個人情報保護法について(鈴木正朝教授の連続Tweet その2)

個人情報保護法について(鈴木正朝教授の連続Tweet) http://togetter.com/li/415180 の続き。
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前編

まとめ 個人情報保護法について(鈴木正朝教授の連続Tweet) 個人情報法について鈴木正朝氏 (新潟大学 大学院実務法学研究科 教授 (情報法)、@suzukimasatomo )の連続Tweetをまとめました。 日経新聞の報道「民間の個人情報売買解禁へ 政府、新事業創出を後押し」[ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO48940300Z21C12A1EE8000/ ]による波紋から、世間を騒がすCCC社のT-Pointカード問題、消費者保護、法規制がビジネスを阻害するという俗説に対する批判、個人情報保護法のみにとらわれない総合的な取り組みの必要性について…etc. 26144 pv 176 27 users 65

11月30日夕刻以降分

鈴木 正朝 @suzukimasatomo

「ポイントカードの運営会社が医薬品の購買データを収集していたことが明らかに」http://t.co/LWYKbPjP

2012-11-30 20:39:51
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

「T会員番号、日時、店名、金額、ポイント数、商品コードだけが同社に提供され、個人情報は含まれておらず、購入情報と個人情報は分けて管理していると説明されている。」ってね。この回答が本当ならCCCは完全に法律を知らないで運営している。T会員番号はそれ単体で個人情報でしょう。

2012-11-30 20:40:51
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

まさか、こんなものまで「連結可能匿名化」というつもりでしょうか。世界と逆行した独自解釈で、データ鎖国政策に舵を切るとしたら、産業界は全力で止めた方がいい。規制が緩ければ産業支援という俗説で歓迎とか言ってたらまた10年空費するよ。

2012-11-30 20:42:23
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

利用者情報収集アプリを仕込んでだまして個人情報をたんまり集めて出会い系ビジネス等で使って反社会的勢力の資金源にされるところがあるように思うのだけどもね。彼らも、使うときは、連結可能匿名化していると宣言するだろうね。こうした処理を認める時は、行政調査権の強化とセットになるよ。

2012-11-30 20:48:14
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

連結可能匿名化。匿名性を維持して流通させるのはいいとしてそこに連結性があるだけに第三者に連結されるリスクも残るわけ。そこを技術的に対応するんだろうけどその強度の評価が必要なわけでしょう。ベンダやソフトに丸投げで連結可能匿名化ソリューション採用しているからで終わり。実態は放置。

2012-11-30 20:54:49
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

要するに、連結可能匿名化を採用するためには、それ相応の制度的な準備と構えが必要になる。現行法の「識別」や「照合」性、「容易」性の判断基準の小細工だけでしのげば、第三者連結リスクの担保は不十分なまま走り出すことになる。ガイドライン行政ではリスク放置になるという意味でダメだ。

2012-11-30 20:57:05
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

連結可能匿名化を採用し得るのは「法律」だけである。閣議決定を踏まえて、頭の体操を大いにすべきだが、結論は立法政策にならざるを得ない。その意味で、日経の誤報は「正しい」(?)。虚構新聞というより未来新聞だろう。今回は。

2012-11-30 20:59:03
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

外資系の法務等は法律とガイドラインとPマークと3層構造を本国の本社に説明できず苦慮しているわけ。上の走りすぎるなよと忠告を受けて早々とガイドラインでいくことが決まってそれなりにまとめるわけだけど、法の支配の国々から見るとミステリアスな状況が出来上がるだけ。データ鎖国政策だよ。

2012-11-30 21:05:54
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

スマホの基準をPマークの審査に反映とか。自治体は事実上Pマークを入札条件とか。実質的に国民の権利義務に関係するところであるが国会を経由せず小さく空洞化させている。代表なくして課税なしなのに代表なきところでルールが決まっていく。先進民主国家の企業の方々にどう説明しろというのか。

2012-11-30 21:11:55
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

その場しのぎの弥縫策はやがて歯車が抜けて転がるように崩れていく。そんなビジネスの法的基盤でどうやって安心して投資しろというのか。緩い、ぬるいを歓迎する土壌がそれを許している。PマークもTカードも小さい問題とみなして黙殺し禍根を将来に残していく。そうした10年だった。

2012-11-30 21:14:29
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

あー、某省が何を間違えているか課長、室長らの講演内容をトレースしてよくわかった。「特定個人を識別できなければ本人被害はない」という命題を未だに前提にしている。そこに止まる限り、EUと米国の動向から乖離していく。ビックデータで産業を応援する気だろうが、データ鎖国になる。

2012-11-30 21:45:43
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

「企業が真面目だから過剰反応になる」という理解は、ほんとに一面のことにしかすぎない。そうした状況があることは否定しないが、現行法における問題、過剰反応がなぜ発生するかの原因をしっかり特定できていない。これでは過去5年の繰り返しになる。

2012-11-30 21:48:17
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

まだ、そこにいるのか。現行体制で半年走って「おやっ?」と気がつく。次の半年で検証がはじまる。その次の半年でいかんいかんと軌道修正がはじまり有識者の入れ替えがはじまる。そして再スタートをきって半年。2年が経過してキーマンが異動となる。ふりだしに戻る。これを何セットもやってきた。

2012-11-30 21:53:00
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

ニコニコ大人しい奴ばかりで議論していると役人におもねって裸の王様になるということをしっかり自覚して行政をやるべきだ。それから毎度のごとくファイルを置いていくだけ、ところどころに付箋があるだけで引き継ぎ終わりだから行政の継続性なんてほんとに危ういものだ。ブレークスルーは遠いよ。

2012-11-30 21:56:19
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

某大手企業の重鎮曰く、「マイナンバーの民間利用」への希望があるでしょうと某省に促されたが基本的にどうでもいいと。そんな些末な論点に何の要望もない。それより税と社会保障をしっかりやってくれと。公平な税制と財源確保、安心できる社会保障制度を整えて健全な消費者の創出を希望すると。

2012-12-02 12:51:49
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

産業界からそっぽを向かれて、企画力、まきこみ力が弱くなったからといって、民におもねるようなことをすれば、さらに信用は低下するということに気がついた方がいい。大雑把なほら吹きプレゼンで拍手してよいしょするのは、業界取り巻き系の頭の弱いおじさん連中だけだ。

2012-12-02 12:52:54
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

シビアに眺めて、力量を図って、そっぽを向きはじめる人達も少なからず。仕事の出来不出来、今後の進捗を占うのは、このあたりの風向きや熱のありようだろう。失敗プロジェクト、デスマーチの徴候は毎度同じである。

2012-12-02 12:55:37
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

データ利活用促進策も緩めればOK的な安易な発想がベースにあるような気がして不安が募る。日本だけ排ガス規制を緩めて世界に車が売れただろうか。日本だけの特殊ルールや日本だけ緩いルールが残っているところで、システム開発、サービス設計をしたならば国内だけでしか商売できないものになる。

2012-12-02 12:59:50
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

データの越境があれば問題が潜在的に発生し、常時リスクの上で商売をすることになる。鈍感故に平気なだけ、存在感がないからスルーされるだけを机上のリスクと笑うのかもしれないが、いざとなると他国からの問題提起にさらされる。サービス設計の手戻りと修正、コスト増の繰り返しになりかねない。

2012-12-02 13:01:06
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

弱い産業における誤った政策によってまさに貧すれば鈍するのように悪循環に入っていく。データ利用促進策がデータ鎖国政策につながっていきかねない。衆知を集めて取り組むべきところ衆愚の声に幻惑されてはいまいか。単純規制緩和が産業育成とはならない。禁じ手とその理論的基礎を明確にすることだ。

2012-12-02 13:04:03
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

一つの法律だけをみて、しかも対象情報の性質だけをみて、非個人情報化すればデータ利活用OKという短絡が見える。こんな視野狭窄と目線の低い要望を出して、サービス設計大丈夫か。というかビジネスの法的基盤整備になると思っているのか。http://t.co/n0FQt7yM

2012-12-02 14:22:24
鈴木 正朝 @suzukimasatomo

さっそく某大手からは意見交換のオファーがきた。役所に頼らず、ダメな同業者や業界は捨て置いて、まずは国際水準でしっかり作り込む。時には、EU企業になりEU法を遵守し、米国企業になり米国法を遵守する。アジアに進出して現地化を徹底する。役所とのあうんのもたれ合いの時代ではない。

2012-12-02 14:27:52