の検討。そしてそれが「文化の発展に寄与する」ことを目的とする著作権法④全体とのバランスをはかっていくこと。
富田倫生 @aobeka
【隣接権シンポ6】目的が海賊版の抑え込みであれば、これまでの枠組みの中でも、出版者が著作権者に弁護士をつける等の支援を行い、協力して進めることができたはず。著者との契約によって、出版者が対策の前面にたつこともできる。
富田倫生 @aobeka
【隣接権シンポ7】隣接権を設ければ、これまで実効を上げられなかった海賊版対策が、自動的に、一気に進むのか。新しい権利を設ければ、必ず一人歩きして、さまざまな影響を及ぼす。隣接権の新設には、慎重であるべきとの指摘が、中山先生からはあった。
富田倫生 @aobeka
【隣接権シンポ8】三村弁護士も、同様の意見。これまで、桶田さんを含む中川委員会側と、何度もやりとりを重ねてきた漫画家の赤松さんからは、本当の動機は「出版者の認知要求では」という理解と共感から発するコメントがあったが、慎重にという姿勢では共通していたと聞いた。
富田倫生 @aobeka
【隣接権シンポ9】「中間まとめ(案)」を読んだ時、隣接権の新設は、「作品を広めようとする」者の障害になりはしないかと懸念した。 http://t.co/J3T84Ndb 最後に許された質問の枕で、その点に触れた一言に、ドミニク・チェンさんが耳をとめてくれた。後ほど、RTする。
富田倫生 @aobeka
【著作権シンポ11】私の懸念は、中川委員会メンバーの植村八潮さんと、桶田さんに伝えたことがある。ポット出版のメルマガ版『ず・ぼん』18-6号で配信済み。来年1月には、紙版が出る。同席した境真良さん、沢辺均さんも推進の立場で、ここでは私が満身創痍で孤独な抵抗を試みている。
富田倫生 @aobeka
【著作権シンポ12】一つ書き忘れ。桶田さん提供の資料を読み、話を聞いて、罰則に触れられていないのが気になった。たずねると、論議の始めから「罰則のばの字もなかった」と。それで、海賊版対策になるのか。内部の検討でもまったく話に上らなかったとすると、なんとも不思議だ。
ドミニク・チェン@「#10分遺言」募集中 @dominickchen
さきほどの出版隣接権シンポジウムを見ていて、青空文庫の富田さんの意見に共感。出版隣接権を求める人々に本当に「作品を広める」という意識、もしくは考えがあるのか。
ドミニク・チェン@「#10分遺言」募集中 @dominickchen
「作品を広める」という意識を持たずに「海賊版対策をする」というぼやけた理由で、作家による作品のコントロールを脆弱化するような新しい権利を主張するのは、はっきりいって不誠実だとしかいいようがない。在庫コストと流通コストが存在しない世界で新たなコストを作り上げようとしているのか?
ドミニク・チェン@「#10分遺言」募集中 @dominickchen
なぜなら「海賊版」がマイナスに影響する可能性があるのは既にトップセールスをあげているメジャー作家層だけであり、無名な作家にとっては作品と名前が広まることの方が中長期的にはプラスであることは、多くのフリーカルチャーの作家やアーティストが表明しているから。
ドミニク・チェン@「#10分遺言」募集中 @dominickchen
いずれにせよ電子書籍が前景化しても執筆するという制作コストとリスクを負うのは作者であり続けるが、5年スパンでは既存の編集者の機能もクラウドソースやピアプロ化していく可能性がある。となると、企業体としての出版/編集が担える役割の核心は、作品を広めるための諸々の技術開発になるのでは。

コメント

伊坂一馬 @Ithaca_Chasma 2012年11月5日
海賊版対策は、現状でも作家が出版社に一筆書くだけで十分可能です。嫌がる作家はいないでしょう。著作隣接権は作家が電子書籍販売会社と直接繋がるのを出版社が嫌がっているんだろうな、という印象。