安定ヨウ素剤の服用効果は?服用基準を引き下げる必要はあるの?
・原発事故時の最優先事項は避難・屋内退避。論点は避難時の一時的な安定ヨウ素剤服用の効果や服用リスク、服用基準引き下げの是非について。
・いまの安定ヨウ素剤神話が拡がるなか、その効果を理解している人がどれだけいるのでしょうか?
・第31回原子力規制委員会(平成25年2月27日)において、原発から概ね5km以内の地域住民への安定ヨウ素剤事前配布を含む原子力災害対策指針(改定案)が決定。
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0031_08.pdf ←リンク切れ(後日探します)
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現在、日本の安定ヨウ素剤服用基準は甲状腺予想等価線量100mSv
まとめ
1歳児の安定ヨウ素剤服用基準は?いつ飲めばいいの?
・第31回原子力規制委員会(平成25年2月27日)において、原発から概ね5kmの地域住民への安定ヨウ素剤事前配布を含む原子力災害対策指針(改定案)が決定。
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0031_08.pdf
P20「(ⅱ)住民等へ事前配布 原子力災害対策重点区域のうちPAZにおいては、…安定ヨウ素剤の服用が適時かつ円滑に行うことができるよう、平時から地方公共団体が事前に住民に対し安定ヨウ素剤を配布することができる体制を整備する。このため、原子力規制委員会は、関係省庁の協力を得つつ、安定ヨウ素剤の配布・服用方法等の具体的な在り方について速やかに検討し、その結果を本指針に記載する」
P40「医療総括責任者は、放射性ヨウ素の放出が予想される場合や放出された..
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まとめ
事故があったら、30キロ範囲の人はすぐにヨウ素剤を飲むべきなのか?
・いまだに続く安定ヨウ素剤神話、それは必要な時に服用するもの。
・まとめ:「1歳児の安定ヨウ素剤服用基準は?いつ飲めばいいの?」 http://j.mp/RFCvIw
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まとめ
朝日新聞の報道【原発周辺住民は「ヨウ素剤飲むべきだった」 識者が指摘】に対し事項の確認と私見
一つの記事に含まれる内容と背景が膨大だと、表面的に切れ切れにしか見えないことになる。センセーショナルな内容だけが浮き上がるが、それのもとになる情報を解きほぐしてみたい。
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- 放射性ヨウ素が吸入あるいは体内摂取される前24時間以内又は直後に、安定ヨウ素剤を服用することにより、放射性ヨウ素の甲状腺への集積の90%以上を抑制することができる。また、すでに放射性ヨウ素が摂取された後であっても、8時間以内の服用であれば、約40%の抑制効果が期待できる(34)。しかし、24時間以降であればその効果は約7%となることが報告されている。参照
- 原子力災害時における安定ヨウ素剤服用による副作用についての考え方 我が国では、従来より、甲状腺機能亢進症治療の手術前に、ヨウ素を含む製剤が使用されてきたが、生命に危険を及ぼす重篤な副作用の報告は殆どない。 また、チェルノブイリ事故時に安定ヨウ素剤の服用を実施したポーランドでは、成人での生命に危険を及ぼす重篤な副作用は極めて低頻度であり、若年者での重篤な副作用は報告されていない。 安定ヨウ素剤の服用に当たっては、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を抑制する効果を最大に導き出すとともに、生命に危険を及ぼす重篤な副作用は稀にしか発生しないと推測されているものの、副作用を可能な限り低減する努力が必要である。参照
酋長仮免厨
@kazooooya
.@iina_kobe さんのコメント「ここまで生物学的知見なし。ここは日本だ。甲状腺のヨウ素量は「過剰」だ。特に東北は海産物の摂取も多い。従って「安定ヨウ素剤」の服用は無意味。」にいいね!しました。 http://t.co/WX1vTaFH
2012-12-01 14:09:08
酋長仮免厨
@kazooooya
iina_kobe さんのコメント「@drsteppenwolf これのP5でも読めばわかるかも。 http://t.co/NdxyEZiF..」にいいね!しました。 http://t.co/BkdyZ1Y5
2012-12-01 14:09:21
酋長仮免厨
@kazooooya
.@drsteppenwolf さんのコメント「【過剰ヨウ素摂取と甲状腺】長瀧重信(p5) http://t.co/67w9ikBz..」にいいね!しました。 http://t.co/5jPiXF95
2012-12-01 14:14:19
酋長仮免厨
@kazooooya
『事故があったら、30キロ範囲の人はすぐにヨウ素剤を飲むべきなのか?』 http://t.co/VTKUheoY 誤解されている方が多いようですが、「屋内への退避と安定ヨウ素剤の服用を組み合わせて実施することで、甲状腺等価線量の50 mSvを下回ることが可能」というだけの話だおw
2012-12-01 14:17:57原子力規制委員会・第2回緊急被ばく医療に関する検討チームの開催(12/03)
中村委員:安定ヨウ素剤を服用したからといって全ての被ばくがゼロになるわけではない。
◆配布について
- スクリーニングだけで半日~1日過ぎてしまう。その後ヨウ素剤配布の検討・配布をするのでは、実際の大規模災害時にはうまくいかない。ヨウ素剤を貰うのに外で並んでいた。事前配布を考える必要がある。万が一、情報が遮断された場合でも空間線量等、現地判断で医師以外でも服用指示ができる体制が必要である。
- 緊急時のヨウ素剤配布は通常医療ではないから、必ずしも配布時に医師の関与を必要としない。服用により喘息発作などを起こした場合に救急搬送などのケアのために医師などが必要。
- 1錠あたり350mg以下は劇薬指定から外れている。したがって市販のは医師処方箋は要らない(処方箋なくても使える薬=零売)。
- 医師の指示を待っていたのではタイミングを逃す。医薬品としてではなく防災のツールとして、実際の投与判断は防災としての意志決定であり、医師が判断するものではないと最低限確認したい。
◆副作用について - 安定ヨウ素剤服用の効果:服用3分~5分ぐらいで甲状腺に取り込まれていく。100%のブロックはあり得ないが90%以上の抑制効果はある。
- チェルノブイリ事故時のポーランドの事例:小児1000万人、大人700万人に投与。小児のアレルギー副作用はない。大人場合でアレルギー・喘息既往歴のある方が喘息発作で緊急搬送された。5000人に1~2人のオーダー。
- 服用による高カリウム血症の心配はない。長期連用していた場合、甲状腺機能低下が見られるが服用を止めればすぐ戻る。
- 安定ヨウ素剤使用期限:遮光保存で3年間。3年間過ぎたら99%以上の安定性がなくなる訳ではないがデータ・試験がない。
- 緊急消防隊員へのヨウ素剤配布・服用例:副作用が起こるとしたら即時型・アナフィラキシーで、30分間の経過観察を必要と判断した。
- ヨード剤の投与として、CTを撮る時に造影剤を静注で急速に入れると10万人に1人がショックで亡くなる。重篤な副作用は即座に現れる。静注と内服は違うが安全かどうかはデータがなく、医師として服用指示を出すのは不安。
- 製薬メーカ「(2005年以降)因果関係が明らかになった重篤な副作用事例はない」との回答。全戸事前配布が無理なら、乳幼児・妊産婦などを重点的に事前配布が望ましい。
- 安定ヨウ素剤の服用で、一過性の不安がなくなる心理的効果、乳幼児については親の安心感に繋がる事を考えなくてはならい。
原子力規制委員会・第3回原子力災害事前対策等に関する検討チーム会合(12/13)
立崎英夫氏「一言で言えば、安定ヨウ素剤の使用というものはそんなに単純じゃないよ」
◆安定ヨウ素剤配付のこれまでの状況
- ヨウ化カリウムは処方箋医薬品以外の医療用医薬品だが、(局長通達により)原則、処方箋はいるけれども大規模災害時服用及び地方自治体備蓄は除外
- 住民への配付方法:事後配付、周辺住民等が退避し集合した場所等において、服用
- 保管場所:医療機関、役所、保健所、学校
- 投与:服用回数は原則1回、その後は避難を優先させる。服用量は年令区分毎に規程。40才以上は不要。副作用を考慮した服用対象者の制限(ヨウ素過敏症の既往など)
- 介入レベル:全ての対象者に対し一律に、小児甲状腺等価線量の予測線量100 mSv
◆投与の決定に関する要因 - 甲状腺がんによる死亡の確率は極めて高いというわけではない(等価線量50 mSv前後では)
- 重篤な副作用の確率も極めて高いというわけではない
- 重篤な副作用とは:治療を必要とする呼吸困難・突然の血圧低下・心停止
- 直接の影響と同時に他の要因も総合的に考慮する必要有り
◆副作用のリスク低減のために - 服用除外者の事前把握が望まれる
- コントロールされた環境(異常を通報できる環境)での投与が望ましい
- 情報提供と教育(事前)
◆投与の決定に関する要因 - 安定ヨウ素剤は効果が限られる。有効な投与タイミングが限られる
- 放射性ヨウ素取込前の予防投与が必要だが、長期連用は避けるべき
- 放射性ヨウ素以外の放射性物質に無効
◆主要国の安定ヨウ素剤配付状況 - アメリカ:州ごとの配付方法(10マイル);10州は州の判断として安定ヨウ素剤が屋内退避や避難を効果的に補足するものとしてみなしていないことなどの理由により配布は考慮していない。5州は事故後に安定ヨウ素剤を住民に配布する
- フランス:意見調査(1997アンケート):安定ヨウ素剤配付は賢い決定であると思う68.7%, 家に置きたい31.1%)
- スウェーデン:15kmに事前配布
- ドイツ:事前配付3年後、きちんと安定ヨウ素剤を管理していたのは約20%
◆投与のトリガーと運用について - どこで投与するかの検討が必要。近傍は放出前の予防的避難をで出来るだけ目ざし、EALで早めに避難
- 避難を補足する防護措置として安定ヨウ素剤を投与する時期を検討する。事前配付をもし取り入れても、事後配付は必ず必要
- 安定ヨウ素剤投与による放射性ヨウ素取込の抑制比較( ◆食事中のヨウ素 が十分な場合 ■食事中のヨウ素が不足の場合)
- 安定ヨウ素剤の「事前配付 vs 事後配付」のメリット・デメリット