@sugitau　が語る滝本竜彦論 #takky #tatsuhiko #takimoto #sekaikei

杉田悠 @sugita_u

うにゃ。先月末に自分が長野の空気を吸ってる間にエヴァファウストpostがやたら再RT連鎖してたことに今頃気付いたので（@kei_exさんがRTしたからですかね）、いい機会だし以前からちょっと主張したかったことを書こうかと思いますにゃー。

杉田悠 @sugita_u

そもそもあれはルサンチマンハンター小野を読んで、ああいう漫画を書いてるだけの事はあってｗ作者は佐藤友哉と滝本竜彦の違いをよくわかってるなあ、と感心したのが発端だったんですね。つまり舞城と西尾はオマケ。

杉田悠 @sugita_u

初期ユヤタンとタッキーは自意識が強い＋オタク的なガジェットやパロディの多用＋同時期にファウストで連載してたなどなどの共通点もあって褒めるにしても貶すにしても一括りにされるケースが非常に多かった。というか実際に読者層はかなり重なってる。

杉田悠 @sugita_u

それに対して表面的な類似はあっても中身は全然違くね、というフラストレーションが自分には昔から少なからずあったｗ で、それを集約したのがあのpost。

杉田悠 @sugita_u

というわけで懲りずにエヴァで喩えるお！ まずレイを救うことで自身も救われたいのがタッキー。ヒロイン救済の欲望とナルシシズムの供給がイコールで、ヒロインを救うとなんか自分の問題も解消される（タッキー自身も後にこれは短絡的だったと吐露）。

杉田悠 @sugita_u

一方レイの救済の不可能性と、そのヒロイックな欲望の暴力性を描いていたのがユヤタン。鏡家サーガにはレイ（ヒロイン）を救えない現実への怒りと諦観、そしてそんな自身の不能性にセンチメンタルに酔う奴は死ねというのが前提としてある。

杉田悠 @sugita_u

この差異をネタっぽく示唆して、「佐藤滝本は同類」という漠然とした認識のズレを（もしあるのなら）直してもらいたかったわけですにゃー

杉田悠 @sugita_u

うにー。セカイ系の定義って自分は更科修一郎の「結末でアスカに振られないエヴァ」というのが結局一番しっくりくるんですよね。要するにレイ（超越的ヒロインからの承認）を失ってかなしいお（ ´・ω・）みたいな話。セカイ系御三家のイリヤ、サイカノ、ほしのこえ、大体当てはまりますねｗ

杉田悠 @sugita_u

宇野常寛はその「アスカに拒絶されない」セカイ系の「喪失」のぬるさをレイプファンタジー批判なんかも交えて「安全に痛いパフォーマンス」として否定した訳ですが、この文脈に従えばタッキーのネガチェンやNHKは普通にヒロインを救って母性的承認を得てしまう話。

杉田悠 @sugita_u

なので、セカイ系はぬるいエヴァだぞとかそういう以前の作品。

杉田悠 @sugita_u

「ひきこもり」だとか「エロゲ」とかのガジェットを取っ払ってしまえば、普遍的なオタクルサンチマン（と童貞的ロマンティシズム）に引きずられた感性で書かれた青春小説だと思うんですよね。もちろんそれ以外の、言語化が難しい魅力が他にあるのも認めるんですけど。

杉田悠 @sugita_u

で、そんなタッキーに対してユヤタンは鏡家で、旧劇場版エヴァの終着点である「レイが死んでアスカに拒絶される」世界のリアリティにずっと執着していた人。母性的承認はグロテスクなディストピアとしてしか描かれず、他者にはとにかく駄目出しを食らいまくるｗ 良くも悪くも正当なエヴァチルドレン。

杉田悠 @sugita_u

タッキーはファウストのユヤタンとの対談で「劇場版エヴァは全肯定」「どうすればこれを越えられるずっと考えてた」とか言ってたわりにはエヴァ的な問題意識みたいなものは希薄。シンジ君が引きこもってたらレイが助けてくれるにゃーじゃ駄目だろうｗ

杉田悠 @sugita_u

タッキーの原点はおそらくエヴァより鍵ゲーと大槻ケンヂなんだろうけど、自分はああいうマッチョなロマンティシズムに100％乗り切れない人間で（嫌いではない）、だから自分がタッキーの作品で一番良いと思うのは漫画版NHKへようこその四巻以降なんだじぇ。

杉田悠 @sugita_u

漫画版NHKは原作ではレイだった岬ちゃんが、ただの痛いメンヘラ少女になってしまう――レイを救済しても自身の問題は解決しないし、そもそもレイなんてどこにもいないという話になってる。そんで最終的に佐藤君が、そのレイではない岬ちゃんを「俺は君を好きになる！」と宣言する形で終わる。

杉田悠 @sugita_u

「弱者は自覚して死ね」のユヤ信者の自分的にはあのまま佐藤君が野垂れ死ねば完璧だったんですがｗ、物語が与えられないポストモダンの状況においては自身で信じる物語を捏造するしかないという、ゼロ年代前期の宮台的なリアリズムに基づいた悪くない結末だったと思う。

杉田悠 @sugita_u

つまり超越的ヒロイン（レイ）が、入れ替え可能な他者（アスカ）になったわけですね。

杉田悠 @sugita_u

こんな事言うのはめちゃウソ臭いですがｗ、僕は滝本竜彦という作家は普通に好きなんですよ。ただ佐藤友哉とセットにするのは好かん、全然違う、ヒロインの救済が自己の承認と結びつく物語を描いていた作家と、それを暴力と捉えていた作家を同列に語るなという事が言いたいのです。うにー。おわり。

@khiguchi0205

RT @sugitau: なので、セカイ系はぬるいエヴァだぞとかそういう以前の作品。

@khiguchi0205

RT @sugitau: タッキーはファウストのユヤタンとの対談で「劇場版エヴァは全肯定」「どうすればこれを越えられるずっと考えてた」とか言ってたわりにはエヴァ的な問題意識みたいなものは希薄。シンジ君が引きこもってたらレイが助けてくれるにゃーじゃ駄目だろうｗ

@khiguchi0205

RT @sugitau: 「弱者は自覚して死ね」のユヤ信者の自分的にはあのまま佐藤君が野垂れ死ねば完璧だったんですがｗ、物語が与えられないポストモダンの状況においては自身で信じる物語を捏造するしかないという、ゼロ年代前期の宮台的なリアリズムに基づいた悪くない結末だったと思う。

@khiguchi0205

RT @sugitau: つまり超越的ヒロイン（レイ）が、入れ替え可能な他者（アスカ）になったわけですね。

@khiguchi0205

こりゃ拡大していけば普通に本出せるレベルだな。