相手のことを考えないで行動するキャラが描かれる物語

内発的なキャラクターが描かれることの意義と、その魅力について。 あ、「忖度」は「そんたく」と読みますよ。他人の腹のうちを推し量ろうとするっていう意味ですよ。 続きを読む
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泉信行 @izumino

コミュニケーションが大事、というテーマを表に立てつつ、サマーウォーズは「相手の都合を考慮しないおねだり」を否定せず、愛される行為として描いている。つまり、自分のことしか見てない夏希先輩はとてもかわいくて全て許され、世界中の家族は自分の家族のことだけを考えて責任を日本人に丸投げする

2010-08-10 04:23:20
泉信行 @izumino

サマーウォーズの演出が、内面描写を放棄した行動主義にシフトしていたことが、この「相手の都合の忖度しなさ」とシンクロする。ゆえに、内面描写のある侘助は悲劇を担当すると言える(=好きな人の気持ちを思いやろうとしたことによって相手を傷付けてしまう)

2010-08-10 04:26:41
泉信行 @izumino

この問題はアリエッティにも繋げられる。アリエッティはこの「忖度しなさ」を、残酷な暴力として突き放しながら描く一方で、その暴力が「出会い」を生むことまでは否定していない。そこにせつなさがある。

2010-08-10 04:30:20
泉信行 @izumino

アリエッティも、内面描写はほぼない。感情表現も、相当に客観的だ。細田守も、その突き放した演出が宮崎駿と合わなくて追い出されたのだと想像できるが、米林監督の突き放した演出が、ジブリ映画として成功していることについては感慨深いものがある。まさに、ありえたかもしれない「ハウル」だ

2010-08-10 04:34:22
泉信行 @izumino

とにかく、「相手の内面への忖度」を放棄した所からの出会いやコミュニケーションを描くことがこれからは重要なんじゃないかな。神の視点で「相手の内面を覗き見る」ことを主軸としたドラマは前年代で通り過ぎてるように思う。それだと「相手を理解しないかぎり永遠に何もできない」になってしまうしね

2010-08-10 04:39:36
泉信行 @izumino

なんにせよ、「自分がそうしたいと思ったから、そうする」という決意の上で行動し、そして後悔するアリエッティは可愛いし、他人の都合を顧みず、謝ったり付き合ったりすれば許されると思ってる夏希先輩は可愛いということですね。どちらも、内発的な人格を描くことによる魅力だと思う

2010-08-10 04:54:31
@DecoponMAGI

@izumino『「相手の内面への忖度」を放棄した所からの出会いやコミュニケーションを描くことがこれからは重要なんじゃないかな。』<なんか素晴らしい!

2010-08-10 09:21:31
@_danwaneji

@izumino 「相手のことを考えるから身動きを取れなくなる」「相手のことを考えないから根本的転換を起こせる」っていうと、イノベーションのジレンマを想起させて面白いですね。

2010-08-10 09:26:15
@blue_ash_brown

目からウロコ。RT @izumino …サマーウォーズは「相手の都合を考慮しないおねだり」を否定せず、愛される行為として描いている。つまり、自分のことしか見てない夏希先輩はとてもかわいくて全て許され、世界中の家族は自分の家族のことだけを考えて責任を日本人に丸投げする

2010-08-10 23:46:29
@blue_ash_brown

確かに、夏樹先輩を「無邪気な愛されキャラ」として見られる。すごく頷ける視点なんだけど、何故それに気付けなかったんだろう・・・?僕の中では、「時かけ」の真琴は愛すべき馬鹿キャラだけど、夏樹先輩はちょっと許容範囲外だった。

2010-08-10 23:49:28
@blue_ash_brown

それは、健二を巻き込んだことに対してあまりにも無責任に感じたからだ。健二に謝るなり親戚にフォロー入れるなりせいや!と思ってしまった。そこを「健二はバイトとして受け入れたんだから、謝ったりフォロー入れたりする筋合いは無い」と捉えてたとすれば、さっきの視点で納得できる。

2010-08-10 23:53:07
@blue_ash_brown

つまり、僕には説明されるまで夏樹先輩の魅力がわからなかった、ということか。残念。

2010-08-10 23:55:17
@miyamo_7

●●が泣いたのは悲しいからである」というお話と、「悲しくなったは泣いた」というお話は、悲しみと涙と描きながら決定的に異なるもの……だと思う。前者は心理のドラマだが、後者は状態と行為のドラマだ。

2010-08-10 04:48:53