排外主義のメカニズム？

直立演人 @royterek

ここのところ排外主義的な言動が目立ってきているのは、日本社会が凋落しつつあることの何よりの兆候だ。他者を排斥しなければ自尊心を満足させることができないというのは、文化的にも精神的にも最も浅ましい状態にほかならない。

直立演人 @royterek

他者を執拗に排斥する行為は劣等意識の顕れでしかない。

直立演人 @royterek

しかし他者をいくら排斥しても、自尊心が真に満足させられることはあり得ない。他者をいくら排斥したところで、劣等意識が消え去ることはあり得ないから。排外主義者の自尊感情はあらかじめ損なわれていると考えざるを得ない。そうした心がすでに損なわれてしまっている人を「正道」に戻すのは難しい。

直立演人 @royterek

ひとたび自尊感情が損なわれて劣等意識の虜となり、排外主義に身を落としてしまった人たちを「矯正」するのは非常に難しい。そういう人については、せいぜい少しばかりマシな言動に留まるように促すのが関の山だろう。私たちが特に憂慮すべきことは、排外主義に染まる以前の子供たちへの影響だろう。

直立演人 @royterek

一方で、（広義の）排外主義を、特殊な人たちの特殊な問題だけにしておくこともできない。なぜなら、人間である以上、劣等意識から完全に逃れられる人などいないのだから。

直立演人 @royterek

われわれは誰しも「排外主義者」である。違うのは「排外」の方向性や程度や表現や手段でしかない。最もマシな「排外主義」はおそらく、排外主義そのものを排斥する排外主義であろう。

直立演人 @royterek

劣等意識を克服する道のひとつは自虐的諧謔だろう。そうやって一昔前までのユダヤ人は劣等意識に落ち込まないように精神衛生を保ってきた。

直立演人 @royterek

自己を他者に先んじて笑うのは、他者を排斥せずに自尊感情を満足させる数少ないやり方である。

弁護士 上瀧浩子 @sanngatuusagino

@royterek ユダヤ人を戯画化した人形をユダヤ人が売っているのを見て、同じような感想を持ったことがありました。何によって自尊感情を傷つけられていると考えておられますか？そしてそれが排害主義に向かう仕組みをどう考えておられますか？

直立演人 @royterek

構造的には、理想的な自己像と他者の評価を介した自己認識とのギャップ自体が耐えられないという原理？例えば、日本人が近隣諸国で非道なことをしたという歴史的事実は認識してはいるが、直視できない。@SANNGATUUSAGINO：何によって自尊感情を傷つけられていると考えておられますか？

直立演人 @royterek

で、そうしたギャップを一挙に解決してくれるのが責任転嫁のメカニズムでしょう。自尊心を苛む者達を極悪非道な人間に仕立て上げることでその排斥を正当化し、傷つけられた自尊心を回復しようとする。@SANNGATUUSAGINO：そしてそれが排害主義に向かう仕組みをどう考えておられますか？

直立演人 @royterek

そう考えると、排外主義というのは、傷ついた自尊心を回復するための手段であり、自己救済のために他者を手段化する仕組みに過ぎないわけですが、そうした他者が存在し続ける限り自尊心の回復もあり得ないので、ほとんど目的そのものになってしまっているのでしょう。@SANNGATUUSAGINO

直立演人 @royterek

なので、仮にそうした悪循環から抜け出す可能性があるとすれば、他者の排斥は、自己救済（理想化された自己像と現実の自己認識とのギャップの解消）には何の役にも立たないし、むしろ遠ざけるという具合に発想を転換する必要が出てきますが、それがとても難しい。@SANNGATUUSAGINO

直立演人 @royterek

排外主義者と彼らが排斥する他者との関係は、ストーカーとその被害者との関係との類推で考えられる面もあるし、著しく異なる面もある。ひょっとすると、その辺りから排外主義の心理とメカニズムを理解するための（予防するとまではいえないかもしれないが）ヒントが見つかるかもしれない。

直立演人 @royterek

この場合、社会的にことに重要なのは、日本におけるストーカー被害防止対策の現状を、ヘイトクライム被害防止対策の現状と結びつけて考えてみることにあるように思われる。そうすれば、自ずと課題もより鮮明に見えてくるのではないか。もっとも、私たちはその課題をすでに知っているに違いないのだが。

kato82 🛌 @kato82

@royterek 初めまして。ある人が排外を唱える人たちの言ってることはDVの加害者に似てると言ってたのを思い出しました。

直立演人 @royterek

ストーカーとDVとはかなり互換可能な現象だと思います。ただ、この二つと排外主義（ショーヴィニズム）には明確な違いもあるので、類似性とともに差異にも注目したいですね。@chiwokato：ある人が排外を唱える人たちの言ってることはDVの加害者に似てると言ってたのを思い出しました。

直立演人 @royterek

排外主義と表裏一体の関係にあるのが、差異の不承認であろう。排外主義に眉を顰める人でも、差異の承認がマイノリティにとって死活問題となり得ることを十分に認識しているとは限らない。当事者にとっては、差異の不承認が時として排外主義以上の苦しみをもたらし得ることはわきまえておくべきだろう。

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

同化主義が排外主義に強い影響を与えていることはぼくのデータでも確認されています。 “@royterek: 排外主義と表裏一体の関係にあるのが、差異の不承認であろう。…当事者にとっては、差異の不承認が時として排外主義以上の苦しみをもたらし得る…”

直立演人 @royterek

それを聞くと過去のユダヤ人のケースを想起せずにはいられませんね。日本の場合、国外のケースとの共時的な比較以上に、国内外の過去のケースとの通時的な比較の方がリアルに思える時があります。@han_org：同化主義が排外主義に強い影響を与えていることはぼくのデータでも確認されています。