「変化の年」となるはずが、「継続性の年」となった2012年

標題通り。しかし2012年は予定外の日本の「変化」によって記憶される年になるかもしれない。
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fj197099 @fj197099

2012年もそろそろ終わろうとしている。今年は世界主要国の「指導者交代の年」として注目を集めた年だった。だが、蓋を開けてみるとどうやらおかしなことになったと言えそうだ。注目された権力交代の機会だったが、必ずしも変化ばかりではなかったのである。むしろ継続性が目立った年だった。

2012-11-25 20:33:58
fj197099 @fj197099

その代表例が米国のオバマ大統領の再選だろう。米国が経済面で行き詰まっていた状況を考えれば、オバマは再選されること自体が歴史的とも言われた。しかし蓋を開けてみれば全米得票率では競り合ったものの、大統領選挙人数ではロムニーに対し圧勝であった。上下両院の構図も選挙前と殆ど変らなかった。

2012-11-25 20:34:05
fj197099 @fj197099

ロシアではメドヴェージェフが退任してプーチンが新大統領に就任した。しかしこれも変わり映えしない顔である。既に大統領として二回の任期を経てきている以上、そしてメドヴェージェフ時代も実際にはプーチンが主導権を握っていたとみられる以上、ロシアは昔も今も「プーチンのロシア」で変わりない。

2012-11-25 20:34:12
fj197099 @fj197099

中国は確かに指導者の顔が胡錦濤から習近平へと変わった。しかし中国の場合、最高指導者は選挙で変わる訳ではないので、次の国家主席が習近平になるだろうということは、2010年に彼が党中央軍事委員会の副主席に就任した時から明らかだった。変化はあるだろうが、予想外というほどのものでない。

2012-11-25 20:34:26
fj197099 @fj197099

台湾でも今年一月に選挙があった。しかしここでも当選したのは現職の馬英九。この選挙で民進党が勝利すると、再び台湾独立論が台頭して、中台両岸関係に大きな変化があるのではと言われていたが、実際には現職再選となったことで変化は殆ど起こらないと見られる。ここでも変化なし。

2012-11-25 20:34:38
fj197099 @fj197099

変化が生じたと言えるのは、4~5月のフランスの大統領選挙位であろうか。ここでは現職のサルコジが挑戦相手の社会党のオランド党首に敗れた。この点、フランスでは珍しく親米かつネオリベラルな方針を採っていたサルコジの経済・対外政策姿勢は今後、明確に修正されてゆくものと考えられる。

2012-11-25 20:35:09
fj197099 @fj197099

なお残っているのは韓国の大統領選挙(12月)である。ここでは注目された安哲秀候補の撤退で、構図は与党セヌリ党の朴槿恵候補と、野党民主統合党の文在寅候補の事実上の一騎打ちとなっている。現職の李明博大統領は再選禁止規定のため出馬できないので、いずれにせよ選挙後には変化が生じるだろう。

2012-11-25 20:35:30
fj197099 @fj197099

こう見ると、2012年は「変化の年」であったはずが、実際にはかなりの程度、「継続の年」になったようにも感じられる。しかし、予想外の変化がまだ残っている。そう、予定外に行われる日本の衆院解散総選挙である。民主党が勝つ可能性は乏しく、政権交代がほぼ確実に起こるだろう。

2012-11-25 20:35:43
fj197099 @fj197099

結局、この予定外の日本の総選挙が2012年の「変化」として最も記憶されるものになるかもしれない。日本は末期の自民党政権とその後の民主党政権の時代に失った国家としての決断力を取り戻せるのか。安定政権を樹立して国際的な信用を回復できるのか。12月の選挙に全てが掛かっていると言えよう。

2012-11-25 20:36:29