【結婚式場の座敷童子】

連作ツイノベです。
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江田・K【小説書き】 @koudakei

#twnovel 【1】電報が来た。親父から。結婚式なんかで見かけるドラ●もんのぬいぐるみ電報に入っていた一文は“チチキトク スグカエレ”「ふざけんな!」俺は罪なき青いぬいぐるみを床に叩きつけ、帰省した。親父は実家ではなく病院におり、「稼業を継げ」と笑顔でのたまったのだった。

2010-08-09 21:56:12
江田・K【小説書き】 @koudakei

#twnovel 【2】うちの稼業は結婚式場。祖父の代には貸衣装をやっていたらしいが。全国チェーンの式場がうちの田舎にも進出してきており、潰れてもおかしくないはずなのに生き残っている。それはそうと親父よ、「その子は誰だ? 隠し子か?」指差す先、ベッドの脇におかっぱ和服の幼女。

2010-08-09 21:57:31
江田・K【小説書き】 @koudakei

#twnovel 【3】「お、見えるか。継承は上手くいったようだな」「は? 親父、アタマ大丈夫か?」不審顔の俺に「おめぇが跡取りじゃな?」幼女はきつい方言丸出しで言った。「不本意だけどな。で、お前は俺の妹?」隠し子説を捨てきれない俺。「座敷童子じゃ」と幼女は大人びた笑みを見せた。

2010-08-10 01:11:15
江田・K【小説書き】 @koudakei

#twnovel 【4】「アイスが食いたいと言うとるんじゃ!」「知るか! さっき飯食わせたろうが!」古い漫画のように俺に憑いた座敷童子はフツーの人間には見えない。おかげで不審者のように見られ「ママーあのおじちゃん」「シッ指差すんじゃありませんっ」おじちゃんかぁ。そっちのが凹む。

2010-08-13 11:48:44