2012.11.2 第48回 原子力委員会 臨時会議
- Sucha_Para
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財団法人地球環境産業技術研究機構 理事 山地憲治氏
[参考資料1-3]回答・高レベル放射性廃棄物の処分について(概要):日本学術学会
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2012/siryo48/ssiryo1-3.pdf
山地:高レベル廃棄物というのはガラス固化体の事だが、先行きをみても、使用済み燃料も高レベル廃棄物の両方だと理解する必要がある。両方に対して、安全な処分技術を確保する必要がある。この問題が喫緊の問題だと言われるが、やらなくてはいけない課題ではあるが、喫緊というタイミングかというと
2012-11-03 22:28:01…ガラス固化体にしても、使用済み燃料にしても、「貯蔵」という期間が必ずある。ひとつは「クーリング」で、冷却期間が数十年ある。その貯蔵期間を政策的に活用する。意思決定に生かす。社会的合意に生かす。貯蔵期間を有効に使うのが重要ではないか。
2012-11-03 23:09:38…(資料1-3)範囲については合意しているが、私なりの解説をしたい。新聞等で反響を見ていると、インパクトが大きかったのは、P.6「6つの提言」②。「科学・技術的能力の限界の認識と科学的自立性の確保」という所。一般に数万年から数十万年、安全性を尾確保すると言われているが、
2012-11-03 23:21:11…それに対する科学的知見には限界があると認識をした。地層処分は、工学的に成り立っていると思っている。しかし、絶対安全は無い。それを国民にどう理解してもらうか?否定されたと新聞情報で感じたが、そういうつもりではない。努力したのは認めるが、それが国民には理解されていなかったという事。
2012-11-03 23:57:23…原子力リスクの中には、高レベル放射性廃棄物処分のような、超長期の安全確保や福島の過酷事故のような、低確率だが起これば大災害になるもの。除染で問題になっている低線量被曝-科学的に健康被害が有るのか分からない領域など、科学の限界を問われているリスクがある。それを取り上げて欲しい。
2012-11-04 01:39:52…ある意味、原子力委員会の1つの役目だと思っている。信用の問題があるので、内閣府なりで、今の3つのリスクは典型的で、それを社会がどう受け止めるかという事を、是非考えて頂きたい。
2012-11-04 01:43:29…P.7~「暫定保管」と「総量管理」暫定保管-貯蔵を戦略的に生かす、元々そういう事。言葉として「暫定」というのは、時間延ばしのようでよくなかった。責任保管というのもあったので、そのほうがよかった。エンドポイントを決めないという事で、数十年数百年という、いい加減な表現をとったのも…
2012-11-04 02:24:18…いい加減なというと怒られるが、曖昧に言ってしまったのもよくなかった。当然立地や施設設計する時、年限をきるのはあたり前で、どれ位がいいかというので、数十年から百年くらい-期限をきった保管であると。技術的に言えば、ドライキャスクであれば、長期貯蔵の安全性も経済性も確保される。
2012-11-04 02:47:02…福島第一でも、岸壁の傍にあって水をかぶっているが、多分大丈夫。そういう意味では、責任を持って一定期間保管できる技術はあると考えている。今までの中間貯蔵は、むつの件で問題になっているように、再処理するまでの中間という位置づけになっていて、貯蔵期間を使ってその後どう処理するか?
2012-11-04 02:52:38…技術の問題や国民の理解、そういう風に使うという意味で、そこを先延ばしとかエンドポイントが決まっていないという批判は当たっていないと、そこを正しく理解して欲しい。そう書いたつもりだが、文章が一人歩きすると、やっぱりよく分からないと。そこは反省する点。
2012-11-04 02:56:41…暫定保管の場所。地下ということに言及しているが、私は地表がいいと思っている。地下にすると、retrievableな処分と境目が不明確になる。なし崩しに暫定保管が処分にならぬよう明確にする必要がある。
2012-11-04 13:12:23…P.9総量管理。報道では『総量規制』と表現しているところもあるが、学術会議では「総量管理」または「総量抑制」とした。(「総量規制」という言葉を使っているのは、飯田さんなど)総量“規制”というと総量の上限の確定というニュアンスになる。これは原子力をゼロにしない限り上限は決まらない
2012-11-04 13:25:37…それと共に「総量管理」の中には、総量の増分の抑制がある。この言い方は、原子力を一定程度維持する場合での意味で、それは明瞭に書いてある。にもかかわらず「総量管理」を『総量規制』ととって、将来原子力をゼロにする前提という曲解が見られる。そういう意味ではなく両方に対応できるという事。
2012-11-04 13:48:27…総量の増分の抑制とは何をするのか?この文章の中には、核変換の事が書いてあるが、私の意見はそういう意味ではない。むしろその前にやる事はいっぱいある。「科学技術の限界」「暫定保管」「総量管理」追加的にコメントしておきたかったのは、この3つ。
2012-11-05 13:55:19…後、段階的な意思決定などは、現行のやり方-今の法律による基本計画は、日程を決めているので、その辺りは調整が必要。そういう変化を起こす為には、かつて近藤次郎先生がやっていた、「近藤処分懇」(http://t.co/mKJlWnhN)に相当するものを、どこかで持つ必要があるのでは。
2012-11-05 14:08:47株式会社野村総合研究所 顧問 増田寛也氏
学術会議回答等に対する意見陳述項目
[資料1-2]http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2012/siryo48/siryo1-2.pdf
1.緊急時の科学的知見の活用法 専門的知見を社会に活かすのは大事。今回の福島の事故にも、科学的知見を活かして政府が意思決定をするということは特に必要だったと思う。事故以前から、そういったきちんとした助言組織が必要だという問題認識があり、総合科学会議を改装して、新たに司令塔を設置し
2012-11-05 16:28:09…科学技術顧問という位置づけであったと思うが、そういう組織を作るという、大変有意義な提言があり、なぜ政府の優先課題になってないのか疑問に思っている。そういう組織があれば、福島の事故の時、もっときちんとした対応がとれたのではないか。
2012-11-05 16:32:20…結果として、原子力分野の科学者がバラバラに発信したことが、より不信感を高めたと思う。今回、学術会議も情報収集を求めたが、政府から断られたという大変残念な事もあった。
2012-11-05 16:45:002.原子力利用に関する政策審議体制が未整備-これは、原子力委員会のこと。政府からまな板の上に乗せられるような状態。原子力委員会見直しのための有識者会議(http://t.co/DttSt0Zg ※増田氏はこの委員でもある)1年半以上経ってから原子力委員会のあり方を改めて検討する。
2012-11-05 16:45:33…エネ・環会議の決定という法的根拠のない会議体が法的根拠のある原子力委をいじる…法的根拠のないものに切り替える体制にするのではないかと危惧している。この場において、政府から必要ないと断られた学術会議の回答について意見を言うというのが、先行きが迷走する事を暗示しているのではないか?
2012-11-05 16:48:043.「安全」と「安心」、自治体の責務、地域における社会的合意形成プロセス-安全と安心。原子力政策において重要な論点。自治体との関係で考えてみると、安全という言葉自身も慎重に使わなくてはならないが、自治体の責務は、地域の住民だけではなく、旅行者など「そこにいる人」の安全を確保する。
2012-11-05 16:58:23