院内集会に寄せられた過労死遺族のそれぞれの要請（抜粋）

NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

（０）過労死防止基本法制定を求める院内集会は盛況に滞りなく終わりました。ありがとうございました。今日の配布資料の「要請文」集の中にある19事件の遺族の言葉を紹介したいと思います。それぞれの文章は、追って公式ブログに掲載される予定です。 http://t.co/TV3o1wVS

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（１）「一人の人間が命を失うのは、家族にとって、会社にとって、社会にとって、国家にとって、大きな損失です。だれもが、今、命の大切さを思い、命が大切であることを宣言すべきだと思います」（ワタミフードサービスで自死した26歳女性の父親）。

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（２）「事故でも災害でもなく、死に至る働 き方をさせるから過労死するのです。……企業は当然に社会的責任を課せられ猛省し防止策を講じるべきで、防止策を促すために国民に何ら手段も与えられておらず、何の制裁も加えられない現状はあまりに不適切に思います」（自死した飲食店の男性店長の妻）。

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（３）「亡くなる２週間前には自身の仕事が大変なのに、臓器提供の希望を記していました。武田病院は以前にも過労自死を出しているのにも関わらず、なんの改正もされていません。このままでは第２第３の被害が出るのは容易に想像できます」（武田病院の臨床工学技師で自死した22歳男性の父親）。

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（４）「労基署は悲しむ遺族の気持ちを踏みにじり、人を殺めた会社の片棒を担ぐ機関としか思えません。何のための労基署でしょうか。……個別の案件ごとにプロセスを含めた公正な判断を要望いたします」（光通信で営業課長をしていて冠状動脈狭窄症で亡くなった33歳男性の父親）。

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（５）「真面目で責任感が強く、素直な性格だった息子を懸命に育て、将来を楽しみにしていた私たち親にとって、息子に先立たれるほど辛いものはありません」（大日本印刷で研究開発職に就いて自死した27歳男性の両親）。

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（６）「パワハラを行った本人と、今も会社に勤めている社員の言い分のみを認め、業務外と裁決したことに、遺族として心のそこから憤りを覚えます。息子に先立たれ残された母親としてこれから裁判で闘う覚悟です」（ホンダ四輪販売南九州で自動車整備士をしていて自死した23歳男性の母親）。

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（７）「夫の整備士としての使命はあくまで安全性の追求です。利益追求こそが会社の最重要課題であるとする経営者のもとでの整備環境は劣悪でした。その状況下で夫は……緊張感を維持する矢面に立たされていました（スカイマークで整備士をしていてくも膜下出血で亡くなった53歳男性の妻）。

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（８）「社長の言葉は、夫の亡くなった当日から「関ちゃんはたいした仕事はしていなかった、お金もことも一切知らない」というものでした。……「30年もかわいがってやったのにこんなことをされて大迷惑だ」という醜い言葉もありました（寺井土木の工務部長をしていて自死した48歳男性の妻）。

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（９）「各機関の対応に対し、強い不信感と怒りを持っています。……名古屋東労働基準監督署の……調査官は、「嘘であろう証言も、証拠として扱う」と言い……ました。社長の作り話を上手に取り入れて、それで判断されたものです」（メイコウアドヴァンスで自死した52歳男性の妻）。

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（１０）「熊谷労基署には、「労災が発生したのは10年以上前、労基署の段階では不支給になっているし」等々言われ、労災を発生させた大企業の責任を問う気など全くない態度でした」（東芝で液晶開発技術者をしていてうつ病を発症した当時35歳の女性本人）。

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（１１）「労働行政の現状を改め、一日も早く「健康で安心して働ける環境、豊かでゆとりのある勤労者生活」の実現という本来の目標に従った労働行政を進めていくことを強く要求するものです」（クォーク社のレンタルビデオ店リバティーで店長代理をした後、くも膜下出血で死亡した27歳男性の母親）。

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（１２）「息子を助けられませんでした。残念でなりません。……このような災害を防いでください。息子にはまだまだ長い人生をともに過ごして欲しかったです」（中部電力浜岡原子力発電所で自死した男性の母親）。

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（１３）「国や会社は過労死を認めようとはしないのが実状であります。私たちは、家族が一生懸命に働いて仕事で亡くなったことを証明するという、厳しい条件の中で闘っております」（日産フォークリフト静岡販売で心筋梗塞で突然死した32歳男性の父親）。

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（１４）「認定業務においては、被災者のおかれていた状況を想像するだけの力、被災者・遺族の無念さと苦しさを感じ取るだけの感性、そして人の命を評価しているということに対する真摯な取り組み姿勢が必要ではないでしょうか」（高梁市教育委の主事でくも膜下出血により死亡した40歳男性の妻）。

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（１５）「万が一、支部審査会で公務外になれば、今度は、本部審査会に行き、さらに裁判になり、基金は、まちがいなく最高裁まで行くでしょう。現在63歳になる私は、70歳近くまでこの苦しみを継続しなければなりません」（岐阜市役所の室長をしていて自死した男性の妻）。

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（１６）「当該校、前任校の管理職含め先生方全てが「明らかに過労死である」と全面的にご協力頂き、教育委員会も「公務上災害」と認定し……ていますが、教育も主人の事も全く知らない基金だけが「公務外」とします」（横浜市立中学教諭でくも膜下出血により死亡した40歳男性の妻）。

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（１７）「希望に燃え、元気に働いていると思ってばかりいた。仕事のことは何も知らない遺族が、どこまで仕事で亡くなったことを証明しなければならないのでしょうか」（名古屋市バス運転士で自死した37歳男性の父）。

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（１８）「被災者と家族は、真面目に一生懸命働いたが故に倒れ、やむを得ず裁判に訴えやっと認められました。これからの人生にわずかでも光が差し込んだのに、また裁判を余儀なくされる被災者の気持ちがわかりますか？」（豊橋市立中学教諭で脳内出血により重度の障害となった52歳男性のおば）。

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（１９）「子ども時代を幸福に生き、その後の長い人生を生きていく勇気と力が育まれていくためには、すべての学校の教師に健康で安心して教育に当たる条件が整えられ、教師自身が幸福な笑顔で子どもたちの前に立っていなければならないはずです」（磐田市立中学校教諭で自死した24歳女性の母）。

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（終）これだけでもうたくさんですが、事件はまだいくらでもあります。ある遺族の方は「この場に来れない遺族の分もがんばります」と集会で発言されていました。単に会場が遠くてなどということではなく、泣き寝入りせざるをえなかった方も含めて全ての遺族に向けられていたと思います。