.@Jem0211 さんの「斎藤環先生 pentaxxx の「嘘つき」Uの話。」をお気に入りにしました。 http://t.co/F96utPsm
2012-11-16 09:35:25斎藤環の東北①【「嘘つき」がまかり通る】「3・11」は、さまざまな分断を日本にもたらした。現在の政治状況を見ても、それはあきらかだろう。復興はいまだ道半ばにも至らず「被災期間」が延長される中、忘却と否認、混乱と混沌がこの国を覆いつつある。 #斎藤環
2012-11-16 10:55:53斎藤環の東北② この混乱に乗じたとしか思えない虚言者やデマゴーグが、いまだにメディアやネット上で力を持っている。少なからぬ数の著名人、学者、ジャーナリストらが原発事故や放射能汚染に関するデマを流布せしめ、それがデマと判明した後も訂正も謝罪もなしに発言を続けているという現実がある。
2012-11-16 10:56:05斎藤環の東北③ タレントならともかく、学者やジャーナリストなら、一度の「嘘」が致命傷となるはずなのだが、奇妙なことに彼ら「嘘つき」には、今なお一定の数の熱心な信者がついている。
2012-11-16 10:58:30斎藤環の東北④ 不可解なことだ。なぜ人々は「嘘つき」を支持し続けるのか。彼らと同列に扱われたり、かつて同席したことすら恥辱と感じる私の感覚が過敏すぎるのか。あるいは彼らには、その虚言を補ってあまりあるほどの業績や魅力があるのだろうか。
2012-11-16 10:58:34斎藤環の東北⑤ おそらくこの状況は「外傷性の絆」という概念で説明できる。これはたとえば、家庭内暴力や虐待の加害者と被害者とのあいだに生じる強い感情的な結びつきを指す言葉だ。
2012-11-16 10:58:39斎藤環の東北⑥ 「嘘つき」と追随者(以下「被害者」とする)との間には、もちろん虐待のような直接の関係はない。しかし彼らは、震災や原発事故という外傷的状況を共有している。彼らの関係性は情報を介してのものだが、それは通常以上に強固な絆となり得る。
2012-11-16 10:59:53斎藤環の東北⑧ 外傷性の絆が成立するには、いくつかの条件があるとされる。①権力(情報)関係が一方的である。②嘘をつく行為は気まぐれな優しさや愛情を装いつつなされる。③被害者は自己防衛のために嘘や捏造を否認する。④外傷的な絆のもとでは、被害者は現実の認識すら変化させてしまう。
2012-11-16 11:00:02(再送) 斎藤環の東北⑨ 「嘘つき」と被害者との関係には、以上のほとんどすべてが該当する。それはあたかもカルトの教祖と信者のような関係に近づくだろう。教祖がどんなデマを飛ばそうと、その虚像が立証されようと、被害者は事実をねじ曲げてでも「嘘つき」の言動を正当化しようとする。
2012-11-16 12:43:20斎藤環の東北⑩ ここまでくると事態は深刻である。被害者は自らが被害者であることを決して認めない。すでに外傷性の絆が彼らの自我の基盤をむしばみ、状況を正確に認識することを困難にしている。
2012-11-16 11:00:58斎藤環⑫ いっぽう「嘘つき」のほうも、すでに後に引けなくなっている。彼らにとっては被害者からの支持のみが、唯一の存在基盤だからだ。いまさらデマの謝罪や訂正などできるわけがない。彼らは既定路線にしたがって嘘をつき続けながら、「外傷性の絆」を一層緊密なものにするしかない。
2012-11-16 11:01:54斎藤環⑭ 傍目には被害者は愚かしく見えるだろうが、彼らは二重の意味で被災者なのだ。彼らの孤立と「外傷性の絆」への依存は長期にわたって続くだろう。たとえ依存から脱却しても、その後にやってくるのは重いうつ状態や自殺念慮だ。
2012-11-16 11:02:01斎藤環⑮「嘘つき」たちが自滅した後、取り残された被害者にも居場所を残しておけるだけの寛容さが必要となるだろう。(さいとう・たまき=精神科医)
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