茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第774回「予想外を避けると、行動の範囲が狭くなる」

脳科学者・茂木健一郎さんの11月13日の連続ツイート。 本日は、日本を元気にする系ツイート!
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-11-13 06:34:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第774回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、日本を元気にする系ツイートです!

2012-11-13 06:55:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

よこ(1)タレブの著書『ブラック・スワン』のメッセージは、一言でいうとこうである。この世界には、「ブラック(黒い)」「スワン(白鳥)」のように、予想もしなかった出来事が待っている。その出来事は、専門家でさえ、予想できない。つまり、想定外のことは避けられない。それが偶有性。

2012-11-13 06:56:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

よこ(2)『挑戦する脳』の中で、日本人の問題点として指摘した「偶有性忌避症候群」。肝心なことは、生きる以上、「偶有性」を避けることはできないということ! 偶有性の中には、予想ができない「ブラック・スワン」がたくさん隠れている。黒い白鳥に出会っても、慌てず適応しなければならない!

2012-11-13 06:59:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

よこ(3)ここで、注意しなければならないことがある。生きている中で、偶有性は決して避けられない。しかし、その人の考え方、行動の仕方で、出会う偶有性の量、質のスペクトラムは、大きく変化する。つまりは、人生で出会う偶有性は、その人の行動の関数なのであって、生き方次第である。

2012-11-13 07:01:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

よこ(4)たとえば、休日、自分の部屋に閉じこもっていても、偶有性を全く避けられるわけではない。誰かが訪ねてくるかもしれないし、天災が起こるかもしれない。ただ、外に出て、街を歩き、いろいろな人と会って話をするという場合に比べれば、偶有性のスペクトラムは狭く限られたものになるだろう。

2012-11-13 07:03:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

よこ(5)偶有性のスペクトラムが最も深く、広くなるのは、自分自身で行動し、人々に働きかけ、社会的文脈の中で何かを成し遂げようとする時である。たとえば、映画を撮るというプロジェクトをやろうとすれば、資金、キャスティング、撮影、配給など、さまざまな偶有性が避けられない。

2012-11-13 07:08:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

よこ(6)何かをやろうと思ったら、他者を巻き込む。そして、他者の意向はあらかじめ予想できない。自分がこうなるだろう、と予想していても、他者がその予想に沿った行動をとるとは限らない。だからと言って、偶有性を避けて、他者との関わりをなくしてしまっては、何もできない。

2012-11-13 07:09:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

よこ(7)このようなわけで、思い切って、行動して、偶有性の嵐を起こしてしまうしかない。起こった風をつかって、うまく離陸してしまうことだってできる。なによりも、予想外のことに出会うことは、脳にとってのごちそうのはずである。ほんのちょっと、発想を変えればいいのだ。

2012-11-13 07:10:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

よこ(8)社会があらかじめ設定したレールの上を歩いていけば、比較的偶有性を避けられるかもしれない。しかし、そこで失われるのは行動の自由、幅である。何かをしかけようとしたら、絶対に偶有性は避けられない。定められた文脈の中で適応するのは優等生だが、つまりそれは偶有性の忌避だ。

2012-11-13 07:11:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

よこ(9)結論。予想外を避けると、行動の範囲が狭くなる。自由に行動し、おもしろく生きようと思えば、偶有性の風が吹くことを避けてはいられない。だからこそ、日本人の偶有性忌避症候群は深刻なのだ。自分たちで、自分の行動範囲を狭めている。もうそろそろ、窓を開け、外の風を入れよう。

2012-11-13 07:13:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第774回「予想外を避けると、行動の範囲が狭くなる」でした。

2012-11-13 07:14:06