塔10月号「十代二十代歌人特集」を読む・第十一回 #塔1020
- hikaritoshigo
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■吉田恭大と、千種創一の、塔十月号「十代・二十代特集」一首評! 今日取り上げるのは、上澄眠。吉田神社からどうぞ。 #塔1020
2012-11-15 16:53:11せいしゅんってことばはあかるい二階の女子トイレの窓から漏れる日差しほど/上澄眠「くもりの記憶」文体で成立している一首。「二階の女子トイレ」で膨らんだ十音が、無理やり存在感を出している。 #塔1020
2012-11-15 16:58:096・8・10・7・5で、「二階の女子トイレの」で十音か。他の歌でも破調は多用しているんだけど、これが一番成功しているかな、と。定型に入れるとしたらどこか削らないといけなくて、それだとちょっと陳腐に見える。 #塔1020
2012-11-15 17:03:20@tanka_daya 僕も好きな歌です。字面の明るさに反して、韻律の膨らみが「せいしゅん」に対する歪んだ思いを表している。 #塔1020
2012-11-15 17:04:56@chigusasoichi ただまあ、文体は攻めてるけど連作全体だと成功打は少ないなって感じ。 #塔1020
2012-11-15 17:13:10@tanka_daya この十代二十代特集は普段受けている選がないので、自選力が試される場でもありますよね。じゃあ、千種選行きます。#塔1020
2012-11-15 17:17:52一九九九年七の月 恋人くらいいるはずだった /上澄眠「くもりの記憶」 僕は小学生でした。1999年7の月に地球は滅亡するというノストラダムスの大予言が題材でしょうね。映画などのナレーターめいた文体が一首の時制を混乱させているのが面白いです。 #塔1020
2012-11-15 17:21:25@chigusasoichi 韻律は6・8・5・7・7でこれくらいなら狙った破調ではなさそうなので、特段コメントはない、ですね。#塔1020
2012-11-15 17:23:12@chigusasoichi エッセイでも「卒業」って書かれてますが、十代二十代特集も最後、ということで青春へのノスタルジーで編まれた連作なんですね、きっと。 #塔1020
2012-11-15 17:29:08@tanka_daya そう。コンセプトはすごく評価したいんだけど、最後の歌がなー、おしいですよ。 せみみんみんみみみみみみみわたしがつけたわたしの名前の"み"の音ふたつ /上澄眠「くもりの記憶」 #塔1020
2012-11-15 17:33:52@chigusasoichi いや、これはこれでいいんじゃないの?これ以上自分で言うと、野暮ですよ。 #塔1020
2012-11-15 17:37:33@tanka_daya むー。内輪ネタだけど、塔の沼尻さんが自分の名前を題材にした歌のレベルを求めてしまう。 その歌が載っている号を日本においてきてしまったが。。。(誰か教えて下さい) #塔1020
2012-11-15 17:42:53@chigusasoichi ああ、ありましたな。なんというか、自分の名前を自分の歌に出す、ってだけで相当な自己言及だよね。 #塔1020
2012-11-15 17:48:34みずからにつけたる姓の沼の淵われはときどき覗きこむなり /沼尻つた子(塔5月号新樹集) #塔1020 上澄眠回に関して。
2012-11-15 20:20:25@tanka_daya 成功してれば嫌いじゃないけど。あとで沼尻さんに訊いてつぶやきますわ。では次行くよー #塔1020
2012-11-15 17:57:06※※※
モスグリンの椅子に並んでいた二人 変わらぬことなどあっただろうか /高谷由貴「指定席」 過去のある一点で同じ時間と場所を共有したふたりが、ずれて行く、離れて行く。よくある話だ。が、モスグリンがこんなに悲しい色だと発見させてくれたことに僕は感謝すらしている 。 #塔1020
2012-11-15 18:02:13@tanka_daya そして「君の隣に座ってた」とかじゃなくて、私と君を「二人」としてやや客観化することで、映画のワンシーンみたいな景にし上げている。もう、僕はアンマンの冬空の下で、涙が止まらないような勢いで感動してます。#塔1020
2012-11-15 18:12:49