プロデューサーさん!選挙ですよ!選挙!
今回は、ただどんな風に話したらいいのか、ボクも十分にまとまっていない部分もあるし、キミたちの意見もぜひ聞かせて欲しいところだよ。まず、今回の選挙で大きなポイントとなるのが三年前に行われた衆議院選挙による政権交代。そして、その評価であることはおそらく間違いないんじゃないかな。
2012-11-24 21:18:19三年前、民主党はマニフェストで「子供手当て」や「高校無償化」など、いくつかの公約を押し出すことで政権交代をすることに成功した。それは確かなんだけれど、あの3・11の大震災があったにしてもその成果は評価があまり高いとはいえないからね。そのため、党内でも様々な分裂が起きた。
2012-11-24 21:21:07たぶん、今度の選挙には興味を持っている人はキミたちの中にもたくさんいるんじゃないかな。それを考えるときに、一つのポイントとなるのが第三極と呼ばれるもの。そして、ボクが今話している民主党の評価、そして自民党の支持率になる。
2012-11-24 21:22:29この前の自民党の総裁選挙の時に、それが事実上次の内閣総理大臣を選ぶものになるという形で報道していたところもあったみたいだけれど、現時点では確かに自民党の安倍総裁が次期総理大臣になる可能性がかなり高い。それに対して第三極がどれだけ勢力を伸ばすかは一つのポイントになりそうだね。
2012-11-24 21:24:22ただ、第三極とはいっても、あまりにも政党の数が今回は多過ぎてどの政党がどんな主張しているのかもなかなかわかり難いし、けして考え方でまとっているわけでもない。現時点で第三極の目玉になるといわれている維新の会にしても、石原代表と維新のメンバーだとかなり考えが違っているみたいだしね。
2012-11-24 21:26:59そこで大まかに分けるとすれば、いくつかの政策での分類になる。一つには、TPPへの参加。そしてもう一つが憲法の改正。経済対策は、これはまだきちんと出揃っていないけれど、円安誘導や、金融緩和の方がやや多い感じじゃないかな。それから原発や外交の問題もある。
2012-11-24 21:29:05それを全部比較するのはかなり大変だけれど、今回ボクは別の部分から少し考えてみようと思う。これはいくつかの分野に関係することだけれど、安倍自民党総裁のいう「戦後レジームからの脱却」というものだよ。
2012-11-24 21:30:37その前にこれはボクの考えなんだけれど、民主党の支持率が急落することになった原因は、たぶんマニフェストの中身が守られなかったことだけじゃなく、そのときの政権や政府の態度に大きな原因があったんじゃないかな。一つは公務員への対応。そしてもう一つが国民への説明としての部分だね。
2012-11-24 21:33:15民主党は政権交代前に、「政治主導、脱官僚」を掲げていた。これは今でも維新の会や、みんなの党もそうだけれど、実際には政権をとると官僚の力が大きいことがわかってしまったことにある。そこで政治主導に国民が疑問を持ったことはあったんじゃないかな。このことはまた後で話すけれど。
2012-11-24 21:35:45もう一つは、マニフェストの内容が財源不足でできないとわかった後も、それをいずれ実現させるといって国民になかなか説明できなかったことだね。例えマニフェストの内容が実行されなかったとしても、それでも政治を変えていきたいのでお願いします、という方向なら評価は違っていたかも知れないし。
2012-11-24 21:37:50戦後レジームの脱却、という話に戻るよ。これも個人的な意見だけれど、ボクはこの言葉の意味している部分がかなりわかり難いと思うんだ。そもそも戦後レジームというのはなんなのかということだけれど、単純に国際社会の中での日本の立場、という意味でとらえるならそれでいいのかも知れない。
2012-11-24 21:40:23ただ、憲法の改正がかなり現実味のある話として出てきてしまった以上、それだけで簡単に済ませるわけにはいかないからね。キミたちの意見も、このあたりは聞かせて欲しいんだけれど、この構図を「日米安全保障条約」をもとにした日本とアメリカの関係というのなら、それはかなり大きな意味がある。
2012-11-24 21:42:09今回、ボクは民主党が公務員制度の改革になぜ失敗したのか、そして官僚と政治家がどういう関係が望ましいのかを考えているときに、ある短い論文を見つけた。http://t.co/2l9vEZOH それがこれなんだけれど、ジェラルド・カーティスという学者が書いたものみたいだね。
2012-11-24 21:44:29カーティス、という人物についてはボクもそれほど詳しいわけではないけれど、この分析は今からもう十年近く前に書かれたものにしては、かなり現在の状況を的確に見抜いたものだった。簡単にいえば、その内容はいくつかのポイントに分けられる。一つは官僚が日本ではとても大きな影響力のあること。
2012-11-24 21:46:36二つ目は、官僚と政治家を取り結んでいる調整役が次第に機能しなくなっていること。三つ目は日本の官僚システムはとても優秀だと評価していること。そして、官僚批判に安易に走るだけの政党はおそらく上手くいかないこと。大体、そんなところじゃないかな。
2012-11-24 21:48:49今の官僚批判を見ていても、数を削減したり、給料を下げればいい、という意見は見るんだけれど、そのためには官僚の政治に対する影響力をどうやって削るか、という部分に大きな問題がある。その点に関しては、ボクもこれまで具体的な議論が出てこないところが一番の問題だと思うよ。
2012-11-24 21:50:41カーティスがいうには、アメリカの場合政府や政治家のスタッフが多いため、ここが政策の立案などにも力を持っている。でも、日本のシステムではそれを真似るのは難しいし、ドイツのように政党ごとのチームを編成する方がいいんじゃないか、という感じだったはずだね。
2012-11-24 21:52:57でも、ボクがここで驚いたのは彼の提案が的確だったからじゃないよ。それ以上に驚いたのは、アメリカの政治学者がこれだけ日本のことを正確に分析して、その問題点を指摘しているところにある。たぶん、日本の研究者でこれだけ冷静に他国の制度を分析をしている人はけして多くはないんじゃないかな。
2012-11-24 21:55:40アメリカがあれだけの超大国を様々な問題があるにせよ維持しているのは、一つにはこういったスタッフを多く抱えている部分があるんじゃないかな。もちろん、日本がそれを真似しようと思っても、それは簡単にできるわけじゃないんだけれど、ただそこからアメリカ側の意思を知ることは不可能じゃない。
2012-11-24 21:57:47そこで、いくつかのカーティス教授の発言や記事を見ていくと、日本とアメリカの間にある「溝」のようなものがあるのに気づいた。断っておくけれど、ここからは日本人のキミたちにとっては、かなり嫌な話になってしまう部分もある。それでもいいならぜひ聞いて欲しいんだけれど。
2012-11-24 21:59:07まず、これはほとんどアメリカの意見として見てもいいと思うんだけれど、鳩山政権に対するカーティスの批判がある。それは、「日本はアメリカに対して『NO』という前に、『Yes』といえる部分がもっとある」というものだよ。http://t.co/uxRIlMpc
2012-11-24 22:02:38よく、日本人は「日本はアメリカのいうことなら何でも聞く」というけれど、実はアメリカの方はそんなことは思っていなくて「日本はアメリカに対してぜんぜん利益に関わる部分では譲歩なんかしていない」と思っている。これはそれぞれの国の立場を考えると、かなり面白い理由があるんじゃないかな。
2012-11-24 22:04:38