真夏の怪談ナイト

真夏の暑い夜に散発的に始まった、 @irumatsu さんと @net_heads さんによる怪談ツイート(中辛) 涼が欲しいときにどうぞ。
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t.nkk @irumatsu

怪談 「谷に掛かる橋」 これは僕の地元の話。僕の地元の町は古い城下町で、お城跡に幼稚園小中高とあり高校裏の崖が自殺の名所であったり、元首切り場に生首が浮くなりの怪談が多々あります。しかし今回の話はそれとは別です。すいません #kaidan

2010-08-08 22:59:33
t.nkk @irumatsu

それで、私の街は大変な田舎なのだけれど、その中でも街中と周辺とがあります。中学校になると学区が広がり周辺の田園部や山間部からの学生も通学していた(周辺の学生はヤンキーが多い)。その山間部から来ていた友人を「K」とする。 #kaidan

2010-08-08 23:01:27
t.nkk @irumatsu

僕らは学習塾に通っていたのだけれど、まあ、勉強したいヤンキーも来ていて、まあみんな割りと仲良く過ごしていた。Kもその中にいた。で、学習塾の休み時間とか当然、遊んだりする。夏場、暑いから今日はKの家のある山間部についての、ある怖い話をしようということになった #kaidan

2010-08-08 23:05:09
t.nkk @irumatsu

Kの住んでいる山間部はバス通学をするのだけれど。その日は小雨が降っていて、道中、どうしても暑くてKはバスの窓を開けていたそうだ。長い道のりで、文字通り山あり谷あり。長いことバスに乗っていると、やがて谷に掛かる橋が見えてきた。谷はこの暑いのに霧がかかっていた。 #kaidan

2010-08-08 23:07:10
t.nkk @irumatsu

すごい湿気なんだなあと。橋に差し掛かると、同じバスに乗っていたKの部活の先輩がすごい剣幕で怒鳴ってきた。「おいK!何やってるんだ!早く窓を閉めろ!!」Kは突然怒鳴られたのでなんだかわからず、唖然としている #kaidan

2010-08-08 23:11:19
t.nkk @irumatsu

再度「いいから早く閉めろ!早く!」と言われた。先輩をとりあえず信用して焦ってバスの窓を閉める。橋の上を通っている間、先輩は無言でじっとしていた、Kもその雰囲気に合わせてしばらくじっとしていた。 #kaidan

2010-08-08 23:12:32
t.nkk @irumatsu

渡り終わったところで先輩がようやく口を開く「もういいぞ。暑い、窓開けるべ」一体なんだったのか尋ねたところ先輩はあまり気乗りしない顔で語りだした。「あそこの橋はな、昔、ほらあそこ谷だから霧がかかりやすいんだけど。 #kaidan

2010-08-08 23:14:31
t.nkk @irumatsu

それであんまり前が見えないんで自転車に乗った人がさ、地元の車にはねられちゃったらしいんだ。で、その人、谷の下に落ちちゃったらしくて。とりあえず、皆でその人を探しに橋の下に降りていったんだけど、 #kaidan

2010-08-08 23:15:19
t.nkk @irumatsu

さすがに高いところだったから遺体はバラバラになっちゃったらしくてな。でな、どうもおかしいんだが、その遺体をつなぎ合わせたのに両の手首と首だけが見つからなかったらしい。それ以来、 #kaidan

2010-08-08 23:16:56
t.nkk @irumatsu

今日みたいに小雨の降る日、その地元の人間が車が通る、そんとき、車の窓が僅かでも開いていると、、、その隙間目掛けて両手首と首が、恨みを込めてすごい形相で飛んでくるらしい。このへんじゃ有名な話だぞ」 #kaidan

2010-08-08 23:17:27
t.nkk @irumatsu

という話を聞いてKは(なんだそりゃ)と思い、少し笑いそうになったがあんまりにも先輩が真剣な顔で言う。そんなことあるかよwと思って家に帰ったあと、両親に聞いてみた「ああ、聞いたことあるな。○○橋を通るときは、 #kaidan

2010-08-08 23:18:40
t.nkk @irumatsu

まあ雨が降って霧の掛かってる時だけだが窓は閉めとけよ。危ないからな」と言われた。まさか、と思ったが、とりあえず橋をバスで通るときには窓を閉めることにしたそうだ。その時Kから聞いた話は以上。で #kaidan

2010-08-08 23:19:43
t.nkk @irumatsu

話は戻って、高校入試も迫った中3の夏(お盆前、丁度今くらいの時期かな)部活は引退し、相変わらず勉強したり遊んだりしていた。そろそろ高校入試でもって、もう遊べる のも最後だからというので、何かしようということになった #kaidan

2010-08-08 23:20:39
t.nkk @irumatsu

で、学習塾の先生に僕らと仲のいい人(バイトの医学部生)がいて、先生がうちにこいよと言うので、その下宿にみんなで遊びに行こうぜと言う事になった。皆といっても僕とKと入れて4人くらいなものなんだけど。 #kaidan

2010-08-08 23:22:23
t.nkk @irumatsu

ちなみにその先生の家、ロフトの上に大人のオモチャがあったりなんだりで散々だったが笑、とにかく中学生が夜遊ぶというので何をしてもまあ面白かった。みんな騒いでワーキャー楽しくやっていた。 #kaidan

2010-08-08 23:24:32
t.nkk @irumatsu

一通り遊び終わって夜中に。そういえばKの家には兄貴のバイクがあるぞっていうので、そのバイクで遊ばないかという話になった(ヤンキーの人たちなので)。ちなみに先生の下宿から山間部のKの家まではめちゃくちゃ遠いのだが、先生が一番乗り気だったので車で行くことになった。 #kaidan

2010-08-08 23:25:53
t.nkk @irumatsu

(ちなみに、バイクは先生に奪われてみんな乗れずじまいです。無免許だったので) #kaidan

2010-08-08 23:27:24
t.nkk @irumatsu

車内は、当時流行りのハイスタとラルクが爆音でかかり、みんな窓全開でハイスタとラルク大合唱してるという今考えるとかなりウケる状況だったwまあ、そんなこんなで僕の住んでた街中も超え、Kのナビで山間部へ。僕も山間部の方へは行った事がなかったので、wktkしていた。 #kaidan

2010-08-08 23:28:25
t.nkk @irumatsu

K「俺んちもうすぐだぜー」俺「山間部ほんとに長いな。バス通じゃないとムリだなw」とかなんとか言って、そろそろMDのネタも尽き、ラジオをかけるかどうするかということに。急に無音になった車内。僕は、ふと全開にしている窓の外に目をやった。 #kaidan

2010-08-08 23:29:42
t.nkk @irumatsu

夜中なので気温が下がり、小雨が降っている。だんだんと霧もかかってきていた。・・・・ふと、このあいだのKの、谷に掛かる橋の話が気がかりになった。「なあ、そういえばK、なんか天気悪いけど、こないだ言ってたあの生首ガッ!の谷ってどこなんだ?もっと先?窓、閉める?」 #kaidan

2010-08-08 23:31:01
t.nkk @irumatsu

そう聞くとKは突然焦り出し、周囲をキョロキョロと見だした。そして「や、ヤバイ・・・この橋だ・・・忘れてた!みんな急いで窓閉めてくれ!!!ヤバイ!」と。みんな橋の話を思い出して、焦って窓を閉めた。話が本当だとすると完全に手遅れだったのでみんな必死で窓を閉める #kaidan

2010-08-08 23:32:22
t.nkk @irumatsu

しばらく走り、橋を通りすぎた頃に霧が晴れる。何もない。みんな安堵していた。「なんだ、生首なんてこねぇじゃんw暑い、窓あけようぜw」といって皆元通りケラケラ笑い出して窓を開け始めた。僕は車の真ん中に座っていたので、ははっと安心しながら道の先に目をやった。 #kaidan

2010-08-08 23:33:38
t.nkk @irumatsu

ヘッドライトで照らされる道路の先に、おかしなモノが見えた。田舎の山道、真夜中、民家も街頭もなにもない道であるのだが、遠目のヘッドライトに照らされて何かが遠くに見える。だんだん距離が近づくにつれて、それが鮮明になってくる #kaidan

2010-08-08 23:35:27
t.nkk @irumatsu

人?、、のようなものが道路のど真ん中に居る。このアタリの人か?と思ったが靴すらも履いていない。というか、この時間にこの場所で人がいるのはどう考えてもおかしい。顔を見ると、ぶくぶくに膨れたような顔でまるで目を開いていない。こちらに向かってヒタっヒタと歩いて来る #kaidan

2010-08-08 23:37:04
t.nkk @irumatsu

目の前まで来た。ひょっとしたら僕だけ見えてんの?と思ったが、先生が「うおおお! 」と言って焦ってハンドルを切る。みんな気がついていたが僕と同じで言葉を失っていた。その人のようなのを避け、避け様に僕らは一斉に後ろを振り返った。、、、もう後ろには何もいなかった。 #kaidan

2010-08-08 23:38:26