丸山天寿先生の「捨てがたい歴史時代小説、コミック・古代編」

3
丸山天寿 @tenjumaruyama

さて日曜日のお遊び。映画・のぼうの城はなかなか評判が良いらしい。歴史物が流行するのは実に喜ばしい(拙の飯の種ー笑)だが戦国時代だけが歴史物ではない。他の時代にも面白い物語はある。そこで本日は「捨てがたい歴史時代小説、コミック・古代編」全ての異論、叱責、追加を認めます。文中敬称略→

2012-11-18 08:03:36
丸山天寿 @tenjumaruyama

「聖徳太子・日と影の王子」-黒岩重吾。聖徳太子は日本で最も有名な歴史人物の一人。「聡明で革新的政治思想を持つ君主」のイメージを覆し人間的な彼の生涯を描く。政治に手腕をふるいながらも、巨大な権力・蘇我氏と戦い、愛に溺れる厩戸の御子。まさに日と影をの中に生きた伝説の人物の感動の物語→

2012-11-18 08:06:09
丸山天寿 @tenjumaruyama

「散華・紫式部の生涯」-杉本苑子。世界最古の長編小説と言われる「源氏物語」の作者、紫式部はどんな女性か。現在とはまるで違う平安時代の政治劇を背景に展開する物語。ライバルである清少納言や和泉式部も登場し、三つの才能が絡み合う。平安期の庶民生活も織り込まれているのも見落とせない。→

2012-11-18 08:08:01
丸山天寿 @tenjumaruyama

「陰陽師」-夢枕獏。安倍清明ブームを生みだし映画化もされた傑作。京の都に潜む怪異に陰陽師安倍清明と源博雅が挑む。著者独特の陰陽道に対する解釈が素敵で会話も楽しい。活劇場面も多く誰もが楽しめるエンティナー小説。名セリフの宝庫でもある。私の好きなセリフ「この世で一番短い呪とは、名だ→

2012-11-18 08:11:09
丸山天寿 @tenjumaruyama

「美貌の女帝」-永井路子。「誰も得たことのない栄光を得る代わり、普通の幸せを求めれば恐ろしい運命が待つ」と予言された元正天皇の数奇な運命。彼女は日本で五人目の女帝。元明天皇の娘で平安京遷都を行った。だが、その生涯は蘇我倉山田石川麻呂の復権をかけた、藤原氏との激しい戦いであった。→

2012-11-18 08:13:41
美貌の女帝

永井 路子

丸山天寿 @tenjumaruyama

「炎立つ」-高橋克彦。平安期、奥州に強大な王国を築いた奥州藤原氏は、大和朝廷の度重なる脅威にさらされ、さらに源頼朝・義経兄弟の関係から歴史のうねりに巻き込まれていく。奥州で栄華を誇った藤原氏の成り立ち(大和王朝とは別系統の人達と私は思っている)とその滅亡までの煌びやかな物語。→

2012-11-18 08:15:02
丸山天寿 @tenjumaruyama

「火の鳥・黎明編」-手塚治虫。小説ではなく漫画であるが、落すわけにはいかない。3世紀の倭、ヤマタイ国とクマソ国の争いを背景に、ヒナクとナギの姉弟、グズリ、猿田彦達の数奇な運命を描く。邪馬台国を真摯に描いた初めての漫画ではないか。私はこの作品に出合って邪馬台国への憧れを強くした。→

2012-11-18 08:16:26
丸山天寿 @tenjumaruyama

「火の鳥・ヤマト編」火の鳥連投。古墳時代の倭。ヤマト国の王子・オグナとクマソ国王の妹・カジカの間に芽生えた許されない愛と冒険の物語。古事記に書かれた伝説と火の鳥の存在が哀しく絡み合う。当時の政治情景や庶民の風習が分りやすく描かれる。記録と史実と手塚の創作の境目を見出すのも楽しい→

2012-11-18 08:17:34
丸山天寿 @tenjumaruyama

「火の鳥・鳳凰編・羽衣編・乱世編・太陽編」-要するに全部。火の鳥は全巻を通して一つのストーリー。昔、「無人島に本を一冊持って行くとしたら?」というアンケートに、「火の鳥13巻を一冊にして持って行く」と答えた。古代マニアだけではなく、火の鳥未読の方は読書人生の損をしていると思う→

2012-11-18 08:20:41
丸山天寿 @tenjumaruyama

小学校に上がる頃、「古事記」に出会って以来、古代にまつわる作品にはなるべく目を通すようにして来た。他にも名作傑作はたくさんあるのだが、ここでは比較的入手しやすい作品を。古代物は読み難いという方もいるが、慣れたら素敵。是非読んで下さい。中国古代物も遣りたいが、また次の機会に。了

2012-11-18 08:24:28