Nスペ がんワクチンは夢の発明なのか
#医薬。#がん。STS。Nスペ「がんワクチン ~“夢の治療薬”への格闘~」 http://t.co/5Ljks68N 深夜0:25~再放送。ペプチドワクチン。 #npuh
2012-11-21 22:06:04Nスペの内容を批判している医療者の方をジェラシーだとか見苦しいとかいっている人がいる。そういう言葉こそ負け犬の遠吠え。見苦しい。
2012-11-23 00:09:21Nスペの再放送の録画を観た。あたかも遠くない未来に「がんワクチン」が標準治療になることを前提としており、難治性のがん患者さんたちに現実以上の「がんワクチン」に対する期待と希望を煽動する、公平性を欠いた内容と言わざるを得ないだろう、これは。
2012-11-23 02:05:31確かに悪性腫瘍治療における免疫療法の進歩は目覚しい。血液腫瘍の領域では腫瘍抗原(CD20)を標的としたリツキシマブに代表される抗体療法は既に治療の主軸となっているし、他の領域でもPD-1やらCTLA-4やらCCR4やらT細胞を標的として免疫賦活を目的としたものも出てきている。
2012-11-23 02:06:45一方、同じ免疫療法でもがんワクチンや細胞治療はやや出遅れ感が否めないと思う。勿論、がんワクチン自体を否定する気は毛頭ない。「がんワクチンが本当に効くなら早々に標準治療になっているはずでしょ」という意見は些か乱暴だし、試行錯誤の繰返しで効果は飛躍していくものだろう。
2012-11-23 02:08:16私は血液内科医なので、正直固形がん関連のがんワクチン事情は良く知らない。しかし、http://t.co/ljkDNIWY や http://t.co/LBz4ONto などの最新の報告を見るだけでも、血液腫瘍においても腫瘍免疫に関する研究が盛んで期待度も高いのが分かる。
2012-11-23 02:09:27放送にも出てきたご高名な研究者たちには是非ともより効果の高い方法の開発と、しっかりとした臨床試験の立案と評価に一層の努力をして欲しい。
2012-11-23 02:10:47しかし、NHKがこれ程までにがんワクチンの陽の側面に終始するのは何故なのか。がんワクチンの種類は?試験デザインは?比較試験は?奏功率は?生存ベネフィットは?増悪率は?有害事象は?などの情報も併せて提供しないと正確な判断ができるはずもあるまい。
2012-11-23 02:12:09これは公共放送が垂れ流す内容としては不適切と言わざるを得ない。その裏で繰り広げられている内情のことは場末の血液内科医には知る由もないが、これでは「がんワクチン」の主導権を握ってしこたま儲けたい人達との壮大な利益相反の存在さえ疑われても仕方ないレベルだろ。
2012-11-23 02:13:52NHKの放送を見て絶望の淵から一縷の光を見出した患者さんが、がんワクチンを熱望した場合、一体どうなるのか考えたのだろうか?意図的に治験への参加を誘導すること自体にも問題はあるが、治験に参加できない方は、再度絶望するか、インチキクリニックの門を叩きその餌食となるのがオチだ。
2012-11-23 02:15:09あるいは〇〇*大学に代表される「何しろ我々は大学病院ですからインチキなはずないでしょ」的なご立派大病院に取り込まれる可能性もある。ネットで調べるだけでも、大学病院や国立病院でも臨床試験と銘打って免疫療法を実施しているその傍らでしっぽりと自由診療も併行している所がわんさと出てくる。
2012-11-23 02:16:20しかし、「将来有望」と「即戦力」が全くの同義でないことは、宮市亮や斎藤佑樹を見れば誰にでも理解できるはずだ。あたかも「即戦力」に見せかけて「将来有望」の未確立医療を自由診療で行ったのであれば、それは明らかに詐欺でしょ。
2012-11-23 02:17:49更に汚いことに、インチキクリニックは、単独では効果不十分という尤もらしい数字を明示し、それを逆手に「標準治療との併用で相乗効果!」と謳う。「我々はあくまでサポートよん」という立場で入院床もない状態で治療を行い、法外な治療費を支払わせ、手に負えなくなると丸投げする。責任とは無縁だ。
2012-11-23 02:18:58このよう遣り方に翻弄させられ憤慨し忸怩たる思いをさせられた経験のある患者さんや医療者は少なくないに違いなく、断固として認められない。何故このような倫理無法医療が野放しになっているのか。そもそも国立機関でもその旨味に集っているわけだから期待はできんわな。アホくさ。
2012-11-23 02:20:21以下完全な自論。腫瘍免疫を抑制された自前のリンパ球やらNK細胞やら樹状細胞やらを、いくらサイトカインやペプチドで取っ替え引っ替え活性化・増幅させたからって、自己の免疫監視を潜り抜けてきたヤツは完全制御できんでしょ、と思う。
2012-11-23 02:21:21低腫瘍や分子学的レベルならいざ知らず、バリバリの抵抗性でゴリゴリの高腫瘍量が、ワクチンを打っただけで消えるはずないわな、とも思う。
2012-11-23 02:22:02がんワクチンは、その他の標準治療との併用に存在意義を見出すべきだと思う。んっ、オレはインチキクリニックと同じこと言っているか?しかし、以前にもtwしたが、免疫療法を担う能力は、自己免疫よりも同種免疫でしょ、と更に思う。
2012-11-23 02:23:01例えば現在、大阪大学(UMIN000004753)や国立がんセンター(UMIN000002089)では「同種造血幹細胞移植後の再発予防としてのWT1ペプチドワクチン療法第 I 相試験」が実施されている。これは期待できんじゃね、と思う。
2012-11-23 02:23:59また個人的に面白いと思っているのは、愛媛大学の安川先生が提唱している「造血幹細胞に白血病特異的T細胞受容体遺伝子を導入後に自家造血幹細胞移植を行う方法」で、理論的にはGVHDを伴わないGVLが誘導されるという。大いに夢があるではないか。
2012-11-23 02:24:46しかし、このような合理的な使用法が確立したとしても、再発率30%が15〜20%に低下、程度の期待度ではないか、という気もする。
2012-11-23 02:25:42不当に免疫療法を行っているインチキクリニックには、常日頃から業を煮やしまくっているだけに、Nスペ観て深夜に興奮してしまったではないか。上先生の仰られるように、これは嫉妬なんだろうか…違うと思いたい。けっ、バカバカしい、早よ寝よ。
2012-11-23 02:28:40@smiley_katasan ありがとうございます。がんワクチンに対する反応の差は、私的な経験の差に由来するのかもしれません。それはひょっとすると「見苦しい」感情論なのかも知れませんが、決して「嫉妬」ではないと思います。
2012-11-23 12:39:27