一本のニンジン

中国のことを悪くいうのが昨今の流行だが、中国の庶民を皆悪者呼ばわりするのはいかがだろうか。中国残留日本人孤児を我が子同然に育てた人たちが、中国にはたくさんいた。国同士はいがみ合っても、同じ人間として理解し合え、尊敬しあえることをもう一度思い出したい。そして、どうせ競うなら、度量の広さを競い合いたいものである。
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shinshinohara @ShinShinohara

私が中学生の頃、「一本のニンジン」という記事があった。中国残留日本人孤児の話。中国人女性とその息子二人と一緒に荒野を歩き、子供たちは腹を空かせてみんな泣いた。母親は息子二人に何か語りかけたあと、日本人孤児のその人にニンジンを食べさせた。その後、孤児のその人は息子同様に育てられた。

2012-11-13 21:49:29
shinshinohara @ShinShinohara

孤児のその人は、ずっとその時のことが忘れられなかった。中国人のその母親が亡くなり、葬式の時に思い切って「母さんはあの時兄さん達に何を言ったのか」と尋ねた。兄達は「ずっと母さんから口止めされていたのだが」と前置きした上で話してくれた。

2012-11-13 21:55:19
shinshinohara @ShinShinohara

「今あるのは一本のニンジンだけ。私たちが分かち合っても僅かなもので、皆餓死してしまうかもしれない。でもあの子に全部食べさせたら一人生き残れるかもしれない。どうする?」・・・中国残留日本人孤児だったその人は、雷に打たれたような気持ちになったという。

2012-11-13 22:00:30
shinshinohara @ShinShinohara

中国庶民の懐の大きさを窺わせるエピソードだ。もちろん中国残留日本人孤児には不幸なケースも多かったが、我が子同然に大事にされた人も少なくない。日本人もそれに負けない器の大きさを持ちたいものである。

2012-11-13 22:04:02
shinshinohara @ShinShinohara

競うなら武器の強さや心の狭さではなく、懐の大きさ、器の大きさで競っていきたいものだ。

2012-11-13 22:08:47