テニプリでDQパロ～導かれし者たち７～

煌＠ＤＱ11ネタバレ注意 @kou_DQ

エッリイトにたどり着いたリョーマたちが見たのは、見るも無惨な町並みでした。「これは…」「っ…ひどい…」町には毒々しいガスが充満し、人もほとんど見当たりません。粗末な作りの墓が辺り一面に、おびただしいほどにちりばめられていました。 #テニプリＤＱパロ

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「リョウ…」「ああ、前に来たときより格段に酷くなってる…」「これもエスタークが甦るから、なのか？」「わからないけど…このままにはして置けない。行こう…！」リョーマたちは頷き合い、ガスの吹き出る鉱山へと足を踏み入れました。 #テニプリＤＱパロ

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鉱山の中はさらに濃厚なガスが漂い、さらに魔物まで出るのでリョーマたちは苦戦しながらもなんとか先へ進みます。「あれ…道が出来てる」リョウが声をあげました。前に来たときには壁だった場所にぽっかりと大きな穴が空いています。 #テニプリＤＱパロ

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「…この人が壁を破ったんでしょうね」イヴが壁の傍でツルハシを握りしめたまま事切れた男に簡単な供養をしながら告げました。「…そういえば…一攫千金を目指してる人がいたっけ」「せやけど穴の向こうにあるのか宝やのうて地獄の入口やで」「…憐れだな」 #テニプリＤＱパロ

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「人間が自分の手で脅威を復活させてしまうとはな」「…愚かな人間、か」先程のチトセの言葉を、リョーマは思い出していました。そんなリョーマの肩にユキムラが手を置きます。「…人間が復活させたなら、人間の手で後始末すればいい、それだけだろ」 #テニプリＤＱパロ

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穴の向こうはガスもさることながら、強力な魔物が巣食っていました。リョーマたちは力を合わせて先を目指し、やがて開けた空間にたどり着きます。「ここは…？」「こんな空間が地下に広がっているなんて」「……ここが、地獄かいな」「なんて禍々しい空気…」 #テニプリＤＱパロ

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「見ろ」サナダが指差したのは大きな神殿でした。「邪教の刻印だ。恐らくあそこにエスタークがいる」「いよいよ地獄の帝王と御対面か…」「みんな、覚悟はいい？」「ああ」「勿論」「今さらだって」「ここまで来たら腹ァくくったで！」「…ブッ倒す！」 #テニプリＤＱパロ

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神殿には魔物がうろついていましたが、同じぐらいたくさんの宝箱もありました。「うわ！これもゴールドぎっしり！ユウシ！袋、袋！」「はいよー！」「二人とも…先に進むよ」「魔物が混じってる可能性もあるぞ、インパス」「あ、魔物だ」「回避っ！」「ミミック泣かせな魔法やな」 #テニプリＤＱパロ

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「大量大量」リョウとユウシが満面の笑みを浮かべるのを、アツシがあきれながら眺めます。「もう…これから地獄の帝王と戦うっていうのに」「まあ、それくらい胆力があったほうが頼もしいというものだ」「はは…」リョーマも思わず苦笑いを返しました。 #テニプリＤＱパロ

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「あ！あそこにも宝箱発見！」リョウが軽い足取りで宝箱に向かいます。「…っ！離れてください、リョウさん！」それを無表情で眺めていたイヴが突然鋭い声をあげました。リョウが思わず立ち止まります。「え？」次の瞬間、宝箱の周りに炎が吹き出しました。 #テニプリＤＱパロ

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「うわっ」「リョウ！大丈夫！？」「うん、平気…」リョウが宝箱から距離をおくと、炎は段々収まっていきます。「…なんだあれ」「生ける炎。あの宝箱を守ってるんでしょう。あれに命を与えたものを倒さない限り消えません」「命を与えたもの…恐らくエスターク、か」 #テニプリＤＱパロ

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口惜しそうに宝箱を眺めるリョウの背中を押しながら、リョーマたちは先に進みます。やがて大きな広間にたどり着きました。そこにはいくらかの魔物、そして、「…でかっ！」巨大な魔物が眠っているように静かに玉座に座っていました。 #テニプリＤＱパロ

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「あれが…地獄の帝王、エスターク…」「デカすぎだろなにあれ」「まだ眠ってる、のか…？」「今のうちに倒しておかないと！」「そうだな、卑怯だがそうも言っていられん」「俺らが周りの魔物を引き付けるわ」「リョーマ…お前はエスタークを」「わかった…！」 #テニプリＤＱパロ

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「行くでっ！」ユウシたちが魔物に向かっていきます。「何者だ貴様ら！今は地獄の帝王様をお迎えする大事な時だぞ！」「そんな物騒なことをさせるわけにはいかないぜ！イオラ！」「ぐあっ！！」「今だ！」リョーマがエスタークの元へ飛び込みます。 #テニプリＤＱパロ

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巨大なエスタークを前に、リョーマは剣を握りしめます。「地獄の帝王…悪いけど、そのまま寝ててもらうよっ…」剣を振り上げたその時でした。「なに…ものだ…我が眠り…さまたげる奴は…」「！？」「そんな…」「目覚めた！？」 #テニプリＤＱパロ

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エスタークがゆっくりと目を開き、体を起こします。両手に握られた大きな剣がリョーマを捉えました。「リョーマ！」「くっ…！」振り下ろされたそれを剣で受け止めますが、あまりの重量に思わず膝を付きます。「サナダ、ヤナギ！！」「承知した！スカラ！」「バイキルト！」 #テニプリＤＱパロ

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リョーマの体を光が包み、力がみなぎるのを感じました。同時にユキムラが両手の炎の爪でリョーマと一緒に大剣を支えます。「リョーマ、平気かっ？」「ッス」「よしっ、いくぞ！」二人で同時に大剣を押し退けました。 #テニプリＤＱパロ

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エスタークが大きく息を吸い込みました。「っいけない、フバーハ！」アツシが叫ぶと同時にエスタークの口から凍えるような吹雪が吐き出されます。「…！」リョーマは目をつぶりましたが、寒さは想像ほどではありませんでした。自分の手を見ると薄い光の衣が全身を覆っています。 #テニプリＤＱパロ

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「なんとかしのいだか…だが次がくると厄介だぞ」「…そうやっ！」ユウシは膨れた道具袋から慌てて何かを取り出します。「みんな、気張りや！」青い宝石の付いたそれを振るうと、みんなの傷がみるみる回復していきました。「それはけんじゃの石…！」「サンキュ、ユウシ！」 #テニプリＤＱパロ

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「リョウさん、俺と魔法を合わせてください」「…オッケー！」イヴとリョウが二人揃って空に手を伸ばします。「…メラゾーマ」「メラゾーマ！」二人の手のひらに生まれた火球がひとつの巨大な炎の塊になっていきます。「「喰らえ、メラガイアー！！！」」 #テニプリＤＱパロ

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巨大な炎がエスターク目掛けて飛んでいきます。「っぐおおお！？」さすがのエスタークもよろめきました。「今だ、リョーマ！！」「ユキムラさん！」リョーマとユキムラが頷き合いました。「はぁあ！」「うらぁ！！」二人の攻撃が同時にエスタークに叩き込まれました。 #テニプリＤＱパロ

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「ぐあああああ！！！！」エスタークは野太い悲鳴をあげながら玉座に倒れ込みました。その体がぐったりとしたかと思うと、まるで石のように固まっていきます。「勝った、のか…？」「地獄の帝王を…」「倒した」「俺たちが…！」 #テニプリＤＱパロ

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「やったな、リョーマ！俺たちの勝ちだ！」ユキムラが笑顔でリョーマの肩を抱き寄せました。「ッス…」リョーマは動かなくなったエスタークを見つめます。もう動き出すことはなさそうです。「…なんてこつね…！」突然、大きな声が響きました。 #テニプリＤＱパロ

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そこに立っていたのは、誰であろうチトセでした。動かないエスタークを見て、驚愕の表情を浮かべています。「ほんなこつ…地獄の帝王様を倒せるのは天空の勇者だけんはず。勇者はあの時確かに…」チトセとリョーマの視線がカチリと噛み合いました。 #テニプリＤＱパロ

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「リョーマ…！」チトセが驚いた表情を向け、…やがてその瞳が深い深い闇のように光りました。「…生きとったとね…」「チトセ…！村のみんなとシュースケの仇、取らせてもらう…！」二人が剣を構え、互いを睨みあいます。と、「ち、チトセ様ー！！」 #テニプリＤＱパロ