成員カテゴリー化装置に関するプチ講義

「成員カテゴリー化装置」概念の用法に厳しいことで定評のある friendsroots 先生によるプチ講義です。
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KOMIYA Tomone @frroots

土曜にもらった抜き刷りなどをパラパラと。論文の本筋とはほとんど関係ないけれど、{加害者, 被害者}が「標準化された関係対という成員カテゴリー化装置」と呼ばれているのは少し気になるな。

2010-08-09 10:07:35
KOMIYA Tomone @frroots

一点。「標準化された関係対」というのはサックスの表現が念頭に置かれているのだと思うけど、「関係対」はRの要素の名前であり、「標準化されている」ことは関係対がRの要素であるための十分条件。いずれの意味においても、「標準化された関係対」それ自体がMCDなのではない。

2010-08-09 10:10:34
KOMIYA Tomone @frroots

もう一点。そのうえで{加害者, 被害者}がRの要素でありうるかについては個人的には疑問がある。Rの要素になる関係対って、うまく言えないけど、規範的に「二人の人間の」関係を指定するカテゴリーペアのことなんじゃないのかな。

2010-08-09 10:15:04
KOMIYA Tomone @frroots

そういえばワトソンも{加害者, 被害者}をRだと言っていたような。けっこう言葉使い適当なんだよな。

2010-08-09 10:15:59
KOMIYA Tomone @frroots

Rの要素である関係対は、任意の二人の人間の関係を一意に特定するが、{加害者, 被害者}はあきらかにそういうカテゴリーではない

2010-08-09 10:38:02
KOMIYA Tomone @frroots

@contractio じゃあ今度気が向いたらMCDとラベリング論の違いでも。

2010-08-09 11:17:26
KOMIYA Tomone @frroots

と言ってから思ったがMCDとラベリング論の違いは、社会問題の構築主義的には重要なポイントになる気がするな。

2010-08-09 11:18:41
KOMIYA Tomone @frroots

ヘスフラたちの説明、あらためて見ると協調原理とかとあまり変わらない気もするけどいいのかなこれ…。なんか見直すと誤訳見つかるし…。

2010-09-12 23:34:24
KOMIYA Tomone @frroots

「相互行為のなかでの理解に一般的な問題はない」から「一般的な理論に説明できことはない」っていうのも怪しいなあ。

2010-09-12 23:38:25
KOMIYA Tomone @frroots

いかん。私のしごとは内容にケチをつけることではない。

2010-09-12 23:39:04
KOMIYA Tomone @frroots

EMの表現としての観察社会学という言い方は嫌いだな。観察可能性は説明可能性の一部でしかないのに。

2010-09-13 01:22:18
KOMIYA Tomone @frroots

「わけがわからない」という日本語表現はあっても、「わけがわかる」というのはないだろう。

2010-09-13 02:24:10
KOMIYA Tomone @frroots

「さまざまな活動をおこなう際に用いられる方法は、あらゆる科学的記述がそうであるのと同じ意味で、再産出可能な記述であるだろう。すなわち、我々が記述する自然な出来事は、その抽象性や一般性において統計的観察可能性に頼らなくても、抽象的で一般的な現象をもたらすのである。」(H.サックス)

2010-09-13 02:40:07
KOMIYA Tomone @frroots

"tic tac toe"は「三目並べ」と訳すしかないのかしら。「○×ゲーム」のほうが個人的にはわかりやすいんだけど。全国的分布としては何という呼び方がもっともポピュラーなのかな。

2010-09-13 03:04:01
KOMIYA Tomone @frroots

「成員カテゴリー化分析」とか平気で言うところは、へスターたちの気に入らない点のひとつだ。そんな分析手法がある、などとは決して考えてはならない。

2010-09-13 07:24:30
KOMIYA Tomone @frroots

@shigeruurano あ、ごめんなさい。ちょっと言い過ぎてるかもしれません。「社会成員たちもたずさわっているものとしての」ということなので、多少は多めに見てもいいかもしれません。「会話分析」とかと同列に並べたりしなければ。

2010-09-13 07:45:34
KOMIYA Tomone @frroots

あと気に入らないのは「話す順番の人」とか「しかられた人」みたいなのを「成員カテゴリー」と呼ぶこと。どういうカテゴリーが「成員カテゴリー」かを定義するのは難しいけど、とりあえず人の特徴づけに関してのレリヴァンス問題をもつカテゴリーに限りたい。

2010-09-13 07:51:47
KOMIYA Tomone @frroots

でなければ、そのレリヴァンス問題の解決としてのMCDの使用、という「準拠問題とその解決」の関係がまったく見えなくなってしまう。「誰が話し手か」みたいなのは、人の特徴づけというよりは、順番交代が準拠問題なのである。

2010-09-13 07:57:08
KOMIYA Tomone @frroots

あとこれは前にも言ったけど、{加害者, 被害者}とか{医者, 患者}とか{教師, 生徒}とかは「関係対」じゃない。 http://bit.ly/bk5fMi http://bit.ly/cJsNW5

2010-09-13 08:16:11
KOMIYA Tomone @frroots

「関係対」は二人関係を特徴付けるカテゴリー対(Rの要素)の名前。「標準化された」関係対はRの要素だけれど、標準化されているカテゴリー対は何でもRの要素であるわけではない。

2010-09-13 08:22:25
KOMIYA Tomone @frroots

「標準化されたカテゴリー対」であればRの要素だ、なんて考えてしまったら、{専門家, 素人}もRの要素だということになって、「いかにしてRiの相手に相談し、Kへと移行するか」という「会話データの利用法」論文の問いが崩壊する。

2010-09-13 08:24:29
KOMIYA Tomone @frroots

サックスの論文読んでわかることしか言ってないつもりですよ! RT @forippest: 先生、あとで色々おしえてください!!

2010-09-13 08:51:57