茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第789回「決断すべき時はわかる。後悔したら戻ればよい」

脳科学者・茂木健一郎さんの11月29日の連続ツイート。 本日は、人生へのエール系ツイート。
14
茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-11-29 06:53:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第789回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、人生へのエール系ツイート。

2012-11-29 07:51:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

けこ(1)昨日、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演された商社マンの片野裕さんと、チーフプロデューサーの山本隆之さん(たかさん)といっしょに、トークショウを横浜国立大学でやった。「静かな情熱」をテーマとするこの番組。学生たちとともに、大いに語り合った。

2012-11-29 07:53:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

けこ(2)そんな中で、ある学生の質問が心に残った。自分がやりたいことと、他人が喜ぶことの二つがある時、どちらを選ぶべきか、という。一般論とは別に、なぜそのような質問をするのだろう、と気になったので、聞いてみると、彼女の過去に、そのようなことがあったのだという。

2012-11-29 07:54:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

けこ(3)大学に進むとき、自分がやりたい学部と、他人から勧められる学部が違っていた。どちらも合格したのだけれども、結局、他人から勧められた学部に進んだと。それを聞いて、私は、なるほど、と思った。そして、これは、文化庁長官をされていた河合隼雄さんから聞いた話だけど、と継いだ。

2012-11-29 07:55:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

けこ(4)河合隼雄さんは、作家の筒井康隆さんと親交があった。筒井さんは、ある時期、人を殺す夢を繰り返し見たのだという。それを聞いて河合さんは言った。ああ、筒井さん、それはね、あなたが本当に人を殺したことがあるからですよと。それで筒井さんは思い出した。若い時、役者になる夢を諦めた。

2012-11-29 07:57:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

けこ(5)私は、その学生に言った。決断すべき時というのは、自分の心にきけば、決めるべきときはわかる。その時は2秒でわかる。もし決められない時は、まだ機が熟していない。しかし、締め切りがあったり、外部との関係で、まだ機が熟していなくても選択しなければならないこともあるかもしれない。

2012-11-29 07:59:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

けこ(6)機が熟していないのに決めてしまって、それが、後々まで残ることがある。そんな時は、自分の選ばなかった道の方に向き合わないと、心が浮かばれない。筒井康隆さんが、小説家をしながら役者の仕事も始めたように、人生の後からも、選ばなかった選択を活かす方法はある。

2012-11-29 08:00:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

けこ(7)だから、あなたが、自分のやりたかった学部に行かなかったということは、これは過ぎてしまったことで仕方がないことだけど、将来、そのような興味、関心に近い仕事につくというような形で、自分の心に戻っていくことはできるんじゃないかな、そんなことを、私はその学生に言った。

2012-11-29 08:01:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

けこ(8)セッションが終わった後、舞台の横で、別の男子学生に話しかけられた。彼も、自分の夢を諦めて、別の道を選んでしまったのだという。もう始まってしまっている一つの人生と、あったかもしれない人生。その折り合いをつけることは、実は可能だし、そのために努力することは楽しい。

2012-11-29 08:02:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

けこ(9)決断すべき時はわかる。後悔したら戻ればよい。昼食の時に何を食べるか、やっぱりカツ丼にしておけば良かった、という後悔から、人生の本当の別れ道まで。「もう一つの、あったかもしれない人生」が心残りの時には、戻って、その時の自分に向き合えばよい。過去の未来は、今につながる。

2012-11-29 08:05:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第789回「決断すべき時はわかる。後悔したら戻ればよい。」でした。

2012-11-29 08:05:31